Beyond The Little Willies (4) : No Place To Fall

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. . . this article deals with The Little Willies' newest album, as well as original performances they covered on the album. Currently available only in Japanese . . .

Little Willies のアルバム でカヴァーされた楽曲のオリジナルバージョンを探訪する本企画。

第1回の Night Life” (Ray Price)、 第2回の Roly-Poly” (Bob Wills)、 第3回の I'll Never Get Out Of This World Alive” (Hank Williams) に続き、今回はアルバムの 6曲目、ますます評価の高まる孤高のシンガーソングライター Townes Van Zandt“No Place To Fall” です。




[TOM-7017 Side-A]      [TOM-7017 Side-B]

Flyin' Shoes / Townes Van Zandt
(Tomato [US] TOM-7017)




「カントリー界の Nick Drake」と言った人もいるとかいないとか。本人名義では一度も大ヒットを飛ばすことはなかったのに、多くのカントリーミュージシャン達に尊敬され続け、Willie Nelson を含め数知れないアーティストにカヴァーされ、1997年にこの世を去った Townes Van Zandt。キャリア前期のウィットに富んだ暖かさ溢れる曲でも、後期のピンと張り詰めた様な緊張感に満たされた曲でも、歌詞、メロディの秀逸さは変わることはなく、ブルース、カントリー、フォークといったジャンル分けをも超越する個性を発揮し続けました。

Tomato レーベルに移籍して 2作目となる本アルバムでは、A-5 “Who Do You Love” を除いてすべて自作のナンバーを揃え、今にもこの世から消えてなくなってしまいそうな悲しみがほのかに感じられる曲から、スパイスの効いた歌詞やリズミックなアレンジが特徴的なナンバーまで、バラエティに富む構成となっています。裏ジャケットの豪華なクレジットを見ると、Spooner OldhamChips Moman なんて嬉しい名前も。


[TOM-7017 Side-A]      [TOM-7017 Side-B]

その中の A-2 “No Place To Fall” は前者に属するワルツ調のラブソングで、アコースティックギター、スチールギター、マンドリン、キーボード、ピアノ、ベース、ドラムス、タンバリン、という比較的大編成であるにもかかわらず、コード進行も見事なカントリーのお手本的なメジャーコードの楽曲であるにもかかわらず、なぜか不思議と悲しみが感じられるという独特の雰囲気を醸し出すナンバーです。ときどき不安定になったりする、しゃがれ寸前の Van Zandt のヴォーカルがその雰囲気の中心にあることは間違いありません。


A-1 : Loretta
A-2 : No Place To Fall
A-3 : Flyin' Shoes
A-4 : Who Do You Love
A-5 : When She Don't Need Me

B-1 : Dollar Bill Blues
B-2 : Rex's Blues
B-3 : Pueblo Waltz
B-4 : Brother Flower
B-5 : Snake Song

Townes Van Zandt (vo, g), Jimmy Day (steel-g), Randy Scruggs (g, mandolin),
Phillip Donnelly (g, el-g, b-vo), Billy Earl McClelland (g, el-g, b-vo), Chips Moman (g, el-g, b-vo),
Bobby Emmons (kbd), Spooner Oldham (p), Tommy Cogbill (b), Eddy Anderson (ds, perc),
Billy Burnette (b-vo), Toni Wine (b-vo).

Recorded at American Studios, Nashville, TN in 1978 (?)

Engineers : Chips Moman and Don Cartee.




Little Willies のバージョンはというと、カントリーっぽいフレーバーをやや抑え、更にスローに、更にエモーショナルに歌われています。これはまるで Van Zandt のエッセンスを抽出して凝縮したかのような素晴らしい演奏です。特に Richard Julian の声量を抑えつつ、溢れんばかりの情感に満たされたようなヴォーカルが素晴らしい。そこにコーラスで絡む Norah Jones も控えめ。アコギとピアノが中心となったアコースティックな響きも実に美しく、この曲の持つ雰囲気を完璧にひきたてています。楽器編成やアレンジが異なっても、通底するトーンが同じで、どちらも感動的な演奏。今回の Little Willies のアルバムに収録された全カヴァー曲の中でも特に素晴らしい出来ではないかと思います。

そういえば余談ですが、Norah Jones はセカンドアルバム Feels Like Home の A面 6曲目で、Van Zandt“Be Here To Love Me” をカヴァーしていましたね。原曲の雰囲気とはうってかわって、いかにも Norah 節といった感じのアレンジになっていましたが . . .

» . . . 第5回「Beyond The Little Willies (5) : I Gotta Get Drunk」に続く . . . »


[Townes Van Zandt]






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