プレRIAA期のレコードを現代の機器でどう再生すべきか — 実践的な選択肢の整理

最終更新: 2026年4月8日 読了時間の目安: 約4分

プレRIAA期のレコードをどう再生すればよいか?

このページで答える問い: RIAA規格(1954年)以前に録音されたレコードを、現代の機器で再生するにはどうすればよいか。



まず確認:そのレコードは本当にプレRIAAですか?

手元のレコードがプレRIAA期の録音かどうかを、まず確認しましょう。

各レーベルの移行時期については: → 各レーベルはいつRIAAに切り替えたのか?

以下は、確認の結果「プレRIAA期の録音である可能性が高い」場合の選択肢です。


選択肢1:RIAAのまま聴く

最も簡単で、多くの場合、実用上は問題ありません。

プレRIAA期の主要なカーブ(Columbia LP、NAB、AES、Orthophonic など)は、 ターンオーバーがいずれも 400〜500Hz 付近にあり、RIAAの 500Hz と大きくは離れていません。 高域プリエンファシスの差はやや大きいですが、 通常のリスニングで致命的な問題になることは少ないでしょう。

当時のリスナーも、各社のカーブの違いをトーンコントロールで補正しながら聴いていました。 「RIAA以外で聴かなければ台無しになる」というほどの差ではない場合もあるでしょう。

とはいえ、筆者も可変フォノEQを使って、資料を参考にしながら再生していますし、 「台無しになるというほどの差ではない」と断言はできません。

そのため、次の選択肢2が考えられます。


選択肢2:トーンコントロールで補正する

お使いのアンプにトーンコントロール(低音・高音の調整)がある場合は、それを使って、 聴感上のバランスを整える方法です。

精密な補正ではありませんが、実用的です。 実のところ、プレRIAA期のリスナーが日常的に行っていた方法でもあります。


選択肢3:可変EQフォノイコライザーを使う

ターンオーバーや高域プリエンファシスの値を切り替えられるフォノイコライザーを使えば、 録音時のカーブに近い設定で再生を試みることができます。

ただし、注意点があります:


「正解がわからない」ことを受け入れる

プレRIAA期のレコード再生では、一部のレーベルでは使用された録音カーブが特定されているものの、そのほかでは確実な正解がなかったり、諸説分かれていたりするのが実情です。 さらに、当時の録音チェーンは複雑で、EQカーブの3パラメータだけでは捉えきれない変動要因が 数多く存在していました。

可変EQフォノイコライザーで選べる設定は近似値であり、 「この設定が正しい」と保証されているわけではありません。 そのことを理解した上で、自分にとって好ましい音を探る—— それがプレRIAA期のレコードとの、現実的な付き合い方ではないでしょうか。


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変更履歴

  • 2026年4月8日: 初版公開