はったさん による「ダメコンピレーションの代名詞」的な烙印が印象的な(?) Proper Music.しかし Mosaic Records のボックスなんかと比較するのは余りにも酷です.それに,なんといっても「安い」.これは重要です.コンプリートじゃないったって,web みたら分かることですし(笑)
で,最近「当り」「お買い得!」だったのが,Charlie Ventura の 4枚組ボックス.確かにパッケージもちゃちい感じなのですが,何せとんでもなく安い.4枚組なのにほとんど 1枚ものと同じ値段です.それと,このテの廉価盤コンピレーションにしては音質はちゃんとしている.ディスコグラフィーが目的の半分だった私にとっては充分満足できるものでした.
前半3枚の Sunset〜Savoy〜Imperial〜National〜Victor 辺りの音源の集大成も当然素晴しいのですが,なんといっても 4枚目のかの有名な Pasadena コンサート.過去に GNP の LP を含め様々な形でリリースされてきたあの伝説のライブ録音が,ここでは全貌が集大成されています.
最も驚くのが,とても1949年録音とは思えない音質の良さ.恐らくテープ録音最初期なのでしょうが,きりきりくる程生々しく捉えていて非常に素晴しい.1949年録音でこれ程感銘を受けた録音は他に「Be-Bop Professors」などで纏められた Capitol 録音がある位です.
そして何より演奏の活きが素晴らしく良い.筆頭は,リーダーの Charlie Ventura さんをさしおいて,当時 Stan Kenton 楽団で活躍中の Conte Candoli さん.もうこれでもかという位若々しいプレイを連発していてノックアウトされます.Bennie Green さんは相変わらずもぞもぞもごもごという感じではありますし,リズムセクションも今となっては若干オールドスタイル過ぎるきらいもありますが,それを帳消にする程 Conte Candoli さんの男気に惚れます.Boots Musulli さんは Parker クローンとホンカー系をいったりきたりで,これはこれで面白い.そして当然 Ventura さん自身はスタジオ録音での端正なプレイとはうってかわっていきいきとブローしたはります.
今年に入って初めて購入した CD がこれでしたが,いやはや大満足です.