たまたま 2LP (のカット盤) を安価で見付けたので,遅れ馳せながら購入.
James ってホントに息の長い (長かった?) バンドで,元はといえば初代 Smith クローンとして (非運なことに? 本望?) 話題になった位ですから,1980年代初頭から活動していることになります.ちなみに他に Smith クローン (というか Smith フォロアー) として語られてしまうバンドって何があるだろ.Stone Roses と Suede しか思い出せないや.
それはともかく,ある意味見事なまでに時代の波に翻弄されているというか,音楽性を無垢なまでに変化させてきたというか,不思議なバンドでもあります.Primal Scream とかもそうだし,そんなもんなのかな.
で,このアルバム.前作の「Laid」と同様に出た当時かなり話題になったことは覚えてますし,CD で何回か聴いたこともあります (結局その当時には買いませんでしたが).Brian Eno とタッグを組んで作った,稀有な程美しいアルバム.残念ながら当時の私にはいまいちピンとはこなかったみたいで.「あれー,なんでまたあの James がこんなアルバム作ってもうたんや?」くらいで終わった様に記憶してます.更に残念な事に,前々作の「Seven」も (前作「Laid」は当時未聴) 次作「Whiplash」も当時あんまりピンとこなかったのでした.
えー,私間違ってました.すんません.これはとんでもないアルバムでした.収録されている23曲のどれもが,不思議な進行なのに全て曲として見事な完成度を誇っており,かつ美しいものばかり.ふわーっと広がる音響的な感覚と軽やかなダブ感覚をもろともしない (?) 結果として美しいメロディ.1994年の時点で,しかも基本的に即興演奏でこんなの作ってしまうのはやっぱり凄いという他ありません,はい.
というわけで James の LP,今後見付けたら (CD で持ってるのも含めて) 全アルバム捕獲することに決定.