Bill Evans 参加盤という文脈でのみ語られることの多いこのアルバムですが,ここは個性豊かな 4人のアレンジを楽しむのが王道でしょう.Manny Albam, Teo Macero, Teddy Charles, Bill Russo が 2曲づつ担当して全 8曲.基本的に全曲がブルース的な楽曲ではありますが,ここまで音の「色」が変わってしまうものかという程に,4つの異なるベクトルを向いたアレンジの妙が堪能できます.
やはりというか,当り前というか,最も Jazz っぽく感じるノーブルで洗練されたアレンジを聴かせるのは Manny Albam.この人がアレンジャーの作品にはホントに外れがありません.かたや,あの Teo Macero.やや頭でっかち的アレンジではありますが,実に面白い響きを多用した興味深い演奏になっています.
メンバーは東海岸がメインで,一部西海岸の名手がまざるというパターン.ソロスペースは充分にありますが,基本的にはアンサンブルの部分をきっちりこなす時にふと聴かせる個々のプレーヤーの個性の方が実に興味深いです.
Side-A:
Art Farmer (tp),
Frank Rehak (tb),
Phil Woods, Al Cohn (sax),
Eddie Costa (vib),
Bill Evans (p),
Addison Farmer (b),
Ed Shaughnessy (ds),
Manny Albam (arr on A-1, A-2),
Teo Macero (arr on A-3, A-4).
Recorded in New York City on May 15, 1959.
SIDE-B:
Bob Brookmeyer, Donald Byrd (tp),
Hal McKusick, Frank Socolow (sax),
Teddy Charles (vib, arr on B-1, B-2),
Mal Waldron (p),
George Duvivier (b),
Ed Shaughnessy (ds),
Bill Russo (arr on B-3, B-4).
Recorded in New York City on April 30, 1959.