銅板蛸焼器

私が大学生の頃,大阪駅前第四 ビル の地下二階のたこ焼屋でアルバイトをしていました.この時に今のたこ焼を焼く技術 (及び生地の配合の仕方) をマスターしたので本当に感謝しています.以後十年が経過しましたが,未だにここの味に追い付くことは出来ずにいます.

その店は今はもうなくなってしまっていますが,ここのたこ焼は今まで食べた中で一番おいしかったのです.それはどうでもいいのですが,ここもやはり銅板でした.8 x 8 の大きな銅板が 5-6台.熱伝導率が非常に高く,油の馴染も良い.強火でがんがんと焼きをいれ,外はぱりぱり,中はとろとろというあの食感を生み出すには銅板たこ焼器は非常に便利です.この様に強火で焼く場合,ちょっとでも裏返すのが遅れてしまうと,すぐに焦げ付いてしまいます.その為,千枚通し二刀流が基本となります.

さて,この夏帰省した際,いつもの様に明石に玉子焼を食べにいきました.かつて明石の玉子焼屋をほぼ全店食べ歩いたことがありますが,最近は大抵行く店は決まっていて,去年は松竹,今年はたこ磯.この二軒が多いです.ともあれ,当然のことながら玉子焼 (aka 明石焼) も銅板.

学生の頃から常備しているたこ焼器は,当然鋳鉄製.銅板のものは値段が全然違いますのでそうおいそれと買えません.しかし昔から欲しくて欲しくてしょうがなかった.

と言う訳でたこ磯に行った後にその銅板を売っている金物屋に立ち寄る事に (全国でこのお店でしか作られていません).3 x 3 のもので 18,000円もします.実を言うと去年も一昨年も行って,値段の高さに迷って仕舞い,結局買わずに店を後にしていたのでした.なので今年こそ,という気概の下店の前へ.しかし.

「家の炊飯器,壊れとるんやろ.炊飯器がなかったら毎日困るけど,たこ焼器はなくても困らへんのちゃうのか?!」

という父親の強い一言で今年も購入は見送られました.涙.来年こそは.









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This page contains a single entry by Shaolin published on August 20, 2003 11:59 PM.

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