でこの日は毎月恒例の集り.別に集まって何をするでもなく,あーだこーだ話をしているだけなんですが.いつもの様に岡村さん,大和さん,出口さん,山中さん,若林さん,その他の面々.そしていつもの様に皆さん60代から80代の方ばかり (出口さんは違うけど).相変わらず場違いな感とジェネレーションギャップの洪水の中機会を伺う.おじいちゃん達,二次会(?)のファミレスでも店員に文句いいまくりで正直げんなりしたけど,それはそれ.音楽の話だけはちゃんとして (フィルタリングしたのち) 吸収させてもらっとかないと.おっと忘れずに映画館のマスターとアナログプレーヤ談義もしておかないと.
持っていけばよかった,岡村さんが前々から是非聴いてみたいと仰っていた盤.今回岡村さんが来られるかどうか微妙だったので持って行かなかったのだけれども.
FRANKIE LAINE: Frankie Laine (vo) with ? 1948? 2094 Rosetta Merc. 5227 Wing MGW12110
と Ruppli の Mercury 本に記載されている通り,この曲は 1940年代後期にリリースされた 78rpm (Mercury 5227) と 1960年代初頭に出た編集盤 LP (Wing MGW-12110) にしか収録されていないそうで.メンバーはこの本では不詳.
で,Buck Clayton コレクターの岡村さんによると,この曲のバックで Buck Clayton が吹いてるらしい,と.この前家で聴いてみたら,確かにゴキゲンなコンボをバックに Frankie Laine が軽妙なヴォーカルを披露したあと,1コーラス,2コーラスと Clayton 風の気合いの入ったソロが確認できます.
Frankie Laine と Buck Clayton といえば,1955年録音の Columbia 盤 “Jazz Spectacular” が (Jazz 的な録音の中では) 有名でしょうが,“That's My Desire” のヒットを 1947年に飛ばしてから Mercury に録音された一連の (というより大量の) Frankie Laine もバックが結構ジャジーなアンサンブルで楽しめます.というわけで Clayton が後ろで吹いていても確かにおかしくありません.今度岡村さんとお会いする時には忘れずに持っていこう.
以下備忘録がてら Wing レーベルについて:
本来 EmArcy に次ぐ 2つ目の傍系レーベルとして 1955年に設立され,ジャズの 60000番台 (Nat Adderley, Paul Bley, Freddie Slack, Jackie Paris, Thelma Gracen 等.どれも素晴らしい作品ばかりなのは凄い) とポピュラーの 12000番台 (Buddy Morrow, Buddy Johnson, Red Prysock 辺りは良いけどあとはイージーリスニング風) を出したものの,EmArcy レーベルや Mercury レーベルとの差別化がはかれない為かごく短期間で一旦消滅 (その後全タイトルが EmArcy や Mercury で再発されました).
その後 1960年代初頭に,(主にシングルリリースからの) 編集盤を出すレーベルとして復活.Frankie Laine の盤もその一枚です.他には例えば Dinah Washington の “Late Late Show” (Wing MGW-12140) なんかが良く知られており,Complete Dinah Washingon on Mercury のボックス7セットがリリースされるまでは手軽にシングルリリースを聴ける盤として重宝された様です.
更に後には単なるリイシュー専門レーベルとなり,廉価盤のみを出すことになりますが,この辺は通常コレクトの対象外になりがちです.特に後期の廉価盤は,Mercury や EmArcy のアルバムから 2-3曲カットした短縮盤になっており,見向きもされないことが多いです.