うちの和室に iMac G4 (いわゆる「鏡餅」?) があって、AirMac カードを内蔵しているのですが、AirMac カード自体がバカになってしまったようで、ここ 1年程はネットワークケーブルで直接つないでいました。
しかし、スイッチングハブを設置してあるリビングの片隅から、この iMac G4 までの距離は 5m くらいあります。そのため、和室からリビングの食卓の下を這い、リビングを横断してハブまで青いネットワークケーブルが常時接続されているのは、日々の生活にもなにかと支障があります。たまに足をひっかけてしまったり、食事中に椅子を動かすとケーブルを踏みそうになったり。
本体を買い替えるのもバカらしいし、AirMac カード (の中古?) を改めて探すのもアレなので、今回はこういうもので代替にしてみました。ちょうどこの USB アダプタが買える程度の Amazon.co.jp のギフト券もあったので、さくっと購入。しかしパンピーがデスクトップ機で使うにはちょっと面倒臭いことに。
AirMac カードの様に Apple 純正ではないわけで、OS X にインテグレートされているわけではありません。なので、メニューバーにせっかく存在する、無線の強度を示す AirMac 用メニューには一切反映されません。
また、USB 接続のネットワークアダプタのせいもあってか、起動前から刺しっぱなしにしていると、そもそも認識されないという事態に。ですので、OS が起動し終わってから改めて刺し直す必要があります。ところが、iMac G4 の USB コネクタの位置は、本体の後ろの方。電源を入れて使うたびに、後ろに手を伸ばして抜き差しするのは非常に面倒です。
というわけで、大昔に買った USB メモリ かなにかに付属していた、30cm くらいの長さの USB 延長ケーブルを間にはさむことに。これで USB アダプタは手元に持ってこられますので、抜き差しは楽になるはず。
このネットワークアダプタを接続すると、付属のユーティリティが起動します。
本来 AirMac 用のメニューとしてメニューバーに表示されていた様なデータが、比較的大きめのウィンドウに表示され、ここから接続先のベースステーション選択、WEP キーの設定などを行うことになります。接続の度に毎回設定をしなければいけないのかと一瞬あせりましたが、一度設定を保存してしまうと、次回からはその設定の通りに自動的にネットワーク接続を行ってくれるので一安心。これでパンピーでもなんとか使えそうです。
それにしても、いまどきはさすがにどこのお宅も自宅内は無線ネットワークが多いんですね . . . . 現在住んでいる 6階建マンションの 4階 (しかも建物の一番端の部屋) でも、うちのベースステーション以外に 4つのアクセスポイントが見えているのが分かります (うち 2つは MAC アドレスでの接続制限や暗号化キーの設定もしてなさそう)。うちの上の部屋、下の部屋、それから道路をはさんだ向かいのマンションのものではないかと推察しますが。
さて、ついでに、この USB アダプタを Vine Linux から使えるか確認しておきましょう。
幸い、
鈴木さん同様、某所から某ノート PC を一時的に借りています ので、そちらを使ってみます。この某ノートの内蔵無線 LAN については、Intel PRO/Wireless 3945ABG で、鈴木さんがすでに kernel-module-ipw3945/ipw3945d/ipw3945-firmware としてパッケージングしてくれています。
今回の
PLANEX GW-US54Mini2
に載っているコントローラは Ralink RT73 (RT2571W) というチップセットで、
幸い Ralink の web で linux driver が公開されています。
ここから RT73_Linux_STA_Drv1.0.3.6.tar.gz
を取得後展開。
{USB_DEVICE(0x2019,0xab50)}, /* Planex GW-US54MINI2 */ \
という 1行を rtmp_defs.h
の #define RT73_USB_DEVICES { ... }
の中に追加してからコンパイル。
これでドライバ rt73.ko
ができあがります。
できあがったモジュールを /lib/modules/2.6.16-0vl73/net/
などに入れておきます。
続いて付属の rt73.bin
(ファームウェア) と rt73sta.dat
(設定ファイル) を /etc/Wireless/RT73STA/
に入れます。README によると、設定ファイルの方は dos2unix
しておけ (つまり改行コードを CR/LF から LF に変換しとけ) と書かれていましたが、今回取得した RT73_Linux_STA_Drv1.0.3.6.tar.gz
に含まれる rt73sta.dat
は、最初から LF になっていました。
で、その /etc/Wireless/RT73STA/rt73sta.dat
を利用環境にあわせて編集しておきます。うちの場合は、以下の修正をしただけです。詳しくは付属の README 参照のこと。
SSID=(うちの SSID)
EncrypType=WEP
Key1Type=1
(0: hexadecimal, 1: ascii)
Key1Str=(うちの wep key string)
最後に /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-rausb0
を適当に用意。
例えばこんな感じで。
# Planex GW-US54MINI2
DEVICE=rausb0
BOOTPROTO=dhcp
ONBOOT=no
これで、「# /sbin/ifup rausb0
」と実行すると、つながるようになりました。
ESSID や WEP KEY を ifcfg-rausb0
の方に書いておく方法 (つまり iwconfig
で設定される) も試したのですが、どうもこのドライバ、iwconfig
経由での設定がうまくいくときといかないときがあるようで、結局は上述の通り /etc/Wireless/RT73STA/rt73sta.dat
の方で設定しておく方が安定して接続できたのでした。