その他いろいろ: 日本盤リリース
The Complete Keynote Collection (日本フォノグラム 18PJ-1051/71)
これも同じく児山紀芳氏の発掘による成果で, 1986年に発売された LP 21枚組の限定ボックスです.
Keynote レーベルは元々 1940年に Eric Bernay 氏によって興された マイナーレーベルでしたが, Harry Lim 氏によって 1943年に Jazz の録音が開始されます. 以後,1947年までのわずかな間に,次々と歴史に残る録音を行いました. 当時既に名声を確立していた Coleman Hawkins, Lester Young, Red Norvo, Teddy Wilson といったアーティスト名義の録音のみならず, Harry Lim 氏が惚れ込んだ,(当時) あまり有名でなかったミュージシャンや 裏方として活躍していたスタジオミュージシャン - Joe Thomas, Milt Hinton, Jonah Jones, Charlie Shavers, Corky Corcoran, Willie Smith, Red Rodney, Babe Russin, Lennie Tristano, et al. - にもリーダー録音の機会を与え,そのどれもが見事な演奏として 残されています.
特に有名な Keynote 録音としては, 1943年 Lester Young の最初期リーダーセッション (1942年に Nat King Cole Trio と吹き込まれ,後に 1945年に発売された リーダーセッションに続き) の余りにも素晴らしい演奏と, 1946年 Lennie Tristano の初リーダーセッションが挙げられます.
Keynote レーベルは後に経営が悪化し,1948年に Mercury に身売りしました. その後 Keynote に残された幾多の録音は Mercury レーベルや EmArcy レーベルで LP 化されました (そのほとんどは 10インチでした). このサイトに Keynote レーベルのこのボックスを掲載したのには, そういう背景がある訳です.
児山氏の超人的な発掘調査のお蔭で, 当時 SP としてリリースされた全音源に加え, 未発表曲/未発表テイクが 115曲も追加され, 334曲も収録された見事なボックスへと昇華しました. Harry Lim 氏自身による巻頭言, Dan Morgenstern 氏と Bob Porter 氏による解説, そして全セッションの詳細なデータが掲載された 40ページにも及ぶライナーノーツブックレットも圧巻です.
V.S.O.P. アルバム 同様,ボーナス EP が付属しており, これには Lennie Tristano のセッションの未発表曲 "Untitled Blues" が片面に収録されています.
もはや家宝とも言うべき(?)見事なボックスです.