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Mercury マトリクス番号あれこれ「マトリクス番号」(Matrix Number) とは, レコードの最内周とレーベルの間に位置する表記で, レコード番号,マザースタンパー番号,プレス工場などの情報を 読み取ることが出来ます. 使用されている レーベル と同様, マトリクス番号から,その盤のプレスされた時期が特定出来ます. また,マトリクス番号はしばしばプレス品質や音質と一緒に議論されます. ここにあげているタイプが全てではありませんし,例外も数多く存在しますので, あくまで大枠として分類していることを御了承下さい. プレス品質/音質あれこれ〜1950年代前期SP から 10吋LP,そして12吋LP へと目まぐるしく移行するこの時期は, 主に自社工場でプレスされていましたが,プレス品質はまちまちでした. インナースリーブ (内袋) は未だ一般的ではなく,レコードは直接ジャケットに入れられていました. また,レコード自体は,現在のものに比べると非常に重く弾力性に欠ける材質で, 最外周とレーベル部分が盛り上げられていることもなく, 完全にフラットなものでした. これらの理由から,工場出荷時から既にレコードにスクラッチがついていたものが 多数であったと推測されます. また,1955年より前の盤については, RIAA カーブではなく AES カーブでイコライジングされています. 1950年代中期〜1960年頃いわゆる FR プレスの盤は 1955年頃から1960年にかけて RCA Victor の Indianapolis 工場でプレスされたものです. ほとんどの場合,FR プレスの盤は プレス品質,音質ともに優れています. 盤そのものは非常にシャープかつクリーンで, プレスの品質は非常に高く,ほとんどの盤では カッティングの際のイコライジングも全く行われておらず, 音質も (元の音源が良好な場合) ほとんど最高級です. 特に,クラシック音楽専門の Living Presence シリーズの場合, 録音も最高級,エンジニアも最高級であり, 品質が高いレベルで一定している FR プレスは未だに高い人気を誇っています. それに比べると,ポピュラー音楽が中心の Mercury シリーズ, そしてモダンジャズの名盤の宝庫である EmArcy シリーズでは, FR 盤であってもプレス品質が劣悪なものも見受けられます. 特に,マトリクス番号の末尾の番号が大きくなればなるほど その傾向は強くなります. なお,この時期には,並行して自社工場でのプレスも行われていました. 1960年〜1960年以降にプレスされた盤は, プレス品質/音質ともにばらつきが激しくなります. この時期は主に Mercury/Philips Richmod 工場でのプレスです. 中には目をみはる程の優れた品質/音質のものもありますが, 音質が余りにも優れない盤も少なくありません. 特に 1964年〜1965年頃にプレスされたものは概して鈍った様な音がします. これとは別に,1960年代に入ると,カッティング時にイコライジングが 施される盤が多くなり,これも音質が変化する理由のひとつと考えられます. しかし1970年頃の盤からは,プレス技術の向上に伴い, こういったプレス品質のばらつきはなくなります. |