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A Few Facts About EmArcy Label, Pt.1

キーワード:
EmArcy, Mercury, Bob Shad, Arthur Talmage, ブルーバック, 大ドラマー, 小ドラマー,
銀縁, カタログ, Indy プレス, Down Beat

[early EmArcy logo]
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(sorry, English edition is not available yet)

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はじめに

Mercury で働いていたプロデューサ Bob Shad (ボブ・シャッド) が 1954年に新たにたちあげた傍系レーベル、 EmArcy。 このモダンジャズ史上名高いレーベルがあるおかげで、現在でも Mercury という総合レーベルの名が ジャズファンに浸透してくれている、ともいえます。

それ以前には、Norman Granz (ノーマン・グランツ) の Jazz At The Philharmonic, Inc. の音源が Mercury からリリースされていましたし、 当時はこの Granz 音源のリリースによって Mercury はジャズファンに知られていましたが、 1953年に GranzMercury との関係は終了、彼のスーパーヴァイズした音源を全てひきあげて Clef / Norgran レーベルを立ちあげます。 他ジャンルに比べると、自社のジャズ録音をあまり持ち合わせていなかった Mercury にとっては、Granz といれかわる様にしてジャズ専門の傍系レーベルを立ちあげた Bob Shad の活躍は戦略的なものであったことでしょう。




[EmArcy EP-1-6087]

EmArcy には、改めて記すまでもなく、 Clifford Brown (クリフォード・ブラウン)、 Max Roach (マックス・ローチ)、 Helen Merrill (ヘレン・メリル)、 Sarah Vaughan (サラ・ヴォーン)、 Dinah Washington (ダイナ・ワシントン) といった著名どころのレコーディングに代表される様に、 いわゆる「永遠の名盤」級の作品が (ほんの 1〜2年の短い間に) 驚くほど集中して録音されています。

それと同時に、世間では B級扱いされている様なマイナーなミュージシャンにも 門戸を開き、よくぞ録音してくれました、というアルバムも少なくありません。

あの Quincy Jones (クインシー・ジョーンズ) が 下積み時代に、いくつかのレコーディングでアレンジャー、 そして実質的なプロデュースまで行っていたのも、 この EmArcy です (Quincy の自叙伝の中で、この頃のエピソードが 語られています)。

[EmArcy EP-1-6043]

もうひとつの特筆すべき点は、過去の作品や海外の作品のリリースです。 Mercury が吸収合併した Keynote 音源や National 音源を うまくまとめて、コンピレーション/アンソロジー的なアルバムが EmArcy から多数リリースされました。 また、スウェーデンの Metronome レーベル、 フランスの Barclay レーベル、 Blue Star レーベルなどとリリース契約を結び、 これらのヨーロッパ音源が EmArcy から 紹介されたりもしました。

前回のコラム でも触れた通り、Bob ShadEmArcy レーベルの陣頭指揮をとっていたのは 1958年までのたった5年間だけでした (奇しくも、Norman GranzJATP 音源のディストリビュート契約を Mercury と結んでいた期間も、1953年前半までの 5年間。 興味深い一致といえます)。 その後 ShadMercury を離れ、 TimeMainstream といったレーベルを立ち上げ、引き続き活発にプロデュース活動を行います。 EmArcy はといえば、 Jack Tracy (ジャック・トレーシー) が プロデューサを引き継いだものの、レーベル自体は 1959年頃には消滅、 Mercury 本体に吸収されることになりました。




さて、EmArcy については、 Norman GranzMercury 時代と同じくらい、数多くの謎や噂がジャズファンやコレクターの間で流布しています。 特にコレクターの間で飛び交う、謎の 「YMG」 「シルバーリング (あるいはシルバーリム)」 「ブルーバック」 「ドラマーレーベル」 といったターム。 もはや骨董品の領域なんでしょうか。 音楽の中身を離れて、 そういうことばかりが話題にされることについては とても残念に思う一人ではあります。 とはいえ、私の web (もともとは個人的な記録としての資料を公開しているだけのもの) が、そういう骨董品的側面への興味を助長してしまっているのだとしたら、 私自身も大いに反省すべきでしょう (そういう意味もあり、私の web 上では 価格や入手困難度などについては基本的に触れない様にしています)。

ただ、だからといって、客観的な事実が一部の人達の秘密として秘かに知られている、 というのはやはり不健康な状態でしょう。客観的な事実は、広く皆で共有し、 皆の知識や資料を元に、より正しい (と思われる) 情報へと随時更新し続ける。 過去の情報や資料を鵜呑みにしない。それらを調査の礎としつつ、 自分自身で調べたことを積み重ねて冷静に類推する。そして公開する。 それが本 web における最も大きなモティベーションでもあります。

そういったものが、 コレクターの購入ガイド的に単に参照されるだけ、というケースが多い現実については、 正直複雑な気持ちになってしまうこともあります。 それと同時に、いちど公開したものが、 どの様に参照されどの様に利用されるかについて、 何もいう権限がないのは至極当たり前のことだ、 という事も理解はしているつもりです。




. . . どうでもいい前置きが長くなってしまいました。 ともあれ、本コラムでは、いろんな資料をひきあいに出しつつ、 EmArcy のいろんな側面について語ってみる 四方山話 でございます。 上で触れた様なコレクター的蘊蓄だけには偏らない様、 注意したつもりです。

なお、本コラムは 3回 に分けて掲載することにしました。 今回は前編となります。




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