Elenco からリリースされた 1964年の 1st アルバム に続き,Philips に移籍した Nara Leão (ナラ・レオン,1942-1989) さんの 2nd アルバム.同じく1964年リリース.
フロントジャケットのデザインは本当に秀逸です.
(Philips P 632.732 L)
前作が比較的大編成のぶ厚いバックがついていたのに比べ,本作ではヴィオラォン/ギター,ベース,ドラムスだけのバックで,曲によってフルートやその他の楽器を追加するといった小編成になっています.
演奏そのものも大きく様変りし,ドラムスの自由奔放・変幻自在なリズムパターンはまるで万華鏡の様.特に,とても短い楽曲ですが,A-1 “Opinião” のリズムフィギュアなど,ジャズファンにも拍手喝采をもって受け入れられること間違いありません.
その A-1 “Opinião” や A-2 “Acender Ás Velas” は,ルーツサンバの名手 Zé-Keti (ゼ・ケチ) さんのペンになる楽曲.A-5 “Sina de Cabôclo は João do Valle (ジョアン・ド・ヴァリ) 作,と,2作目にして興味は既にボサノヴァから離れ,より伝統に根差した精神を新しい音楽に乗せて歌うことへと集中しています.あいかわらずポルトガル語の歌詞とタイトルが分からへんのが残念.
しかし,1st アルバムで聴かれた様な,もの悲しく同時に暖かい,鋭利で同時にやわらかい,独特の雰囲気はこのアルバムでは消えうせ,全体的に硬質なトーンに終始しています.全体の統一感も薄まっているのが残念です.一曲一曲は素晴らしい演奏と歌唱なのですが,アルバムトータルでみた場合はやや硬派な盤ということになりそうです.
シンコーミュージックからブラジリアン・サウンドという本がでています(2,400円!!わたしにとっては高かった)活字に弱いわたしには武者小路実昭さんの訳は難しすぎました(おまけに字が小さいんです)。でもたまに引っ張り出してみることがあります。
そこの50ページにLADO1の2アセンデール・アス・ベーラス(ろうそくをともせ)の歌詞がでています。
貧者の哀愁を歌った歌ですね。