Mercury マトリクス番号あれこれ
「マトリクス番号」(Matrix Number) とは, レコードの最内周とレーベルの間に位置する表記で, レコード番号,マザースタンパー番号,プレス工場などの情報を 読み取ることが出来ます.
使用されている レーベル と同様, マトリクス番号から,その盤のプレスされた時期が特定出来ます. また,マトリクス番号はしばしばプレス品質や音質と一緒に議論されます.
ここにあげているタイプが全てではありませんし,例外も数多く存在しますので, あくまで大枠として分類していることを御了承下さい.
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マトリクス番号のバラエティ: 1959年?〜
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MG 20573A MS1 FF
Mercury MG-20573 A面のマトリクス この盤の場合, 1回目にカッティングされたラッカー (MS1) からプレスされた事は分かるものの, マザー番号やスタンパー番号は記されていません. しかし,レーベルその他の特徴から,最初期のプレスであることは確認できます. なお,F をふたつ重ねた様な手書き部分は, マスタリングエンジニアのイニシャルと言われていますが, 具体的に誰を指すのかは分かっていません. |
1959年〜1960年には,Mercury の全シリーズのプレスは、 インディアナ州にある Mercury Richmond Pressings (のちの Philips Recording Corp. や PRC Recording Corp.) に移転が終わります. この工場は元々 US Decca のプレス工場で、1958年5月に Mercury が買収したものです。 Living Presence シリーズを除き,マトリクスが刻印となっており, RCA Victor のマトリクスより字形が縦長の刻印であるのが特徴です.
マトリクス末尾は,1960年代前半までは MS で, その後 M になります (一部例外もある様ですが).
- MG-20000 番台モノーラル (ポピュラー,12インチ LP,MG-20400 番台中盤から)
- SR-60000 番台ステレオ (ポピュラー,12インチ LP,SR-60100 番台前半から)
を含め,傍系レーベル (第二次 EmArcy,Philips US,Smash, Fontana US, Limelight) もほぼ全てこのタイプのマトリクス刻印を持ち, 1970年代に入ってもなお使い続けられたタイプです. また,George Piros が関わらなくなった後の Mercury Living Presence シリーズでも 使われています.
このタイプは,マザー番号やスタンパー番号が明示的に分からないのですが, 盤によっては,手書きの一本線が複数書き込まれているものがあり, これがスタンパー番号の代わりに使われているのではないかと推察しています.
また,この時期の盤では,FF や RI,RR, MR といった手書き部分がよく現れます. これはマスタリングエンジニアのイニシャルと言われていますが, 具体的にどれが誰を指すのかはよく分かっていません.
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SR 60097A MS1 A1 I
Mercury SR-60097 A面のマトリクス この盤の場合, 1回目にカッティングされたラッカー (MS1) から 1回目に作られたマザー (A) で, 1回目に作られたスタンパー (1) であると考えられます. マトリクスは Richmond 工場の刻印なのに, RCA Victor Indianapolis 工場プレスの盤の特徴も表れています. なんらかの理由で,Richmond 工場向けにカットしたラッカーを使って, Indy 工場でプレスしたものと思われます. |
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MG 20939A M1 I RR
Mercury MG-20939 A面のマトリクス この盤の場合, 1回目にカッティングされたラッカー (M1) からプレスされた事は分かるものの, マザー番号やスタンパー番号は記されていません. しかし,レーベルその他の特徴から,最初期のプレスであることは確認できます. RR という手書き部分は, マスタリングエンジニアのイニシャルと言われています. また手書きの I の部分は,一回目のスタンパーであることを示している 可能性もあります. |
![[MG-20573A MATRIX]](img/MTX_MG20573A.jpg)
![[SR-60097A MATRIX]](img/MTX_SR60097A.jpg)
![[MG-20939A MATRIX]](img/MTX_MG20939A.jpg)