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A Few Facts About EmArcy Label, Pt.2 (Page 3 of 7)

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目次

EmArcy 16000 Series (78rpm/45rpm) Variations

まずは EmArcy のシングル盤(16000番台)からみていきましょう。78回転SP盤と45回転シングル盤です。


EmArcy 16002 Side-A     EmArcy 16003x45 Side-A
(Blue EmArcy 78rpm/45rpm with “Cymbal Series”)

EmArcy 16007 Side-A     EmArcy 16005x45 Side-A
(Blue EmArcy 78rpm/45rpm without “Cymbal Series”)

レーベル は、上の2種類しかバリエーションが存在しません。 1600016003 および 16005 の5枚のみ確認されている「Cymbal Series」と、それ以外の盤です。今までに確認してきた中では、16003 と 16005 のみ Cymbal Series なしの盤の存在も確認しました。これは、レーベルの印刷をやり直すほど 16003 / 16005 が比較的多く売れたということの傍証にもなろうかと思います。もちろん Cymbal Series ありの方がオリジナルということになります。

プレス は、ごく一部の例外を除いては、全て RCA Victor Indianapolis 工場プレスです(一部、旧来の自社工場プレスあり)。盤そのものには2種類バリエーションがあって、初期は厚みのある固めのヴィニール盤(シェラック盤ではないと思われます)、後期プレスは薄いフレキシブルなヴィニール盤です。同じカタログ番号で両者が存在する場合、やはり厚手の固いヴィニール盤の方がオリジナル、ということになろうかと思いますが、同時期に別工場でプレスされた可能性も否定できません。

ただ、何度も再プレスが行われるほど売れた盤は(Leon Sash の 16003 を除いて)なかったようですので、現在中古市場で出回っているもののバリエーションは少ないはずです。

マトリクス番号 は、 SP盤が「YB xxxxx 1F F I」というパターン、 45回転が「YW xxxxx 1F F I」というパターンで、ともに刻印です。 SP盤にはごく一部、古いタイプのマトリクスのものも存在し、それらは「YBF」で始まる刻印となります。

この時期のシングル盤で、EmArcy 専用の カンパニースリーブ が使われていた形跡は今のところ見付かっていません。当時の Mercury のスリーブがそのまま使われていたようです。




ここまでのまとめ

EmArcy 16000 シリーズ(78回転・45回転)- レーベルの特徴
16000〜16003 および 16005 の5枚は Blue EmArcy “Cymbal Series” レーベル(16003 および 16005 のみ Cymbal Series なしの盤の存在も確認)
16004 は未リリース
16006〜16016 は Blue EmArcy レーベル(“Cymbal Series” 表記なし)
盤やプレスの特徴
全盤に DG あり
SP盤なみに厚みのある固めのヴィニール盤
のちのプレスは薄手のフレキシブルなヴィニール盤
一部の例外を除いて Indy 工場プレス(一部自社工場プレス)
マトリクス刻印は SP 盤が「YB」で始まる(一部の例外は「YBF」で始まる)
45回転シングルのマトリクス刻印は「YW」で始まる
ジャケットなどの特徴
EmArcy 専用のSP/シングル用カンパニースリーブは存在しない
Mercury 用のスリーブが使われていた模様

NO. LABEL DEADWAX DG MISC.
16000〜16003, 16005 Blue EmArcy 78rpm with “Cymbal Series”
then late pressings come with
Blue EmArcy 78rpm
stamped matrix, YB prefix, Indy plant
(some exception has YBF prefix, Merc plant)
w/ DG thick and hard vinyl
then
thin and flexible vinyl
16000x45〜16003x45, 16005x45 Blue EmArcy 45rpm with “Cymbal Series”
then late pressings come with
Blue EmArcy 45rpm
stamped matrix, YW prefix, Indy plant w/ DG thin and flexible vinyl
16004
16004x45
NOT RELEASED
(transfered to Mercury 70367 / 70367x45)
16006〜16016 Blue EmArcy 78rpm stamped matrix, YB prefix, Indy plant
(some exception has YBF prefix, Merc plant)
w/ DG thick and hard vinyl
then
thin and flexible vinyl
16005x45〜16016x45 Blue EmArcy 45rpm stamped matrix, YW prefix, Indy plant w/ DG thin and flexible vinyl



EmArcy 26000 Series (10-inch LP) Variations

続いて、10インチLP(26000番台)です。レーベル のバリエーションは2種類、厳密には3種類あります。


EmArcy MG-26019 Side-A
(Blue EmArcy “Big Drummer”, “Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control”)

EmArcy MG-26000 Side-A
(Blue EmArcy “Big Drummer”, “A High Fidelity Recording”)

特に最初の二種類の微妙な違いがお分かりになるでしょうか。

最初の例はスピンドル右側の表記が「Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control」、次の例は「A High Fidelity Recording」です。

この最初の2つの微妙なバリエーションですが、本家 Mercury レーベルの場合、1949年頃から1954年頃にかけて、 「Reeves-Fairchild Margin Control」⇒ 「Reeves-Fairchild Thermodynamic Margin Control」⇒ 「Fine-Fairchild Margin Control」⇒ 「Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control」 と変化していき、最終的に1955年頃に 「A High Fidelity Recording」 に、さらに 「A Custom High Fidelity Recoding」 で落ち着き、1961年頃まで使われることになります。

それとあわせて考えると、1954年スタートの EmArcy でも、「Fine-Fairchild Thermodyanmic Margin Control」表記の盤が先にリリースされ、「A High Fidelity Recording」表記の盤に移行していった、と類推するのが自然です。

しかし、前ページで触れたように、必ずしもカタログ番号順にリリースされていなかったようですし、また EmArcy 10インチ盤に関しては、どちらのバリエーションが先にリリースされたのか、過去に大量の現物を確認した限りでは、明確な傾向もないようです。幸い(?)、EmArcy の10インチも、再プレスが相次ぎバリエーションが豊かになるほどバカ売れした盤はないようで、各盤については、バリエーションはほとんど確認されていません。


EmArcy MG-26046 Side-A
(Blue EmArcy “Big Drummer” with Silver Rim, “A HIGH FIDELITY RECORDING”)

三つ目の例は、レーベルの縁に銀色の印刷が施されている、いわゆる「銀縁」「シルバーリム」(シルバーリング)という奴です。これは先述の通り、MG-26046〜MG-26048 の3枚に限られたものです。

プレス は、MG-26000MG-26045 の46枚が従来の自社工場プレスで、マトリクスは「YMG xxxxxA M A」という刻印タイプです。末尾の「A」がマザーないしスタンパーの番号を表し、「A」「B」「C」となるにつれ鮮度が落ちていきます (こちらも参照のこと)。 盤はすべて フラットエッジ です。

MG-26046MG-26047MG-26048 の3枚は RCA Victor Indianapolis 工場プレスで、マトリクスは「YMG xxxxxA MF1 A1 I」という刻印タイプです。「MF1」の「1」がラッカーの通し番号、「A1」の「A」がマザーの通し番号、「A1」の「1」がスタンパーの通し番号です (こちらも参照のこと)。 盤はすべて グルーヴガード盤 です。

プレス品質は、最初の46枚、すなわち従来の自社工場プレスのものについては、あまり良好ではなく、極上のミント盤はまず現存しないと思った方がよいでしょう。現存する多くの盤が、盤面が白く濁ったようになっており、サーフェスノイズも多めです。恐らく、この盤質の悪さが原因で、1955年初頭から順次(すでにクラシックの Living Presence シリーズで採用していた)RCA Victor Indianapolis 工場プレスに切り替えていったのだと思われます。

ただ、10インチLPに関しては、自社工場プレス時代の盤が、のちに Indy 工場プレスでリリースされたものはなかったようです。このことからも、10インチLPはあくまで過渡期のフォーマットで、順次12インチLPに切り替えて行ったということになろうかと思われます。

ジャケット ですが、全49枚とも、裏が青インク印刷、いわゆる「ブルーバック」のみ存在します。

カンパニースリーブ は、10インチLPにおいてもやはり使われていませんでした。レコードは、直接ジャケット内に収録されて出荷されていたようです。




ここまでのまとめ

EmArcy 26000 シリーズ(10インチLP)- レーベルの特徴
26000〜26045 は Blue EmArcy (Big Drummer) レーベルのみ存在
26046〜26048 は Blue EmArcy (Big Drummer) 銀縁レーベルのみ存在
「Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control」表記ありの盤が「A High Fidelity Recording」表記の盤より先に出たと推測される
プレス枚数も多くなく、各盤のバリエーションはほとんどない
全盤に DG あり
盤やプレスの特徴
26000〜26045 はフラットエッジ盤、 自社工場プレス のみ存在、プレス品質が悪いものが多い
26046〜26048 はグルーヴガード盤、 Indy 工場プレス のみ存在
ジャケットなどの特徴
全盤ブルーバックのみ存在
26000〜26045 は、背表紙の印刷なし
カンパニースリーブなし(ジャケット内に直接レコードが収納されていた)

NO. LABEL DEADWAX DG MISC.
MG-26000〜MG-26045 Blue EmArcy (Big Drummer)

“Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control”
or
“A High Fidelity Recording”
stamped matrix, YMG prefix, Merc plant w/ DG flat edge disc

blue-back cover
no print on spine
MG-26046〜MG-26048 Blue EmArcy (Big Drummer) w/ Silver Rim

“A HIGH FIDELITY RECORDING”
stamped matrix, YMG prefix, Indy plant w/ DG grooveguard disc

blue-back cover



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