A Few Facts About EmArcy Label, Pt.2 (Page 3 of 7)
- 1ページ はじめに(およびどうでもいい戯言)
- 2ページ 1954年〜1955年頃の EmArcy のリリース開始時期、リリース順についての調査
- 3ページ(本ページ) 16000 シリーズ(シングル)、26000 シリーズ(10インチLP)のオリジナル判定基準
- 4ページ 36000 シリーズ(12インチLP)のオリジナル判定基準(レーベル)
- 5ページ 36000 シリーズ(12インチLP)のオリジナル判定基準(ジャケット、ロゴ、スリーブ)
- 6ページ 36000 シリーズ(12インチLP)のオリジナル判定基準(カタログ、マトリクス)
- 7ページ 36000 シリーズ(12インチLP)のオリジナル判定基準(オリジナル判定早見表、まとめ、おまけ)
EmArcy 16000 Series (78rpm/45rpm) Variations
まずは EmArcy のシングル盤(16000番台)からみていきましょう。78回転SP盤と45回転シングル盤です。
(Blue EmArcy 78rpm/45rpm with “Cymbal Series”)
(Blue EmArcy 78rpm/45rpm without “Cymbal Series”)
レーベル は、上の2種類しかバリエーションが存在しません。 16000 〜 16003 および 16005 の5枚のみ確認されている「Cymbal Series」と、それ以外の盤です。今までに確認してきた中では、16003 と 16005 のみ Cymbal Series なしの盤の存在も確認しました。これは、レーベルの印刷をやり直すほど 16003 / 16005 が比較的多く売れたということの傍証にもなろうかと思います。もちろん Cymbal Series ありの方がオリジナルということになります。
プレス は、ごく一部の例外を除いては、全て RCA Victor Indianapolis 工場プレスです(一部、旧来の自社工場プレスあり)。盤そのものには2種類バリエーションがあって、初期は厚みのある固めのヴィニール盤(シェラック盤ではないと思われます)、後期プレスは薄いフレキシブルなヴィニール盤です。同じカタログ番号で両者が存在する場合、やはり厚手の固いヴィニール盤の方がオリジナル、ということになろうかと思いますが、同時期に別工場でプレスされた可能性も否定できません。
ただ、何度も再プレスが行われるほど売れた盤は(Leon Sash の 16003 を除いて)なかったようですので、現在中古市場で出回っているもののバリエーションは少ないはずです。
マトリクス番号 は、
SP盤が「YB xxxxx 1F F I」というパターン、
45回転が「YW xxxxx 1F F I」というパターンで、ともに刻印です。
SP盤にはごく一部、古いタイプのマトリクスのものも存在し、それらは「YBF」で始まる刻印となります。
この時期のシングル盤で、EmArcy 専用の カンパニースリーブ が使われていた形跡は今のところ見付かっていません。当時の Mercury のスリーブがそのまま使われていたようです。
ここまでのまとめ
- EmArcy 16000 シリーズ(78回転・45回転)- レーベルの特徴
- 16000〜16003 および 16005 の5枚は Blue EmArcy “Cymbal Series” レーベル(16003 および 16005 のみ Cymbal Series なしの盤の存在も確認)
- 16004 は未リリース
- 16006〜16016 は Blue EmArcy レーベル(“Cymbal Series” 表記なし)
- 盤やプレスの特徴
- 全盤に DG あり
- SP盤なみに厚みのある固めのヴィニール盤
- のちのプレスは薄手のフレキシブルなヴィニール盤
- 一部の例外を除いて Indy 工場プレス(一部自社工場プレス)
- マトリクス刻印は SP 盤が「
YB」で始まる(一部の例外は「YBF」で始まる)- 45回転シングルのマトリクス刻印は「
YW」で始まる - 45回転シングルのマトリクス刻印は「
- ジャケットなどの特徴
- EmArcy 専用のSP/シングル用カンパニースリーブは存在しない
- Mercury 用のスリーブが使われていた模様
| NO. | LABEL | DEADWAX | DG | MISC. |
|---|---|---|---|---|
| 16000〜16003, 16005 | Blue EmArcy 78rpm with “Cymbal Series” then late pressings come with Blue EmArcy 78rpm |
stamped matrix, YB prefix, Indy plant (some exception has YBF prefix, Merc plant) |
w/ DG | thick and hard vinyl then thin and flexible vinyl |
| 16000x45〜16003x45, 16005x45 | Blue EmArcy 45rpm with “Cymbal Series” then late pressings come with Blue EmArcy 45rpm |
stamped matrix, YW prefix, Indy plant | w/ DG | thin and flexible vinyl |
| 16004 16004x45 |
NOT RELEASED (transfered to Mercury 70367 / 70367x45) |
|||
| 16006〜16016 | Blue EmArcy 78rpm | stamped matrix, YB prefix, Indy plant (some exception has YBF prefix, Merc plant) |
w/ DG | thick and hard vinyl then thin and flexible vinyl |
| 16005x45〜16016x45 | Blue EmArcy 45rpm | stamped matrix, YW prefix, Indy plant | w/ DG | thin and flexible vinyl |
EmArcy 26000 Series (10-inch LP) Variations
続いて、10インチLP(26000番台)です。レーベル のバリエーションは2種類、厳密には3種類あります。
(Blue EmArcy “Big Drummer”, “Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control”)
(Blue EmArcy “Big Drummer”, “A High Fidelity Recording”)
特に最初の二種類の微妙な違いがお分かりになるでしょうか。
最初の例はスピンドル右側の表記が「Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control」、次の例は「A High Fidelity Recording」です。
この最初の2つの微妙なバリエーションですが、本家 Mercury レーベルの場合、1949年頃から1954年頃にかけて、 「Reeves-Fairchild Margin Control」⇒ 「Reeves-Fairchild Thermodynamic Margin Control」⇒ 「Fine-Fairchild Margin Control」⇒ 「Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control」 と変化していき、最終的に1955年頃に 「A High Fidelity Recording」 に、さらに 「A Custom High Fidelity Recoding」 で落ち着き、1961年頃まで使われることになります。
それとあわせて考えると、1954年スタートの EmArcy でも、「Fine-Fairchild Thermodyanmic Margin Control」表記の盤が先にリリースされ、「A High Fidelity Recording」表記の盤に移行していった、と類推するのが自然です。
しかし、前ページで触れたように、必ずしもカタログ番号順にリリースされていなかったようですし、また EmArcy 10インチ盤に関しては、どちらのバリエーションが先にリリースされたのか、過去に大量の現物を確認した限りでは、明確な傾向もないようです。幸い(?)、EmArcy の10インチも、再プレスが相次ぎバリエーションが豊かになるほどバカ売れした盤はないようで、各盤については、バリエーションはほとんど確認されていません。
(Blue EmArcy “Big Drummer” with Silver Rim, “A HIGH FIDELITY RECORDING”)
三つ目の例は、レーベルの縁に銀色の印刷が施されている、いわゆる「銀縁」「シルバーリム」(シルバーリング)という奴です。これは先述の通り、MG-26046〜MG-26048 の3枚に限られたものです。
プレス は、MG-26000〜MG-26045 の46枚が従来の自社工場プレスで、マトリクスは「YMG xxxxxA M A」という刻印タイプです。末尾の「A」がマザーないしスタンパーの番号を表し、「A」「B」「C」となるにつれ鮮度が落ちていきます
(こちらも参照のこと)。
盤はすべて フラットエッジ です。
MG-26046、
MG-26047、
MG-26048
の3枚は RCA Victor Indianapolis 工場プレスで、マトリクスは「YMG xxxxxA MF1 A1 I」という刻印タイプです。「MF1」の「1」がラッカーの通し番号、「A1」の「A」がマザーの通し番号、「A1」の「1」がスタンパーの通し番号です
(こちらも参照のこと)。
盤はすべて グルーヴガード盤 です。
プレス品質は、最初の46枚、すなわち従来の自社工場プレスのものについては、あまり良好ではなく、極上のミント盤はまず現存しないと思った方がよいでしょう。現存する多くの盤が、盤面が白く濁ったようになっており、サーフェスノイズも多めです。恐らく、この盤質の悪さが原因で、1955年初頭から順次(すでにクラシックの Living Presence シリーズで採用していた)RCA Victor Indianapolis 工場プレスに切り替えていったのだと思われます。
ただ、10インチLPに関しては、自社工場プレス時代の盤が、のちに Indy 工場プレスでリリースされたものはなかったようです。このことからも、10インチLPはあくまで過渡期のフォーマットで、順次12インチLPに切り替えて行ったということになろうかと思われます。
ジャケット ですが、全49枚とも、裏が青インク印刷、いわゆる「ブルーバック」のみ存在します。
カンパニースリーブ は、10インチLPにおいてもやはり使われていませんでした。レコードは、直接ジャケット内に収録されて出荷されていたようです。
ここまでのまとめ
- EmArcy 26000 シリーズ(10インチLP)- レーベルの特徴
- 26000〜26045 は Blue EmArcy (Big Drummer) レーベルのみ存在
- 26046〜26048 は Blue EmArcy (Big Drummer) 銀縁レーベルのみ存在
- 「Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control」表記ありの盤が「A High Fidelity Recording」表記の盤より先に出たと推測される
- プレス枚数も多くなく、各盤のバリエーションはほとんどない
- 全盤に DG あり
- 盤やプレスの特徴
- 26000〜26045 はフラットエッジ盤、 自社工場プレス のみ存在、プレス品質が悪いものが多い
- 26046〜26048 はグルーヴガード盤、 Indy 工場プレス のみ存在
- ジャケットなどの特徴
- 全盤ブルーバックのみ存在
- 26000〜26045 は、背表紙の印刷なし
- カンパニースリーブなし(ジャケット内に直接レコードが収納されていた)
| NO. | LABEL | DEADWAX | DG | MISC. |
|---|---|---|---|---|
| MG-26000〜MG-26045 | Blue EmArcy (Big Drummer) “Fine-Fairchild Thermodynamic Margin Control” or “A High Fidelity Recording” |
stamped matrix, YMG prefix, Merc plant | w/ DG | flat edge disc blue-back cover no print on spine |
| MG-26046〜MG-26048 | Blue EmArcy (Big Drummer) w/ Silver Rim “A HIGH FIDELITY RECORDING” |
stamped matrix, YMG prefix, Indy plant | w/ DG | grooveguard disc blue-back cover |