縁あって 吉岡正晴さん に声を掛けて頂き、 品川プリンスホテル 内の よしもとプリンスシアター で行われたコンサートに行ってきました。 5日間連続公演で、その初日になります。
シカゴ;ブルース&ソウル・ショウダウン (よしもとプリンスシアター)
CHICAGO; Blues & Soul Showdown! (at Yoshimoto Prince Theatre, Shinagawa, Tokyo)
2010年1月21日 / Jan. 21, 2010
公演は21日〜25日。詳細は こちら (公式ウェブ) を参照のこと。
公演はまだあと4日間ありますので、そちらに参加される方にネタバレになるといけないと思い、レビューは最小限に留めておきます (帰宅時に携帯電話から Twitter に書いたもの と基本的に同じものです) が、気になる方は以下をご覧になられないで下さい (笑)
2010/01/22 09:00 追記: 吉岡さん自身による、より詳細なレビューはこちらより。同様にネタバレ注意です。
300名~400名ほどでいっぱいになると思われる規模の会場で、19時過ぎにスタート。
ジョニー・ロウルズ さん (Johnny Rawls)。このバンド、特にご本人のギターと歌唱は完璧でした。テナーサックスの カール・グリーン (Carl Green) がまたディープなイナタい音で絡む絡む。バンド全体が、ソウルフルなコクと、ダーティなブルースフィーリングと、絶妙なポップフィーリングと、その全てをバランス良く備えて昇華されているのが非常に良く分かる、素晴らしい演奏でした。O.V. ライト (O.V. Wright) の “Ace of Spades” を演ってくれたのも素直に嬉しかった。
(Johnny Rawls Band in der Buddy Guy’s Legends Blues Bar in Chicago, Apr. 30, 2009)
その前、オープニングでは 木下航志 さん (Kohshi Kishita)。驚異の20歳。ロウルズバンドを従えて熱演熱唱。もうほとんど平成のリトルスティービーの趣。
(木下航志 LIVE at Blues Alley Japan, Sep. 11, 2008)
バイザー・スミス さん (Byther Smith)。まさか生で観られるとは思ってもいなかったシカゴブルースの大御所ですが、もうかなりお年をめされているためか、正直ヨレヨレでした (笑) バックのロウルズバンドも御大の気まぐれな演奏に合わせるのに必死で大変そうでした。生を観たことに最大の価値があるミュージシャンということで。
(Byther Smith Live at the Sleepy Hunter Bluesclub Treschelling, Jan. 2005)
ミッティ・コリア さん (Pastor Mitty Collier)。あの “I Had A Talk With My Man Last Night” で有名なミッティさんも、1972年にゴスペルに転向、今回もまるで教会でのプリーチの如く (同時通訳まで使って) 熱く神への信仰を語り、歌に昇華されていました。しょっぱなの曲はちょっと声が不安定でしたが、“For Once In My Life” 辺りになる頃には調子を取り戻し驚異の歌唱、最後には会場が黒人向け教会と化していました (観客のノリはそこまでいきませんでしたが)。曲によっては、ロウルズバンドが少しぎくしゃくする場面もありましたが、公演初日ということと、若干リハ不足というところでしょうか。
(Mitty Collier “I Had A Talk WIth My Man”)
ロウルズバンドだけ先にステージを降りると、ミッティさんは木下さんをステージに呼び、木下さんのエレピ伴奏のみで二人で “His Eyes On The Sparrow” を熱唱。これはかなりグッとくるシーンでした。
ここで10分の休憩。この時点で既に2時間以上経過。
最後に、満を持して テリー・ジョンソンズ・フラミンゴス (Terry Johnson’s Flamingos) 登場。スウィートな曲あり (例: “I Only Have Eyes For You” や “For Your Precious Love”)、ソウルフルな曲あり (例: “Love Train”)、懐メロあり (日本の某曲をやったのには驚くやらずっこけるやら)、フラミンゴスの数々のヒット曲も網羅、曲間の語りも笑いを誘い、極上のエンターテインメントでした。
(The Flamingos “Jump Children”)
(Terry Johnson’s Flamingos “The Christmas Song”)
終わったのは22時30分前。ロビーにいらっしゃったテリー・ジョンソンさんとジョニー・ロウルズさんに挨拶、簡単にお礼を述べて会場をあとにしました。
伝統のシカゴモダンブルース、ソウルからゴスペル、そしてエンターテインメント性高いドゥーワップ〜ポップスショーまで、実にバラエティに富むパッケージショーでした。
個人的に最も残念だったのは、フラミンゴスのステージの時の演奏が全部カラオケ (というか用意された打ち込み風音源) だったこと。後ろには、とてもつまらなさそうに、演奏してるフリだけしてるジョニー・ロウルズ・バンドの皆さん。。。
あと、同時通訳は要らなかったかな〜という印象。でもあれは、ミッティ・コリアさんが神の福音を日本のオーディエンスにも伝えたいという真摯な気持ちの現れだった、と解釈するべきでしょう。
フラミンゴスのジェフ・キャロウェイさん (Jeff Calloway) の声質がジェリー・バトラー (Jerry Butler) に近いな〜と思いながら聞いてると、お約束のようにインプレッションズの “For Your Precious Love” を歌ってくれたときは、かなり嬉しかったです。
公演初日ということ、若干のリハ不足などもあるのでしょうか、本来のパフォーマンスを発揮できなかったミュージシャン・バンドもありました。正直、バイザー・スミスさんのステージは (ご高齢もあってか) 痛々しかった。それでも全体としては十二分にポテンシャルを感じさせてくれる公演でした。なにより、シカゴかどこかのライブハウスに迷い込んだかのような空気が素晴らしかった。
改めて、吉岡さん、今回はお誘い頂き本当にありがとうございます。