ステレオ盤を当時のモノーラルの針でかけると、盤が傷む。1958年の業界はそう見ていました。CBS 研究所が出した答えが、溝の縦の振れを絞った「互換ステレオ盤」です。しかし市販はされませんでした。連作第1回では、なぜ互換ステレオ盤は消えたのか、当時の業界誌や論文、特許からたどります。
vinyl / 78rpm / music / audio
ステレオ盤を当時のモノーラルの針でかけると、盤が傷む。1958年の業界はそう見ていました。CBS 研究所が出した答えが、溝の縦の振れを絞った「互換ステレオ盤」です。しかし市販はされませんでした。連作第1回では、なぜ互換ステレオ盤は消えたのか、当時の業界誌や論文、特許からたどります。
Fortune誌1939年9月号の特集記事「Phonograph Records」を一次史料として精読。カルーソーの欠けた基音と脳内補完、家庭と放送局の帯域格差、35セント盤と高域抑制の経済構造、横振動が「残った」経緯。EQカーブという言葉がまだなかった時代の全景を読み解きます。
1959年、ロックフェラー財団の助成で米議会図書館が刊行したレコード保存調査レポートを精読。シェラック、ヴァイナル、アセテートなど素材ごとに異なる劣化の「敵」、ヴァイナル盤における反りの3つのメカニズムと保管温度の影響、内袋のシワが盤面に転写されるビニ焼けの原因と推奨保管方法を概説します。
米国のディスク録音再生における EQ カーブの歴史と技術を探究し続けてきた2年強でしたが、ディスク録音再生技術の奥深さを知り、数多くの学びがありました。結論として、モノーラルLP時代は諸説あり客観的調査も難しいが、ステレオLP以降に非RIAAカーブが適用されたとは到底考えられない、という考えに収束しました。
「射出成形(インジェクションモールド)」「スチレン製」の LP についての一連の調査と学び、最終回の今回は、調査開始の発端となった Mercury 3本線マーク入り廉価盤について、手元の大量の Mercury 盤(笑)および当時の雑誌記事とにらめっこして、可能性の高い仮説を導いてみました。
廉価盤でよく見かける「インジェクションモールド」「スチレン製」の LP の歴史について、改めて過去の記事や文献を調べてみました(第4弾)。生産速度爆上がり、初期投資は高価だが中長期的にペイできる、と謳われた射出成形スチレン盤が、45回転盤以外ではなかなか普及しない様子を業界誌の記事で追いました。
廉価盤でよく見かける「インジェクションモールド」「スチレン製」の LP (「コンプレションモールド」「ヴァイナル」ではない)について、改めて過去の記事や文献を調べてみました(第3弾)。1948年の射出成形盤登場直後、朝鮮戦争の物資統制時代を迎え、ますますコスト意識が強くなっていく様子を、当時の業界誌記事で追いました。
モノーラル音源が CD 化される場合、必ずしも左右チャンネルのデータが一致しているとは限らない、ということが気になってしまい(笑)、いろいろ調べてみました。 / Not all of the “Monaural” CDs have L/R channels being (binally) identical…?
過去記事の復習として、音がレコードに刻まれるまでに通過する各機器の歴史や経緯を改めて概観すると同時に、フォノEQカーブだけが音を決める要素ではない、という当然のことを再確認します。また、近年のCDリリース音源等で、シングルマスター、LPマスター、マルチトラックマスターの音の違いから分かることを考えてみます。
ほとんどのレコードの断面形状はフラットではなく、最外周とレーベル辺りが盛り上がった形状となっています。音溝が記録されたエリアがターンテーブルに直接接触しないよう保護するためのもので、「グルーヴガード」と呼ばれます。今回は、このグルーヴガードの歴史を調べてみました。