Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Diversity of “Plays Monk”, Pt. 6: Hal Willner – That’s The Way I Feel Now

真打ちその1。全てのモンクトリビュートものの規範となる素晴らしいアルバムです。

唯一といっていい欠点は、(過去に多くの方が指摘してきたように)「このアルバムがモンク存命中に出なかったこと」という一点だけでしょう。オリジナルのリリースは1984年。モンクがこの世を去った2年後になります。

LP(2枚組)も CD も廃盤。しかも CD は7曲もカットされ、曲順も異なります。今こそ、オリジナルの2枚組LPの全曲による CD 再発を強く希望します。

That's The Way I Feel Now

That’s The Way I Feel Now: A Tribute To Thelonious Monk (A&M SP-6600)

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Diversity of “Plays Monk”, Pt. 3: Bobby Broom

そもそも「Plays Monk」もの、といえば、ひと昔前は以下のもの辺りが定番(?)でした。

全体的には、一般的なモダンジャズファンにとっては「とっつきにくそう」「難しそう」(モンク好きな人にとっては逆にたまらない)なラインアップとなっていた記憶があります。

Monk の曲が1〜2曲入ったアルバム(多くは「’Round Midnight」や「Ruby, My Dear」などでしょう)までカウントすると、当時からかなりの枚数があったと思われます。それらの多くは、あくまでスタンダードナンバーとして演奏されているものが多く、モンク臭がプンプンしていたわけではありません。

それがいまや、正面から向き合ってアルバム全体で Monk へのトリビュートをやってるものだけでも年々枚数が増え続ける一方で、少しでも気を抜くともはや網羅して追いかけられない程になってきています。時間が経過すればするほど、その重要性が増し、また新しい角度から魅力が再発見され続けていることの証でしょう。また、モンクの音楽がやっと一般レベルでも受け入れられるだけの素地が整ってきたということかもしれません。

T.J. Monk (1997/2003)、Gemini Gemini (1994) とジャズファンク系ヒップホップ系が続いたので、3回目の今回はストレートアヘッドなジャズで。

ギターでモンクの楽曲にがっちり取り組んでいるアルバムは私の知っている限り2枚3枚ありますが、そのうちの1枚です。

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Pascal Pinon’s 2nd Album due for release 2013

2010年暮れにリリースされ評判となった1枚目から2年、やっと来年1月〜2月のリリースが決まったようです。

Their long-awaited second album has finally been announced for release February 2013.

 
Twosomeoness / Pascal Pinon

Twosomeness / Pascal Pinon (MORR [G] MM 121 CD)

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Frank Zappa 2012 UMe Remasters: Which To Buy?

寡聞にしてつい先日まで知らなかったのですが、Zappa Family Trust が(ほぼ)全音源の権利を取り戻したのを記念して、UMe (Universal Music Enterprises) とディストリビューション契約を締結、2012年7月から続々と再発が行われているそうです。

TIME TO FREAK OUT… FRANK’S BACK! Zappa Family Trust Regains Control of Iconic Musician’s Extensive Catalog Global License/Distribution Deal Signed With Universal Music Enterprises Catalog of 60 Recordings to Be Launched With July 31 Release of 12 Titles

嬉しい副次効果(?)として、それらのアルバムは iTunes Music Store で音源をダウンロード購入 することができるようになりました(購入しないにしても、例えば SoundTracking 的には嬉しいですよね)。

で、注目すべきはその内容。Frank Zappa 氏が逝去される直前の1993年にリマスターした通称「承認マスター」ではなく、オリジナルアナログ音源からの最新リマスター でリリースされているタイトルが少なからず含まれているというのです。

更に、過去の CD 化においては、あまり満足のいかなかったマスタリングとなっていたアルバムも、オリジナルアナログ盤に準じた音質のリマスターが楽しめるようになっています。

ただし、余りにもタイトル数が多い御大のカタログ、その全てを一度に購入することはさすがに憚られます。オリジナルアナログ盤や承認マスター、今回のリマスターの音源を比較して、どのアルバムは絶対に買うべきか、どのアルバムは買わなくてもいいか、世界中のフリークが情報を交換しあっています。

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Jim Hall Live! Vol. 2-4 (ArtistShare)

2012年10月29日、2012年11月27日、2013年11月10日追記あり

1975年6月11〜13日にトロントのバーボンストリートで行われた ジム・ホール (Jim Hall) トリオのライブ。ドン・トンプソン (Don Thompson) とテリー・クラーク (Terry Clarke) という当時のレギュラーグループによる密度の高い演奏。以前ここに載せた「Jazz Impressions of Japan」同様、最高の絡みが十二分に楽しめる著名盤です。

[Jim Hall Live]
Jim Hall Live! (A&M / Horizon [US] SP-705)

その名盤中の名盤の未発表音源を3枚組にして蔵出しする企画が ArtistShare で行われていたのは知っていたのですが、予約注文をすっかり忘れていて、 先日滑り込みで発注しました。

で、先程見たら「SOLD OUT」と。。。 無事届いてくれるといいのですが。

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

CD player production ends at Linn

いつかはこういう日が来るとは思っていましたが、ピュアオーディオ系の名門 LINN がアナウンスする、ということに、大きな時代の節目を感じずにはいられません。

Most of us knew that it would happen in the near future – but this announcement by LINN, one of the most acclaimed companies in the pure Hi-Fi audio field, definitely shows us the big turning point in the audio history.



(上の記事より一部抜粋)
リン・プロダクツは、今年を最後に CD プレーヤの製造・販売から撤退することをアナウンスした最初のメーカとなった。 東レンフルーシャー地方に位置するこのオーディオファイル向けニッチな会社は代わりに、今後はディジタルストリーミング製品に注力していくとのことである。
(… 中略 …)
アナログレコード用のターンテーブル製造は引き続き行っていく。これは、昔の録音技術によってレコード上に記録された良質の音源への需要が依然根強く残っているためである。

(quoted from the above news article)
Linn Products has become the first manufacturer to announce it will give up on CDs from the start of next year. Instead, the niche company, based in East Renfrewshire, will focus on producing digital streaming equipment.
(… snip …)
Yet it continues to make turntables for vinyl records, as there remains a demand for the quality of sound compression offered by older record technology.

Kohji Matsubayashi (松林弘治)

R.I.P. Wilma Cozart Fine

マーキュリーレーベル黄金期、夫のボブ・ファイン氏と共に、数え切れない程の歴史的名録音に携わった伝説的エンジニア・プロデューサ、ウィルマ・コザート・ファイン さんが、2009年9月21日に82歳で永眠されたそうです。

A legendary recording engineer and a producer, Ms. Wilma Cozart Fine (who, together with her husband Mr. Bob Fine, did numerous recording sessions on Mercury label most of which later became true classics) passed away at age 82 on September 21, 2009.

文字通り、心より冥福をお祈り致します。。。

I sincerely pray her soul may rest in piece . . .

(2004年に書いた拙文「The Firebird / London Symphony, Dorati」もよろしければどうぞ)

Kohji Matsubayashi (松林弘治)

The Bright Mississippi / Allen Toussaint

(This entry is my casual review on Allen Toussaint’s brand new album. I don’t think the English version of this article will be available this time . . .)

音楽のダウンロード販売も非常にポピュラーになってきたこのご時世、国内の音楽となると、さすがに LP での新譜リリースというのはほとんどみかけなくなりましたが、海外では音楽ジャンルによっては LP での同時リリースも (限定販売的であることが多いものの) 根強く残っているようです。

私の場合、LP でリリースされない音源を買わない、なんてことはさすがにありませんが、CD と LP の両方のフォーマットでリリースされると分かった盤については、躊躇なく LP で買ってしまいます。

それにしても、CD でも出ているのに、どうしていまさら LP の方で買ってしまいたくなるのか。

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Fine And Dandy / Sonny Stitt

今年前半に書きかけだった駄文に追記したものです。謎はまだ解けず。さて真実はいかに?

This short article is a revised edition of what I was writing bits and pieces earlier this year. Still one mystery survives – what and how will be the real truth coming out?

 
[Stitt's Bits - The Bebop Recordings 1949-1952]

Stitt’s Bits: The Bebop Recordings 1949-1952 / Sonny Stitt
(Prestige [US] PRCD3-30043-2)

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Groovin’ High / Dizzy Gillespie, Charlie Parker

( . . . きちんと音楽を聴ける時間がやっととれた . . . )

This afternoon mother-in-law went long way back to Kobe. She stayed with us for about a month to help us with the baby. Thank you so much anyway.

The only regret with her was, for me, that she didn’t like listening to music much, and that she didn’t understand how much (and how often) I love listening to music as a daily basis. So while she was staying with us at home, the loud speaker on the right side had to stay away from the speaker-stand, because the speaker is always located in front of the window to the veranda, and she always complained that the speaker stood in her way out to the veranda with laundry . . . yes she’s right.


[Speaker, get away from the stand!]

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