Kohji Matsubayashi (松林弘治)

なぜ日本だけで「SP盤」と呼ぶようになったのか

昔懐かし、蓄音機でかける、割れやすいレコード。

10インチ (片面3分程度) / 12インチ (片面5分程度) が一般的です。

回転数は、当初は 80rpm、76rpm など、いろいろあったようですが、のちに 78rpm に統一されました。

で、そのレコードを指して、日本では SP盤 と呼ばれることが多いです。いわく、LP盤 (33 1/3rpm の Long Playing) に対して、Standard Playing の省略形である、と。

しかし、不思議なのです。日本以外で「SP」や「Standard Playing」という表記を見かけたことがありません。 代わりに英語圏でよく見かけるのは「78rpm」「Shellac Records」「Phonograph Records」「Gramophone Records」といったものばかり。

どうして、日本だけ別の呼び方になったのか、あるいは他の国でも「SP」という表記があるのか、なんとなく気になったので、いろいろ調べてみました。もともとは Twitter 上でのつぶやきから始まったものですが、ここにまとめておきます。

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

ME-7: Um Senhor Talento / Sérgio Ricardo

2004年頃に ME-10 “Nara Leão” を入手して以来、一時期 ELENCO レーベルのオリジナル盤 の蒐集にハマっていましたが、アロイージオ・ヂ・オリヴェイラ時代のLPのうち7割ほど揃ったところで2014年頃に小休止してしまっていました。

Since I acquired ME-10 “Nara Leão”, I had been obsessed with collecting original Brazilian LP issues of ELENCO label – but in 2014 I decided to take a short break. I have collected approximately 70% of the entire Aloysio de Oliveira catalog.

ここ最近、久しぶりに ELENCO 作品を LP や CD、ストリーミングで聴き込み直していたのですが、そういえばうちにある ME-7 ってセカンドプレスだったなぁ、15年ほど前は比較的適価で入手できてたけど、最近はあまり eBay でも見かけないし、値段もあがってるんやろうなぁ、と、ふと検索をかけたら、茨城県にある Paddy Field RECORDS という中古レコード店に ME-7 のファーストプレスの在庫があるのを見つけ、嬉しくなってオーダーしちゃいました。

Recently I often listen again to those ELENCO recordings, with LPs, CDs, streaming, etc., when I remembered that the copy of ME-7 I have was “second pressing”. Hmmm, 15 years ago vintage ELENCO LPs could be found at fair price with some lock, but I seldom see ELENCO listings on eBay or the likes – I guess the price now might be much higher these days… Then I googled some, and out of nowhere I found a used record shop “Paddy Field RECORDS” in Ibaraki, Japan, and the shop stocks the “first pressing” of ME-7. Without hesitation I soon bought the copy online.

[ME-7 Front Cover] [ME-7 Back Cover]

Um Senhor Talento / Sérgio Ricardo
(Elenco [BR] ME-7)
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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Thelonious Monk & Van Morrison Vinyl From Concert Vault

フィルモアで有名なあの ビル・グレアムBill Graham)が権利を持っていた音源や映像を取得し、USD3.99/月、または USD39.99/年でオンラインストリーミングで聴いたり観たりできる(かつては無料でした)Concert Vault / Wolfgang’s Vault をご存知の方も多いでしょう。

2013年9月現在では Wolfgang’s Vault から独立した別サイトとなった Concert Vault で、従来通りメンバー向けストリーミングを行っている他、音源のオンラインダウンロードも有料で行っています(年間会員になると、期間限定無料ダウンロードを行っていたりします)。本家 Wolfgang’s Vault では、ロックを中心にしたさまざまなジャンルの音楽やミュージシャンにまつわるノベルティなどを引き続き販売しています。

とにかくLP化、CD化されていないお宝ライブ音源がざっくざっく。過去にブートレグやハーフオフィシャルでのみ聴けた音源も、圧倒的にまともな音質で(しかも権利関係はきちんとクリアされた上で)聴けたりするのが嬉しい限りです。音源のディジタルダウンロード(320kbps MP3)も、ほとんどが1ライブ USD5.00 しかしません。

個人的には無料お試しアカウント期間中に聴いた James Brown at Newport Jazz Festival, July 6, 1969Thelonious Monk at Avery Fisher Hall, July 3, 1975 でノックアウトされました。前者はブートなどでは聴けるものでしたが、こうやって正規で聴けるのは感慨もひとしおです。後者は、数年前にハーフオフィシャルでCDリリースされていましたが、最悪の音質で、尊師モンクの現存する最終録音を素直に楽しむことは難しかったのですが、こちらはピッチも修正されきちんとした音質で聴く事ができ感涙ものです。

で、今年の4月に勢いで(笑)年間アカウントを申し込んだのですが、その際なんとサイトで公開されている音源を元に作られたLPを2枚、無料でプレゼント(送料は実費)するキャンペーン中だったのです。しかもその対象がモンクさまとヴァン・モリソンだったからたまりません。

到着するのに5ヶ月も要する、という、ちょっとアレな展開でした(その間に何度もサポートにメールしたりもしました)が、先日無事届きました。元々LP/CD化する予定のなかった(音質的にも必ずしも完璧とはいえない)音源をいまさらLPで聴く意味があるのか、は微妙なところですが。。。

 
Concert Vault CVLP-001 / CVLP-002

Newport ’59 / Thelonious Monk (Concert Vault CVLP-001)
The Bottom Line ’78 / Van Morrison (Concert Vault CVLP-002)

Buy Thelonious Monk Newport ’59 Vinyl at Wolfgang’s Vault
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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Jim Hall Plays Donald Erb

ジャズギターの重鎮 ジム・ホール の、ほとんど知られていない演奏が収録されたアルバムを入手しました。かなりイイです。

I happened to obtain the album featuring one of the least-known recordings by the Jazz guitar maestro Jim Hall – very interesting one and I love it.

 
Opus One Number One

ERB: Diversion for Two / Fantasma / String Trio; SCHUBEL: Insected Surfaces (Opus One Number One, Stereo)

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Pascal Pinon’s 2nd Album due for release 2013

2010年暮れにリリースされ評判となった1枚目から2年、やっと来年1月〜2月のリリースが決まったようです。

Their long-awaited second album has finally been announced for release February 2013.

 
Twosomeoness / Pascal Pinon

Twosomeness / Pascal Pinon (MORR [G] MM 121 CD)

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Upgrade and Afterlife / Gastr del Sol

I don’t remember exactly when I got to know of (and when I got interested in) these Gastr del Sol albums – maybe somewhere on the web, in the early 2000s? Anyway just after I gave it a listen to the first few minutes of the CD album “Upgrade & Afterlife ”, I soon was fascinated with the sound – that could be described as the beauty of dissonance or reposeful noise.

ガスター・デル・ソル (Gastr del Sol) のアルバム、いつその存在に初めて気付いたのか、いつ興味を持ち出したのか、どういうわけか正確に覚えていません。多分2000年代の始め頃、web かどこかで知ったのでしょうか。ともあれ CD を入手、「Upgrade & Afterlife 」の最初の数分を聴いただけで、あっという間にその音の虜になってしまいました。「美しい不協和音」というべきか、「心地よいノイズ」というべきか。緊張感を伴って仔細まで聴き入ってしまうのに、爽やかさと安堵感も伴うという、不思議な音源。


[Drag City DC-090 Front Cover]

Upgrade & Afterlife / Gastr del Sol
(Drag City DC090)

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

What the EP (Extended Playing) Originally Stands For

Google Books 上で The Billboard (米「ビルボード」誌)のバックナンバーが1942年のものからほぼ全て閲覧可能になっています。これにより、レーベル、レコード製造、アーティストの動向など、当時のレコード業界のさまざまな側面の歴史を調査するのが格段に楽になりました。これまでは、図書館のような施設で閲覧したり、目星をつけた号を古本屋やオンラインオークションで購入するしかなかったのですから、コンピュータ上でネットワーク越しに検索しながら目当ての記事を閲覧できるというのは、隔世の感があります。

Almost all back issues of The Billboard magazine (since 1942) is searchable and browsable on Google Books website. This enables us to do very convenient research through the web, on history of record labels, record production, artists and many other topics on record industries in the past. Previously we had to go to libaries to look for specific back issues, or we had to look for and buy them at second hand bookstores or at online auctions.

今回は、マイクログルーヴレコード黎明期の「コロンビア対RCAヴィクター」 「33 1/3 対 45」回転数競争あたりからはじめて、諸説入り乱れて解釈が分かれている「EP」というタームについて、過去の資料を探ってみましょう。Wikipedia 日本語版 では 33 1/3回転7インチ盤である、と書かれている EP盤ですが、それは 誤り で、あくまで45回転7インチ盤の一種である、ということがお分かり頂けるかと思います。

This time I am looking up some back issues, to what the term “EP” originally stood for – the term sometimes has been misunderstood (and there has been various opinions on it). So let’s get started with the old 1948 article on the “Speed Battle” – 33 1/3 v.s. 45, Columbia v.s. RCA Victor.

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

A Few Facts About EmArcy Label, Pt.2

気がつくと 前回の前編 から5年以上もあいてしまいました。すんません。その後も幾人かの方に「続編をお願い」「本題を早く」とリクエストを受け続け(笑)、年明けから暇を見つけてこつこつ書きため、新たに調べ物を行い、今回やっと本題の中編を書き終わりました。

It’s already been over five years since I posted the first part of the EmArcy article (sorry still available in Japanese only) – sorry for that. Several people have contacted and asked me when would the next part available – this month I managed to have spare time to write it – part 2 of the EmArcy article – including further research on various things. And now it’s finally available public.


エマーシー (EmArcy) レーベルのシングル(16000番台)、10インチLP(26000番台)、12インチLP(36000番台)の オリジナル盤判定基準 について、長々と書いてみました。リリース開始時期の特定 や、新たに判明した プレス工場 の話なども書いています。とりあえず日本語版だけの公開です。こちら からどうぞ。

This part 2 (in Japanese only yet) features the release period of EmArcy titles, as well as checkpoints for identifying original issues of EmArcy 16000 (45/78 rpm), 26000 (10inch LP) and 36000 (12inch LP) series.


次回の後編では、EmArcy と関わりの深い傍系レーベル、ウィング (Wing) の話と、第1次 EmArcy 終焉の1959年以降のお話を書く予定です。

The following part 3 (last part) that I am going to start writing in the near future, will feature stories around the Wing subsidiary label, and the EmArcy brand after it became less active in 1959.


[early EmArcy logo]
Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Pascal Pinon (MORR MM 101 LP)

娘が生まれた直後から、いろんな音楽を聴かせてきました(笑)。

フランク・ザッパ(主に Burnt Weeny Sandwich とか Weasels Ripped My Flesh とか Yellow Shark 辺り)、 セロニアス・モンク(主に Prestigeレーベル時代 のをSPとかLPとかで)、 デューク・エリントン (主に1920年代〜1930年代頃のホットな奴をSPとかCDとかで)、 ジェームス・ブラウン (驚くことに尊師JBの音源はどれをかけてもお気に入りのようです)、 ジョン・ゾーン (特にお気に入りは 「The Circle Maker: Zevulun」 の模様) その他いろいろ。

要は私が普段聴いている音楽ということですが。もちろん 子供向け音楽 もかけたりしますし、娘なりのお気に入りはいろいろあるようですが、 「スナッキーで踊ろう」にハマりまくって踊りながら全コーラス歌ったり、最近では「Heroes And Villains」のいろんなパートをつぎつぎ鼻歌で歌っていたり(笑)と、みているだけでかなり面白いです。



エレクトロニカ風ポップもかなりお気に入りの様子。Guther なども自作のダンスを踊りながらエセ英語で歌詞をつけるありさまです。今年に入ってからは、私の長年のお気に入りレーベルのひとつである MORR からの作品、Pascal Pinon にハマってくれたようで、これをかけていると本人も相当心地よさそうにしています。ある意味で、子供向け音楽と言えるかもしれません。

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Kohji Matsubayashi (松林弘治)

Clear the fogginess under the lamination!

(本エントリは、私が別の web に 2003年 6月26日付で掲載していたものを転載後加筆訂正したものです)
(this article was originally made public at my another web site on June 26, 2003)

 

Vinyl addicts/collectors/junkies/whatever sometimes encounter very old vinyl records coming with such album covers like this:

昔のレコードを買うと、たまにこういうジャケットにあたることがあります。

 
[Before treatment]
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