ステレオ盤を当時のモノーラルの針でかけると、盤が傷む。1958年の業界はそう見ていました。CBS 研究所が出した答えが、溝の縦の振れを絞った「互換ステレオ盤」です。しかし市販はされませんでした。連作第1回では、なぜ互換ステレオ盤は消えたのか、当時の業界誌や論文、特許からたどります。
vinyl / 78rpm / music / audio
ステレオ盤を当時のモノーラルの針でかけると、盤が傷む。1958年の業界はそう見ていました。CBS 研究所が出した答えが、溝の縦の振れを絞った「互換ステレオ盤」です。しかし市販はされませんでした。連作第1回では、なぜ互換ステレオ盤は消えたのか、当時の業界誌や論文、特許からたどります。
ステレオ LP の交換針は 0.7 mil。ところが規格書には 0.5 mil とあります。ふたつの数字は改訂の前後ではなく、1957〜58年の同じ冬に RIAA と EIA がそれぞれ別に出したものでした。歪の解析は「1 mil より小さく」としか言っていません。どこで止めるかを決めたのは針圧でした。
Fortune誌1939年9月号の特集記事「Phonograph Records」を一次史料として精読。カルーソーの欠けた基音と脳内補完、家庭と放送局の帯域格差、35セント盤と高域抑制の経済構造、横振動が「残った」経緯。EQカーブという言葉がまだなかった時代の全景を読み解きます。
Capitol H-477 “The Duke Plays Ellington” と 12インチ再発 T-477 に LTAS (長期平均スペクトル) を適用した結果、および II-a / II-b / II-c を通した結果「LTAS で分かること / 分からないこと」 をまとめます。
LTAS (長期平均スペクトル) を使って、録音 EQ カーブはどこまで推定できるか。Capitol H-488 “Songs For Young Lovers / Frank Sinatra” の初期プレス D2 / D8 間の差分を調査します。
シリーズ Phono EQ Curves Liner Notes の第1弾は、Nicholas Bergh さんのご厚意で提供を受けた、RCA Victor 社内エンジニアリングノートの 1955 年 4 月 18 日付のページについての発見報告です。
連載 Pt.0〜25 の内容を固定ページ「フォノEQカーブの歴史」として再構築。電気録音黎明期 (1925年) からRIAA策定 (1954年) を経てステレオLP時代までを、読者の問いを起点に、In a Nutshell / FAQ / Research Notes の3つの入口から辿れる形に整理しました。
米国のディスク録音再生における EQ カーブの歴史と技術を探究し続けてきた2年強でしたが、ディスク録音再生技術の奥深さを知り、数多くの学びがありました。結論として、モノーラルLP時代は諸説あり客観的調査も難しいが、ステレオLP以降に非RIAAカーブが適用されたとは到底考えられない、という考えに収束しました。
過去記事の復習として、音がレコードに刻まれるまでに通過する各機器の歴史や経緯を改めて概観すると同時に、フォノEQカーブだけが音を決める要素ではない、という当然のことを再確認します。また、近年のCDリリース音源等で、シングルマスター、LPマスター、マルチトラックマスターの音の違いから分かることを考えてみます。
ほとんどのレコードの断面形状はフラットではなく、最外周とレーベル辺りが盛り上がった形状となっています。音溝が記録されたエリアがターンテーブルに直接接触しないよう保護するためのもので、「グルーヴガード」と呼ばれます。今回は、このグルーヴガードの歴史を調べてみました。