2005年 5月、 私が生まれて初めて自宅で SP 盤を再生した 時 (こちら も参照) に最初にターンテーブルに載せたのは Charlie Parker の “Visa c/w Passport” でしたが、ここで紹介するのはそれより若干遡って 最初に購入した SP です。 たまたま立ち寄った ディスクユニオン 新宿ソウル/ブルース館 で、SP 盤半額大放出をやっていた時に購入した 1枚です。
The very first 78rpm I played on my turntable (in May 2005) was Charlie Parker’s “Visa c/w Passport”. On the other hand, this was the very first 78rpm I bought. I found this 78rpm at Disk Union Shinjuku Soul/Blues Shop I happened to drop by a while ago.
Big Joe Turner 作で、幾多のミュージシャンにカバーされまくり、のちに Jerry Lee Lewis や Elvis Presley が “Shake, Rattle & Roll” としてカバーした、あの “Flip, Flop & Fly” です。 そして、この盤で演奏しているのは、1952年から1958年まであの Louisiana Hayride の常連で、カントリー、ケイジャン、プレ・ロカビリーなどを演っていた、あの Tibby Edwards です。
Yes, this is “Flip, Flop & Fly”, which was originally written by Big Joe Turner and was covered by so many musicians, and later begat “Shake, Rattle & Roll” which was famous by Jerry Lee Lewis and Elvis Presley. And the artist on this 78rpm is that Tibby Edwards, who often appeared at Louisiana Hayride and played Country, Cajun, and pre-Rockabilly.
この盤が最高にクールなのは、なんといってもその演奏。実に軽快で生き生きとしたアレンジの “Flip, Flop & Fly” が楽しめます。 それもそのはず、下のメンバーをみてもらえば一目瞭然です。
One of the coolest thing on this 78rpm is, without any doubts, its performance – this “Flip, Flop & Fly” really swings nice – very “live” and fresh. The line-up of the artists (which consists of this performance) shown below may probe the artistry of this great wax.
それと同時に、SP の素晴らしい音質 が挙げられます。 1955年といえば SP 末期。ほぼ間違いなくこの演奏はテープに録音されたもので、それが SP と 45回転シングルとしてリリースされたのだと思いますが、(シェラック製ではなくヴィニール製の) この SP は、とんでもなくヴィヴィッドでシャープな再生音を奏でます。初めて聴いた時には鳥肌がたちました。うちのショボいオーディオでもこんな凄い音が出るんや?! って。 SP の音の良さ、という話が出る際には、大抵 1920年代や1930年代の音源 (SP 用のラッカーにダイレクトカッテイングされたものがマスターで、のちの LP 復刻などは音質的に SP にかなうはずもない) について語られることが多い訳ですが、こういった SP と 45回転シングルが同時発売であった時期のヴィニール製 SP についても、音質的な側面からもっと積極的に評価されても良いのではないかと思いました。
At the same time, I’d like to put an emphasis on awesome sound quality of this 78rpm. This track was recorded in 1955, when the 78rpm media was beginning to fade out. And it is highly probable that this session was not recorded on 78rpm lacquer but tape. Anyway, this vinyl-made 78rpm (not ordinary shellac media) sounds so vivid and sharp – even my “poorman’s audio system” can deliver such wonderful sound! When people talk about the great sound fidelity of 78rpms, they always think of old recordings in 1920s and 1930s, which were directly cut on 78rpm lacquers and LP reissues has inferior quality. However, I also believe that the vinyl 78rpms (in the very last era) should be re-discovered from the “hi-fidelity”’s point of view.
Side-B: There Ain’t No Better Time (Than Tonight)
Tibby Edwards (vo, g) with Floyd Cramer (p), Chet Atkins (rh-g),
Jerry Rivers (fiddle), Bob McNett (g), Don Helms (steel-g), Hillous Butrum (b).
Recorded at Owen Bradley Recording Studio, Nashville, TN in February 1955.
この頃のヴィニール盤にも良い音のものが沢山ありますね。
しかし、中には最新機器の使い方を間違っているものもあります。最新機器というのは、エコー・チェンバーのことですが・・・(笑)
当時は画期的な機器だったようで、Prestigeには「エコー・チェンバー・ブルース」という曲もあったはず。ジーン・アモンズだったかな、まるで風呂場で録音しているような感じでした。
あ、瀬谷さん、コメントありがとうございます。
> 最新機器というのは、エコー・チェンバーのことですが・・・(笑)
一時期こぞって使われてたみたいですね。
狭いスタジオでもホールエコーっぽい効果が簡単に得られるので喜ばれたんでしょうかね。
ポップスなどでは使い方を間違えなければいい効果になりますが、
ジャズなどではあれは結構困ってしまいますね。
モノーラルはオンマイクの優秀録音、
別スタッフのステレオ同時録音はエコーチェンバーかかりまくりで銭湯サウンド (笑)
なんてのも多いのが困ったものです。
幸い、この盤はエコーチェンバーなしで、
ガツンと迫力満点の音がでてきます。