2004/12/18

大人ノ科學マガジン – 蓄音機

[大人の科学マガジン 06号]

レコード愛好家の間で噂の 学研 大人の科学マガジン の 06号「レコード盤録再蓄音機」を遅ればせながら購入しました。

かなりチープな作りとはいえ、実際にパーツを組み立て、音声やら歌やらを録音し再生できること自体はとても素朴で楽しく、ベルリナーが発明した原理を実際に体験できるということは面白いのは勿論なのですが。

私がより感心したのは付属のブックレット。エジソン〜ベルリナーから始まる音の記録とその機械の歴史はもちろんのこと、付属のソノシート作成の際のカッティング工場の様子、そしてもちろんラッカー〜マスター〜マザー〜スタンパーの話まで仔細に書かれており、しかもその文面の節々に「これは相当造詣のある人が監修にあたっているんやろうな」と思わせる香りが漂っています。レコードコレクターやオーディオマニアではない人が読んでも楽しめる様に平易に書かれている反面、マニアが突っ込みをいれそうな箇所では、それらしきこともちゃんと匂わせている。これは凄い。カッティング工場での各工程の写真も非常に興味深いですし、ちゃんとマスタリング/カッティングエンジニアへのインタビューも忘れておらず、あの小鐡徹さんまでひっぱりだしています。

いやはや、これは予想外に面白い号だった様です。実によく構成されていて、レコードというもの/テクノロジーに少しでも興味のある人には文句なしにお勧めです。そこらへんのしょぼいオーディオ雑誌を年間購読するよりも、この号を一冊買って遊び倒して読みつくす方が、どれだけオーディオファイル入門として役に立つことか。

わたし個人的には、知っている話ばかりではありましたが、こういう内容を写真/図版入りで一般人向けに平易に解説していて、しかも付録で実体験できるようになっている、というこの企画には、大変感銘を受けました。

2003/10/16

The Cat on a Hot Thin Groove

[The Cat on a Hot Thin Groove]

瀬谷さん のところの 掲示板 に書かれた木下さんの post で知り,購入しました.

Gene Deitch さん といえば,Tom & Jerry の第二期演出をはじめ,数々のアニメーション/絵本にその名を残すアニメ作家/絵本作家/脚本家として有名ですが,その Gene さんが若かりし頃,ジャズファンの一人として,コレクター向けの有名な雑誌 “The Record Changer” に描かれた挿絵を集大成したものです.

1945年12月号から1951年1月号までの (Gene さんが担当した) 表紙や挿絵,そしてひとつひとつのイラストに対して Gene さんの回想が添えられています.

そしてどの絵からも,レコードが好きな人なら思わずにやりとしてしまう様な仕掛けがあり,同時に Gene さんの音楽に対するふくよかな愛情 (とコレクターとしての屈曲した心理) が読み取れます. おまけとして,最後には CD 時代になってから描かれたイラストも.

かなり大判 (29cm x 37cm x 2.3cm) のハードカバーですが,この内容でこの価格はまさにお買い得です.瀬谷さんのサイトでも 紹介 されていますので興味のある方はどうぞ.