皆さんは、レコードを購入されたあと、ラックや箱に収納する前にどの様なことをされていますか?
以下、私の例です。皆さんの例も是非お聞かせ下さい。
1. レコードをクリーニングする
まずなんといってもレコードのクリーニングから始めないといけません。 購入するレコードの8割から9割が中古ですからね。
私の場合、汚れが非常にひどい盤はまず、定番中の定番 バランスウォッシャー で洗浄します。
その後、しっかり乾かしたのちに、LPレイザー 処置を施します。 これにより、盤の静電気がとれ、また 2-3回再生していくうちに溝に溜ったゴミや析出物がぐいぐいとれてきます。
上の写真は、LPレイザー処置直後に再生中のもの。針先にがんがんホコリの様なものがついてきます。 2-3回再生すると全く出なくなります。
汚れがそうひどくない盤や新品同様の盤の場合は、バランスウォッシャーを使わず、直接 LPレイザー処置で済ませることもあります。
なお、(まだうちでは数少ない) 78回転 SP盤の場合は、バランスウォッシャー (SP 用) のみを使ってごしごしと汚れを落とし、乾いたところで再生して汚れをとります。
新品レコードの場合は、以前愛用していた パーモスタット 処置をすることがあります。 LP レイザー同様、静電気発生を抑える為の製品です。 が、最近は、LP レイザーの方を主に使っているため (パーモスタットよりコストパフォーマンスに優れる)、活躍する機会はあまりありません。
2. ジャケットを補修する
かなり古い LP や、コンディションが良くないものの場合、よくジャケットの上下が部分的に裂けてしまっているものに出くわします。ちょうど真ん中あたりが裂けているもの (底ヌケ) はどうしようもないですが、レコード出し入れ口付近だけ 2cm〜10cm 裂けているものについては、これ以上ひどくならない様に処置を施すことがあります。
まちがっても、ジャケット表面からセロファンテープを貼ったりしないで下さい。5年たち、10年たつと、セロファンテープの粘着部分の色が黄色くなり、粘度を増して、もう手のほどこしようのない状態になってしまいます。
私がよくやるのは、ジャケット内側からの補修です。いわゆる クラフトテープ や布テープを小さく切り、折り曲げておいて、ジャケットの内側から出し入れ口上下にうまく貼り付けます。これだと、外からジャケットを眺める分には全く見えませんし、これ以上裂けが進行することもありません。
3. レコード収納スリーブを新調する
特に中古レコードの場合、付属しているポリ製の半円型内袋 (主に国内盤) や紙スリーブ (主に国外盤) は、盤そのものの汚れに伴って、汚れがついていたり、カビがきていたりするものです。コレクションとして保存の必要があるもの (歌詞やクレジットが印刷されていたり、カタログリストや広告が印刷されているタイプ) 以外は、こういう中古のスリーブは思いきって捨ててしまいます。代りに、きちんとクリーニングし針を通し終わった盤は 新品のスリーブ に入れてあげます。
私が現在愛用しているのは、 バナナレコード で販売されている、中央穴開き、四隅の角がない 紙製スリーブ と、 ディスクユニオン で売られている、中央穴開き、四隅が角になっている厚めの紙製スリーブです。 共に、薄すぎず厚すぎず、使いやすい厚さで気に入っています。 ユニオンの四隅の角なし紙スリーブは、ちょっと薄手すぎるので使っていません (理由は後述)。
本当にこだわる人の中には、昔懐かしパラフィン製の内袋を使われている方もいらっしゃるようですが、余りにも高い (ディスクユニオンだと 10枚で 1,029円!!) ので、私は使ったことはありません。
なお、SP盤の場合は、大先輩 瀬谷さん のお勧め、 Disc-o-Files を使っています。 アメリカから直接送ってもらうため、送料がそこそこかかりますが、 一枚あたりそんなに高くないこと、非常にしっかりした作りであることなどが気に入っています。
4. 外袋に収納する
もともとついていた外袋も 躊躇せずに捨ててしまい、新品のものに入れ替えます。
私が長らく愛用しているのは、のり付き外袋 (英語では resealable outer sleeves または resealable poly sleeves と言われることが多いようです)、PP製の外袋の開口部にフラップのようなものがついていて、しっかりと蓋をすることができるタイプです。人によっては、風通しが悪くなるから、という理由でこのタイプを敬遠される方もいらっしまいますが、私はそれよりも、上から入るホコリを防ぐ、という点でこちらを好んでいます。
で、収納時には、レコード (とそれを入れている紙スリーブ) は ジャケットの外に出したまま 外袋に入れます (下の写真を参照)。 これは、「2. ジャケットを補修する」にも関係しますが、 レコードを出し入れすることによって、ジャケットが傷むのを防ぐためです。 また、こういう収納方法をとるため、レコードをおさめる紙袋は、少しでも厚手のものを使うようにしています。 いわゆる ダイカットスリーブ までいってしまうと、分厚すぎて収納スペースを圧迫してしまうため、 薄すぎず、厚すぎず、ということで現在のタイプに落ち着いています。
ジャケットがペラペラの場合 (例えば英国盤であったり、ブラジル盤であったり、最近の LP リリースであったり) は、これに保護プレート (当て板) をはさみます (下の写真を参照)。段ボールをジャケットサイズにカットしたものでもいいのですが、厚すぎて収納スペースを圧迫してしまうため、現在ではユニオンの「LP用紙製保護プレート10枚セット」という奴を使っています。必要最小限の厚みと強度が気に入っています。
SP の場合も、ファクトリースリーブが付属しているものについては、この方法で収納しています。 適度な厚さの紙製スリーブに SP を収め、ファクトリースリーブとの間に保護プレートをはさみ、全体をのり付外袋に入れてしまいます。
5. ラックに収納する
ここまでやって、やっとラックに収納されます。 以前 レコードラック公開ネタ を書いた時にも触れましたが、ラックには 家庭用乾燥剤 を入れています。うちのラックは前部にディスプレイ用のフラップがついており、密閉度は完璧とはいえませんが、レコードやジャケットの大敵、湿気を少しでも軽減するべく入れることにしています。
さて、皆さんはどの様に収納されていますか? 「これはあかんやろ」「こうする方がええんちゃうか」「俺はこないしとんねん」というのがありましたら、 是非お聞かせ下さい。
shaolinさん、こんばんわ。
レコードの収納前~この辺りに僕の雑な性格が出てしまうのですが(笑)僕の方は・・・文字通りの「洗盤」です。水道の水を流して盤面を洗うのです(センター穴に丸い箸か何かを差してクルクルと回す)レーベルにも案外、水はかかりませんよ(笑)そしてタオルでふき取る・・・くらいです。
ジャケットの「裂け」は、shaolinさんのように内側から補修したいところですが、一度トライして、余計に「裂け」がひどくなったりしたので(笑)今は、shaolinさんの言うresealable outer sleeves を利用してジャケット密着の簡易カバーにします(ノリの箇所をジャケ裏側の下部にくるように当てて、横側(レコード取り出し側)をハサミで切り取る)
これでけっこうジャケットの更なる傷みは防げそうです。
それにしても・・・「ジャケの底抜け」その原因の一部は・・・明らかに中古店でのマナーの悪い人でしょうね。無神経にトントンやってるのを見ると腹が立ちますね(笑)ああいう方はレコードを愛してないのでしょうね。
> レーベルにも案外、水はかかりませんよ(笑)
これを気にされる方用に、レーベルをがっちりガードする製品があるみたいですね。ユニオンで見かけたことあります。
> 明らかに中古店でのマナーの悪い人でしょうね
あれは、ご本人はどうやら格好いいと思ってる(らしい)のがタチが悪いですね (笑) あれは本当にレコード君とジャケット君たちが「痛い!」と悲鳴をあげているようでいたたまれないです (笑)
けど、たまーに、シールドの新品 LP やルーズシールドのデッドストックなのに底抜け (たまに上抜け) してたりするんですよね。しかも、そういう客層がいないお店なのに… 日本へ輸送中にできたのでしょうか、はたまた?
> ジャケット密着の簡易カバー
中古レコード屋さんで買った盤のなかに、たまにこのタイプを見かけますね。これをやっている盤に限って、とても扱いが丁寧というか、状態がいいことが多いです (笑) 特に当時新品で購入されたオーナーが購入直後にこれをやっている場合、購入年月日だとかオーナーの通し番号だとかも (隅に小さく) 書き込まれていたり。なんだかこの盤がたどってきた歴史が垣間見れるようで楽しい瞬間です。
さて僕は、この方法と、現在の方法と、両者の間で長らく悩んだ末に、現在の方法に落ち着きました。ひとつには、レコードジャケットを (デジカメではなく) スキャンすることが多いため、このぴったりフィット式カバーを外したり付け直したりするのが面倒なこと、そして最大の理由は、記事に書きました通り、レコードをジャケットの外に保管することにしたので、ジャケットそのものの補強は最小限で済むためです。
丁寧なコメント返し、ありがとうございます。
shaolinさん、盤とジャケットを分けておくのが、ジャケット保全のためにはベストでしょうね。海外からの郵送の場合でもちゃんとした業者さんは、かならず「分けて」パッキングしてあります。たまにジャケット(coverとかsleeveというらしいですね)に盤が入ったまま送られてくると・・・やはり盤の重さ(と、多分その揺れか?)でジャケ底割れ、になりやすいみたいです。
とてもきちんとレコードを保管しているshaolinさんなので、ご存知かなとも思いますが、その「ジャケ/レコ分離保管」は
ニーノニーノさんも採用していて「盤専用」の薄ダンボールケースと普通のスリーブ袋(ちょっと小さめでジャケに「ほぼ密着」する)も販売してますね。なかなか優れものだと思います。http://www.ninonyno.ne.jp/ninonyno/service.htm
> 海外からの郵送の場合でもちゃんとした業者さんは、
> かならず「分けて」パッキングしてあります
そうですね。そういう seller は本当に安心できます。
2年ほど前に澤野工房さんから HUM (Humair, Urtreger and Michelot) の新譜 LP を通販で直接購入した際にも、それは見事に分けてパッキングされていて、「おお、国内でもきちんと梱包されるところがあるのか」と感心しました。
http://microgroove.jp/shaolin/2004/07/hum_humair_urtreger_and_michel.html
私ももちろん、国内や海外に郵送する場合には必ずこの様にしています。レコードとカバーを分け、プチプチで全体をくるんで、レコードよりひとまわり大きめにカットした厚手の二重段ボール板を当て板にして、新品のヤッコ型輸送ケースに入れ、更に四隅を補強するなどしています。
> 「ジャケ/レコ分離保管」
Ninonyno さんのところの製品はいまのところ使ったことがないのですが、同じような効果を狙ったもののようですね。
> ジャケット(coverとかsleeveというらしいですね)
日本では jacket が最も多く使われていますが、cover jacket, jacket cover という使われ方もしますし、inner sleeve と区別するために outer sleeve という言い方もありますね。
Shaolinさん、bassclefさん
私、レコードの洗浄は、超音波洗浄器とバランス・ウォッシャーですね。ボロボロの盤のときはメラミン・スポンジも使いますが。
超音波洗浄はLPレイザーと同じ効果があるようで、溝の奥にこびりついた汚れを浮かせてくれます。なので、最初は汚れ掘り出し用カートリッジしか使えません(笑)
ジャケットの補修は、私はもっぱら木工用ボンドです。木工用ボンドを使う利点は、ジャケット崩壊の進行を食い止められるところにあります。
背表紙とか、保護用の袋から取り出すたびにボロボロと落ちてしまいそうなものも、ボンドで貼り付けておくと、完全に固定しますので。
もっとも、ボンドのつけすぎは良くないので、爪楊枝とかの先につけて、けっこう気を使ってはりつけますが(笑)
保管については、それほど気を使ってませんが、まあ、基本的にジャケとは別に保存してます。
貴重盤は、ユニオンのダイカット・スリーブを使ってます。
レコード内袋って、私、日本盤に標準でついてたヴィニール?のやつを使ってますが(安いし 笑)、ハード・オフなどでは、あれに入って塩ビ焼け?してるようなのをみかけることもあり、紙製のほうがいいのかと、最近考え始めてます。
最近はLPも買わなくなり、補修の楽しみ? がなくなりました。
私はRefugeeさんと同じで、黄色の木工用ボンドです。これを爪楊枝につけ、補修箇所に延ばして塗ります。あとは指で軽く延ばして終了です。大きな補修の場合は、洗濯バサミで数カ所を止め、しばらくほっておきます。
また、ジャケット汚れについては、消しゴム、ガラスクリーナー等、ジャケの状態によって使い分けます。SPアルバムに関しては、やらない方が良いみたいです。直印刷が多く、色落ちします。
SPのクリーニングについてですが、汚いレコードは買いません(笑)
とは言っても、購入したレコードはすべてガーゼに水を含ませ、かるく拭いています。そのあと、新品の紙袋に入れます。
瀬谷さん、Refugee さん:
今日 Refugee さんのお宅に伺った時に、木工用ボンドでの補修法の実例を拝見しました。これは (特に spine のササくれの補修としては) 実にいいですね。大変参考になりました。
ちぃと酔っ払ってるのでまた改めて明日きちんと返事致します (笑)
以後シラフ状態でのコメント
Refugee さん:
> 貴重盤は、ユニオンのダイカット・スリーブを使ってます
> 日本盤に標準でついてたヴィニール?のやつ
昨日拝見しましたね (しかもサキコロだったり Bowie の TMWSTW dress cover だったり…はぁはぁ垂涎だ)。
ダイカットスリーブに直接盤を収納するのはためらわれるし、その中に更に紙スリーブや半円形PPスリーブを入れるのも面倒なので、私は厚手の紙スリーブだけで済ませてます (昨日持っていった盤が全部そのパターンでしたね)。
木工用ボンド補修は (補修後の実物を拝見して) かなりツボにはまりました。機会のある時に試してみようと思います。ありがとうございます。
瀬谷さん:
> ジャケット汚れについては、消しゴム、ガラスクリーナー等、
> ジャケの状態によって使い分けます
あ、瀬谷さんもですか。私も、特に意識したことはなかったのですが、消しゴムとガラスクリーナーはよく使います。
あとカッターナイフを使うこともあります。表面に薄くこびりついてしまって離れないゴミやステッカーをはがす時に使います。
そういえば、ステッカーはがしについては、いろいろ流儀がありそうですね。私の場合は、ステッカー表面のコーティング部分を薄くはがしたあと、水を少し含ませてから、カッターナイフでこじこじと粘着部分をはがし、水気を切ってかわかすという方法をよくやります。レーベルに貼り付けられたステッカーの類もたいていこれでとれてしまいます。