(Verve 422 841 313-1)
10年位前から,いつかは買おう買おうと思っていたアルバム.今日,某店舗で,なんと LP の中古を見付けたので買ってしまいました.レーベルをよーくみると,オランダ盤であることが分かりますが,恐らくアナログはヨーロッパでのみリリースされたのでしょう.
Randy Weston さんの 1989年録音 (1990年発売) の,渾身の三部作のうちの 1枚.もはや実質的なカムバック作といっていいでしょう.このピアノの自信に溢れた勢いと,敬愛する先達への愛情と,Weston さんならではの個性豊かなアレンジメントはいったいなんでしょうか.凄すぎる.なんでもっと早く買わへんかったんや!
A-1 のオープニングから度肝を抜かされます.なんと,あの Idris Muhammad さんがバッキング! Idris さんが Monk の演奏! ヘヴィーなドラミングをバックに,Monk さんからあらゆるものを吸収した Randy Weston さんが,がっつんがっつん鍵盤に思いのたけを叩きつける超絶の演奏.ちなみにメンバーは Randy Weston (p), Jamil Nesser (b), Idris Muhammad (ds), Eric Asante (perc). 1989年 6月 3日録音フランス録音.
アフリカ音楽への造詣と共に,尊敬する Duke Ellington さんと Thelonious Monk さんを師と仰ぐ Randy Weston さん.この本格的復活作では,それを裏付けるかの様に,トリオ + パーカッションという構成で,Ellington 集,Monk 集,自作曲集という 3枚のアルバムを世に問いました.
この Monk 集では,まさに Ellington さん – Monk さんの理想的な延長線上で,かつ Weston さんにしか成し得ない世界を爆発させてはります.片面 25分前後,全部で 50分強の全ての瞬間が聴きどころ満載で,あっという間に過ぎてしまいます.
B面 3曲目 “Off Minor / Thelonious” (実際に演奏されているのは Thelonious ではなく Monk’s Mood だと思いますが) は,Weston さんのソロ.パーカッシブで叙情的でかつパワフルなこの演奏は,Monk さんの世界を発展的に継承した Weston さんにしか表現しえない世界と言えます.
ところで,今回中古 LP エサ箱から捕獲したのはこの Monk 集と自作曲集 (“Self Portraits”) の 2枚.エサ箱にはもう一枚の Ellington 集 (“Caravan – Portraits of Duke Ellington”) もあったのに,何を血迷ったのか,その盤は捕獲せず仕舞いでした.今頃になって猛反省.なんであんとき買わへんかったんや?!?!
売り切れてないことを祈って,明日もう一回あの店に行くことを決意.だって CD はさておき滅多にみないんやもん,LP は….