先日、オーディオ評論家の山本浩司さんのお宅を訪問する機会に恵まれました。そこで体験した全ては余りに素晴らしく、耳と身体と頭でたくさん受け止めたものを今後の自宅オーディオに活かしたいと思います。持参してかけて頂いた Night Beat / Sam Cooke と STRAVINSKY: Firebird / Dorati, LSO (どちらもオリジナル盤LP)の音はうちでかける何百倍も鳥肌ものでした。リアルで涙がいっぱい出ました。幸せでした。
その訪問時、山本さんが Like Someone In Love / Art Blakey & The Jazz Messengers の再発LPをかけてくれました。ちゃんと確認し忘れたのですが、おそらく Music Matters から出ている重量盤 で、アナログマスターからストレートカッティングしている奴です。つまり RVG Remaster じゃない音ってことですね。
それで思い出したのが、2020年7月21日に書かれたこの記事。7月27日に読んで「そうだよね〜」と思った記憶が蘇りました。
- What Rudy Van Gelder Did “Wrong” (Phil Freeman, Reverb.com)
特に以下の箇所が、この記事を要約しています。いかにも Steve Hoffman さんらしい毒舌ですね。
Fans of ultra-pristine sound—the kind of guys who can spend an afternoon ranking matrix numbers on Steely Dan LPs—have been known to gripe about Van Gelder’s work.
スティーリー・ダンの LP のマトリクス番号による優劣に興じながら午後のひとときを過ごすような、超絶に原音的なサウンドのファンたちは、Van Geler 氏の仕事に不満を持つことで知られている。
Mastering engineer Steve Hoffman infamously wrote on his own website, “Take three or four expensive German mics with a blistering top-end boost, put them real close to the instruments, add some extra distortion from a cheap overloading mic preamp through an Army Surplus radio console, put some crappy plate reverb on it, and record. Then, immediately (and for no good reason), redub the master onto a Magnatone tape deck at +6, compress the crap out of it while adding 5 dB at 5000 cycles to everything. That’s the Van Gelder sound to me.”
マスタリングエンジニアの Steve Hoffman 氏は、自身の web サイトに次のように書いている。「トップエンドが持ち上がった高価なドイツ製マイクを3〜4本楽器に近づけ、軍から払い下げられたラジオコンソールを通した安物の過負荷なマイク・プリアンプで歪みを加え、くだらないプレート・リヴァーブをかけて録音する。そしてすぐに(特に正当な理由もなく)マスターをマグナトーンのテープデッキに +6dB でダビングし直し、なんでもかんでも 5kHz あたりを +5dB 増幅させながらバカみたいに圧縮する。それが私にとっての Van Gelder サウンドだ。」
なるほど。 ある意味 RVG さんのやったことを的確に表現していると言えます。 >>> Mastering engineer Steve Hoffman infamously wrote on his own website, “Take…
Posted by Kohji Matsubayashi on Sunday, July 26, 2020