アイク & ティナ・ターナー (Ike & Tina Turner) のバックコーラスとしてスタートし、単独でも人気グループとなった アイケッツ (The Ikettes)。その Modern レーベル時代、Jessie Smith, Robbie Montgomery, Venetta Fields という黄金期の3人時代の集大成となる、聴き応え満点の好編集盤 です。
1966年に3人は Ike Turner と袂を分ち、Mirettes として独立。バックコーラスとしての Ikettes は P.P. Arnold や Rose Smith, Ann Thomas により継続、以後メンバーが激しく入れ替わっていきます。
それはさておき、お馴染み Ace / Kent レーベルが2007年にリリースした、この1963年〜1966年の編集盤CD、Ace レーベルがこれらオリジナルマスターテープの権利を所有しているだけあって、イントロでのトチりや Ike と Ikettes の雑談もそのまま入っている曲もあったり、新たにステレオミックスされた曲もあったり、非常に好感触のミキシングになっています。
Ike Turner さん、いろいろ言われてるけど、やっぱりすごい職人さんだなぁ〜。
ただし、じゃっかん音圧が高めなのがもったいないです。これらは日本語では「昆布波形」、英語では「Toothpasting」と呼ばれるものです。さらに、過度の音圧上昇とコンプに走った業界を揶揄して「音圧競争」「Loudness War」と呼ばれています。
そこを差し引くと、非常に良心的な編集がされていると思います。。。が、もう1つ、このCDには最大の難点ががが。
各楽曲のインデックス(どこからその曲が始まるか)と、プリギャップ(曲の前のトチリや会話を曲が始まる前の部分としてマーキングしたもの)が、アルバム全体を通して支離滅裂で無茶苦茶なのです。
中には、曲の後半部分、一番もりあがるところで次の曲開始のインデックスが打たれていたり、インデックスとプリギャップ情報が全く役に立ちません。
結局、ビットパーフェクトにリッピングしてのち、Audacity 系の編集ソフトで正しい楽曲単位にシコシコ切り取り、やっと PC に取り込み完了。。。
2007年リリースのCDでもこんなに脇の甘い製品があったとは、びっくりでした。