自分ヘノ御年玉

[Phonomena + BPS]

1月3日,実家から帰宅した直後にブツが到着.昨年11月末の誓い を早速破って(笑)発注していたものです.年末年始は仕事で死んでいたので,まともにセッティングしたのはその仕事が終わってから.

手持ちのカートリッジのバリエーションが少しづつ増えてきて,特に SPU Royal N や CG25Di 等,低インピーダンスのものが手元に来るに至り,今まで暫定的に (?) 使って来た コストパフォーマンスは非常に高くて手頃な値段のフォノイコライザーアンプ をリプレースしようと思ったのでした. 昇圧トランスを買う,という選択肢もあったのですが,この際フォノイコライザーアンプ自体をグレードアップしてみよう,と.

で,同じメーカーPE-100SELUXMAN の (フラッグシップの E-1 が出たことにより実売価格が若干下がった感のある) E-03,予算オーバーなところでは Benz Micro の PP-1/T9 や Linn Linto 辺りを候補としてごにょごにょと密かに策を練っておりました.

そこに現れたのがちょっと気になるスペックを備えた Musical Surroundings Phonomena.どうやら日本には正規輸入されていない様ですが,昇圧比 (40dB〜60dB の16通り) と負荷インピーダンス (30Ω〜100kΩ の128通り),更に負荷容量 (200pF と 300pF) をそれぞれ (左右チャンネルごとに独立して) シャシー内の基盤上にあるディップスイッチで微調整出来ること,オプションの Battery Power Supply (BPS) ユニットと組み合わせれば ピュア DC 電源駆動出来る ことの 2つはかなり魅力.海外のレビューやら掲示板やらを見る限りでは,基本的には無色透明なキャラクター,つまり音にはほとんど色付けをせず,透明感とサウンドステージは抜群だとのこと.ただ,日本にブツがない以上,現物の試聴が出来ないのは最大の不安要素でした.

Phonomena + BPS のセットで米国定価 $1,200.これは予算オーバーなのですが,絶妙なタイミングで悪魔の囁きの如く,某所にて新古品が半額程度で出されていたので,アメリカ西海岸のオーナーにメールで質問攻めの後,半ばバクチ気分で購入を決意しました.

SN比というか無音時の静寂感は残念ながらそんなに良くはありません.正直 PE-50 と大して変わりませんでした.また,日本で使うために必要な 100VAC の電源アダプタ ですが,秋月電子にて 800円で買ったもののせいか,AC 駆動時には (フルボリュームにしてみると) 僅かながらブーンとノイズが乗ってしまいます.これはミニ延長ケーブルをはさんで電源タップからアダプタを遠ざけることでとりあえず安直に解消.充電終了後にバッテリ駆動する時には関係ありませんので.とはいえ,同じタップから電源を取っている他のコンポーネントにはあんまりよろしくないでしょうから,今後なんとかしたいとは思います.

さて,うちの環境では,バッテリ駆動と AC 駆動での音質の差は (上述の点を除いては) 予想していた程は大きくありませんでした.それだけうちの環境がまだまだ改善の余地ありということでもあります … しかし 現在のリビングでの変則的な設置 では,物理的な制約があり過ぎ,引越しでもせんと大がかりな向上は望めそうにありません.

それはさておき,Phonomena 自体の印象ですが,やはり積極的な色付けを排したとてもクリアなもので,カートリッジの音をそのまま伝えてくれる感じです.けれども無個性とか無機質といった感じではありません.当然ながら空気の感触というか透明度は PE-50 とは比較になりません.音のリアリティがぐんと増しました.また空間描写も圧倒的に向上し,フォーカスがしっかりしていて同時に広がり感もぐんとアップしました.負荷抵抗を微調整することで,フォーカスをより絞る方向か,オープンなサウンドステージの方向かに面白い様に変化します.AC 駆動にすると,空間描写が若干ぼやけてしまう感じですが,まあ許せる範囲内です.

取扱説明書によると,BPS の充電に要するのは 1時間程度,バッテリ駆動出来るのは 4時間程度とのことですが,実際にはどちらももっと長かったです.充電完了までに 2時間弱,バッテリ駆動は 6時間は余裕でもってくれました.ただし,充電途中であってもいつでもバッテリ駆動に切替えられるので,全然苦にはなりませんが.

まだ導入して数日ですが,現時点での印象は $1,200 (ということはもし国内に正規輸入されたら 15万〜20万円位の定価がつけられる?) としては特筆する程のクオリティでもない,$600 なら充分にコストパフォーマンスが高い,という感じでありました.

次にリプレースするべきは,うちで最もしょぼいコンポーネントである CD プレーヤ,というより,タダでもらった LD/CD コンパチプレーヤ(笑)を除いては,以前から気になっている電源タップということになります.けれども,今度こそ次にお金を割けるのはずっと先になるので,当分は現状のシステムのままでセッティングを煮詰める事に専念しますが…

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