Clap Your Hands Say Yeah

新しくもなく古くもなく。スカスカ気味な音なのに無駄なく緻密に構成されている。1960年代的な音の感触も交えつつ、ニューウェーブからポストロックに至るまでの多彩なフレーバーが満載。久々に聴き応えのあるロックの新譜に出会いました。最近やっと日本盤 CD も出たようですが、(ビニールジャンキーのはしくれとしてはリリースされたことが素直に嬉しい) LP で買ってみました。

The music is “new” as well as “old” – the arrangement is simple but well-done – variety of musical flavours are featured on every track, from the sound of 1960s’ Rock through New Wave to the Post Rock scene – this album is like what I’ve been waiting for, and really enjoyable in every respect. Recently and at last, Japan CD was finally releaed, but as a petty vinyl junkie, I bought a vinyl LP version of this album (thanks for vinyl edition also being available!).

(the rest of the English edition of this article will be available in the near future)

[CYHSY1 Front Cover]      [CYHSY1 Back Cover]
Clap Your Hands Say Yeah
(no label no number)


The CureRobert Smith というか、あるいは酔っ払った RadioheadThom Yorke というか。なんともヘロヘロなヴォーカルにまず耳を奪われます。それをバックアップするのが、呆れる程つんのめり気味にタテノリな、疾走感溢れるリズムセクション。楽曲は、コード進行で聴かせるタイプではなく、グルーヴを持続させて少しづつ展開していくという、これまたニューウェーブ的なアプローチ。これだけだと、単なる 1970年代〜1980年代ニューウェーブのパクりバンドなのですが、不思議な事により古く、より新しい感覚を与えてくれます。

その一番の要因は、シンプルというかスカスカな様でいて、実に緻密に計算され尽くされたアレンジにある様に思います。意外性のある楽器や意外性のあるリフが、ドンピシャリの的確なタイミングで使われている。実際の録音が一発録りなのか編集だらけなのかはさておき、一聴したイメージとは異なり、かなり練りに練られたものといえそうです。

[CYHSY1 Side-A]    [CYHSY1 Side-B]

“Revolver” あたりの Beatles を彷彿とさせる凝りまくった音の遊びがあるかと思えば、The CureTalking Heads の如き勢い一発でかつヘロヘロでしかし凝りまくった側面もあり、Radiohead ほど情念に流されてはいないけれども Pavement あたりを彷彿とさせるフィーリングもあり。なにより、それらの単なるかき集めではなく、それらの要素が全て有機的に作用していて、絶対的に「新しい」と思わされてしまう (ここが Post Rock 的なところですね)。そこが彼らの手腕の優れている点であり、彼らのオリジナリティということになるのでしょう。

逆に言えば、「これいいよね〜」と理屈抜きで楽しむのには最高なアルバムなのですが、その有機的組み合わせの元となるネタが枯渇した時が彼らの正念場ともいえそうです。 (1) バンドとしての寿命が短いか、 (2) カメレオンの様に音楽性をアルバム毎に変えてくるか、(3) あるいは新境地を開拓する最前線へと飛び出していくのか。私の予想としては (意外にも?) 二番目ですが、さてどうなりますやら。これからも目が離せません。




A-1: Clap Your Hands!
A-2: Let The Cool Goodness Rust Away
A-3: Over And Over Again (Lost And Found)
A-4: Sunshine And Clouds (And Everything Proud)
A-5: Details Of The War
A-6: The Skin Of My Yellow Country Teeth
A-7: Is This Love?

B-1: Heavy Metal
B-2: Blue Turning Gray
B-3: In This Home On Ice
B-4: Gimmie Some Salt
B-5: Upon This Tidal Wave Of Young Blood

Alec Ounsworth (g, vo), Lee Sargent (g, kbd, backing vo), Robbie Guertin (g, kbd, backing vo),
Tyler Sargent (b, backing vo), Sean Greenhalgh (ds, perc).

Recorded probably in Brooklyn, NY, 2005.

All songs written by Clap Your Hands Say Yeah.

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *