右手薬指をつき指してる時にこんな細かい作業を行うべきではありませんでした . . . .
昨日早朝にいつもの Pieter とシングルスの試合をやっていた時のこと。4-2 で迎えた第7ゲームの途中、相手のサーブがフォルトになったので、思わず右手で (左利きなもんで) そのボールをダイレクトキャッチしようとして、どんくさい私はアホなことに薬指をつき指してしまったのでした。奴のフラットサーブはかなり威力があるからなあ。なんでいつも通りよけへんかったんやろう。
ともあれ流水で冷やして応急処置ののち、つき指の痛みをこらえつつ続行、試合は (我々にとっては) ひさびさにハードで内容の濃いものになり、ハードヒットの連続、長いラリーの連続、ネットの取り合い、コート狭しと縦横無尽に走り回った持久戦となりましたが、最後になんとか逃げきって 6-4 で勝利。うし、これで対 Pieter は 6試合連続勝利で、昨年10月の初対戦からの生涯対戦成績 (?) は 26勝25敗となりました。昨日は陽射しもきつくなかったのに、持っていった 1ガロンのスポーツドリンク (二倍希釈) もあっという間になくなってしまいましたよ . . . .
って今回はテニスの話ちゃうかった。 GE VRII Triple Play の交換針のお話。
うちに届いた直後、いまいちその音に満足出来なかったのは前回書きましたが、それからお金をかけずにいろいろやって、ある程度満足のいくところまでもってこれました。LP の方はほぼ充分、SP の方はまずまずといったレベル。
カートリッジ + シェルの重量がうちのアームにはローマス過ぎた (それにこのカートリッジだってローコンプライアンスでしょうしね) というのを解消するために、1円玉 4枚をシェルに貼り付け (笑)、さらに思いつきで制振・静音用のシート (これはもともと PC ケースの内部に貼り付けるためのもので、たまたまうちに余っていたものでした) も小さくカットしてシェルに貼り付け、少しポジションがゆがんでいるように見えた交換針のカンチレバーを指でいじって位置を微調整してみて。ともあれ、出費 4円でずいぶんとましにすることができました (笑)
いちばん難儀するのは、針の微調整。上の写真 (手ぶれしてしまってます、すみません) のように、ちょうど針のくる辺り、本体側に、カンチレバーをはさむように出っ張りが 2つあるのですが、カンチレバーが少しゆがんでいると、この出っ張りに常に当たった状態になってしまい、当然ながら出てくる音も劣悪なものになります。ちょっと指で位置をずらしてはカートリッジに装着して目視、また外して位置をずらして装着して目視、というのを繰り返し、満足いく位置に落ち着いたらアームに取り付け試聴、それでもだめならまた位置微調整のやり直し . . . . という根気のいる作業になりました。
古い交換針ですので、カンチレバーの裏側に貼り付いている小さなゴムダンパーの劣化もありえます。そこで、左右方向のゆがみだけではなく、上下方向にも微調整してやるのがコツでしょうか。これらの微調整を根気良くやると、出てくる音が面白いように変化しますし、ばっちり決まった時には「あーこれこれ、これでんがな〜」に近づけることができます。
カートリッジ購入時にもともと「新品ダイア針 2つつけます」と書いてあったのに、付属してきたのはサファイア針だった話も前回書きましたが、交渉の結果、探して見つかれば無償で送ってくれることになりました。で、先ほど返事がきたのですが、「LP 用新品 1mil ダイアは見つかったが、SP 用ダイアは見つけられなかった。その代わりに 3mil サファイアの新品をもう一つ送るので、それで勘弁してくれ」とのこと。誠意ある対応ですので、これで手を打つことにしました。もともとが新古品のカートリッジ、3mil サファイア新品 2つ、1mil サファイア新品 2つのセットで、しかも激安価格でしたしね . . . .
実はその返事を頂く前に、自分で別途 SP 用ダイア針を探して購入していたのですが (笑) こちらは残念ながら 2.5mil もの。2.5mil ダイア交換針は、現在でも互換品が新品で製造販売されて流通しているようです。3mil ダイアとなると、何十年も昔に作られたもののデッドストックしかないみたいで、こちらは結構入手が難しい模様。
ともあれ早速そちらを装着して、最初からついていた 3mil サファイア針と聞き比べてみることに。うーん、やはりこの 0.5mil の差は大きいというか、盤質やプレス時期によっては、やはり 3mil の方に一日の長があるというか。これがサファイアとダイアの差なのかは分かりませんが . . . .
昨日はこの盤をテストケースとして使ってみました。1952年 1月30日録音、Count Basie (カウント・ベイシー)、Freddie Green (フレディ・グリーン)、Walter Page (ウォルター・ペイジ)、Gus Johnson (ガス・ジョンソン) という申し分ないメンバーをバックに、Paul Quinichette (ポール・クイニシェット) が一世一代の名演を披露する「I’ll Always Be In Love With You」は特に愛聴盤です。同じセッション、同じメンバーによるB面のアップテンポスウィンガー「Sequel」でも好調さが伺えます。
A面の出だしは御大ベイシーのオルガンから始まります。いきなりドッカーンと力強い演奏で、ここで音がビリつかないかチェック。これに優しくからむヴァイス・プレスのテナーの音色とビリつき具合もチェックポイント。すでに微調整の済んだ 3mil サファイアでは、歪み感も皆無で、実に瑞々しく同時にパワフルな音が聞こえてきます。ところが今回入手した 2.5mil ダイアだと、オルガンもテナーもビリビリと歪んだ感触。ちょっとこれはいかんのう。でも不思議なんですよね。1952年プレスってことは、溝は戦前ものよりやや細くなってるでしょうし、2.5mil の方がしっくりきてもおかしくないのかな、と思っていたのですが。
ともあれ、この 2.5mil ダイアの方もカンチレバーの微調整をやってみるか。と、つき指した右手もなんのその、ごにょごにょと作業を始めたときのこと。力の入りにくい右手が悪さしたのか、カンチレバーにひっかけてしまって、その裏についていたゴムダンパーがびょ〜んとどこかに飛んでいってしまいました。がーん。部屋中探したけど、どうしても見つからない。ががーん。
つか、なんで接着されてるはずのゴムダンパーがかくも簡単にとれて飛んでいってしまうわけ?!
仕方ない。どうにかなるさ。と思って、とりあえずゴムダンパーなしで微調整を済ませてカートリッジに装着し、ふたたび試聴。こりゃ全然あきませんわ。さらに音が暴れまくってとても聴けたものではない。
うーん、どうしよう。
で、ふと思い出しました。そういえばうちに 5ミリ厚のゴム板が余っていたんやった。もともと何のために買ったのか、もう覚えてませんが、ともあれ 10年ほど前に買ったと記憶しているそのゴム板をごそごそと探し出してきて、つき指もなんのその、カッターナイフで小さな塊を切り出し、これをゴムダンパーの代わりにしてみることに。再び部屋をごそごそ漁って、ゴム用接着剤を発掘、これをちょっぴりゴム辺につけて、カンチレバーの裏側につけてみました。再びカンチレバーの微調整を行ってから再度試聴してみることに。
少しマシにはなったものの、まだなんか違うよなぁ。微調整はまだまだ続く予感。はぁ。
あ、よく見ると、装着したゴムダンパーが少し大きすぎて、手前にあるもう 1個の小さなゴムダンパーのところにすき間が出来ている . . . . あと 0.5ミリくらいカットすればちょうどいいのかな . . . . けど、つき指が直るまではやめといた方がいいかなぁ、またえらいことやらかしたら悲しくなってまうし . . . .
しばらくは 3mil サファイアで楽しむしかなさそうです。あとは、近いうちに送られてくる 1mil ダイアで聴くモノーラル LP の音を楽しみにしておきましょう。
「Otono Edison Cartridges – 3mil version now available」に続く . . .
奮戦記参考になります(笑)
サファイアとダイアですが、長年SP をやっている人が云うには、音はサファイアの方が良いそうです。ただ、減りが早いのでダイアを使っているということです。
ポール・クイニシェットのSP が2.5mil で歪むのはおかしいですね。この盤、私も持っていますが、2.5mil でも大丈夫です。ただし、102SD ですが。GE の2.5mil は持ってますが、試していません。
> 2.5mil で歪むのはおかしいですね
ですよね。カッティング時期的には 2.5mil がベストのはずなんですが。
うちの家ではまだ、この SP ですら音のエジソンの 4mil がベストの再生を聞かせます。
交換針、新品でも古いデッドストックでも、どうもクオリティにばらつきがあるのかと思いたくなる程、なかなかいい感じに落ち着いてくれません。最初から装着されてた 3mil サファイアと、予備でついてきた 3mil サファイアも、どうみても同じ製造元っぽいのに、やっぱり出てくる音がなんか違う。
LP の方は充分いい感じで使えているだけに、SP の方をなんとかしたいもんです。
面白いのが針交換による出力差で、3mil サファイアより 2.5mil ダイアの方が明らかに 1〜2割出力が大きくなるんですよ。カンチレバーの材質が違うせいではないかと思っているのですが、こんなにも出力が違うとはちょっとびっくりです。
>3mil サファイアより 2.5mil ダイアの方が明らかに 1〜2割出力が大きくなるんですよ。
これは面白いですね。針の材質が同じなら普通は逆のはず、2.5mil より3mil の方が大きくなります。私の場合は、3.5mil ですが、別のカートリッジと思えるくらい違います。
フェアチャイルドのLP用 1mil があまりにも良かったので、この音でSP が聴けたらと思い、もう一個購入し、3mil に替えてもらいましたが結果は全然違う音になりました。出力が大きく、若干暴れます。
LP とSP ですので、刻まれている音自体の違いが大きいのでしょうね。 3mil のフェアチャイルドは、カンチレバーにゴムを貼ったり色々試しています。だいぶ良くなってきましたが、まだまだです。 ダメならLP用 1mil に戻すつもりです。
Shaolinさんの場合は、サファイアとダイアの硬さの違いでしょうか?
> LP とSP ですので、刻まれている音自体の違いが大きいのでしょうね。
これはそんな気がします。やはりうちのバリレラでも SP の方が音量が大きくなります。
> 針の材質が同じなら普通は逆のはず
> (中略)
> サファイアとダイアの硬さの違いでしょうか?
針の材質が違う、固さが違う、とはいっても、それだけで出力の大きさが変わるとも思えないんですよね . . . .
かたや Electro Voice 製の古いデッドストック 3mil サファイア、かたやノーブランドの最近作られた様に見える 2.5mil ダイア。カンチレバー部分を含めて、金属部分の色 (前者はゴールド、後者はシルバー)、質感、固さがかなり違うように思います。そのせいかな〜と思っているのですが . . . .
古い 2.5mil または 3mil ダイアのデッドストックを見つけられたらいいのですが。
かといってあんまり高い買い物もしたくないし。
うーむ、というところです。