2024/10/30

How Records Were/Are Manufactured (5)

第1回第2回第3回第4回 に続き、戦後のレコード製造工程や原材料の歴史を改めて調べてみた、そんな記録です。

5回目となる今回は、1964年の Burt Bacharach = Hal David 両氏へのインタビュー記事に登場する射出成形スチレンシングル盤への不満という面白いエピソードのほか、英国の射出成形ヴァイナル盤研究開発を捉えた興味深い動画の紹介、同じく射出成形ヴァイナル盤製造を1970年代に行っていた日本コロムビアの学術論文、最後に21世紀になって登場した「エコフレンドリーな」射出成形PET盤について、それぞれみていきます。

レコード業界における射出成形による製造法の役割が、長期的なコスト削減および生産効率向上、という目的から、持続可能なレコード文化存続へ、とシフトするさまを現在進行形でみているんだなぁ、という思いを強くした学びでした。

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2024/10/11

How Records Were/Are Manufactured (1)

今回は、SNS 上でみかけたあるレコードの特徴をきっかけにして、戦後のレコード製造工程や原材料の歴史を改めて調べてみた、そんな記録の前編です。

Preface / はじめに

レコードは何から作られているか。レコードのプレスはどのように行われているか。なんとなくでもご存じの方は多いでしょう。

レコードの主たる原材料として使われてきたものには、シェラック、ベークライト、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、PET などがあります。当然、圧倒的に主流なのはポリ塩化ビニルです。

また、レコードの製造(プレス)方法としては、圧縮成形が主流で、射出成形のものもあります。

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