HumminGuru Review 3: 10インチ盤クリーニング、そして気になる点

Note for non-Japanese readers:
FYI here’s the automatically trasnlated English version of this HumminGuru Review article by Google Translate.

1回目のレビュー(ハミングルが届くまで、そして最初に使った時の印象)、2回目のレビュー(レコードクリーニング前後の音を比較)に続き、最後となる今回は、KickStarter で入手した人に無料でついてきた10インチ/7インチレコード用アダプタのテストを行なってみます。

同時に、この超音波レコードクリーナーについて、いくつか気になる点、使用時の注意点、なども書いておきます。

2021/11/18 一般販売開始決定! (ただし限定数)

10インチLP用アダプタを使ってみる

じきに開始されると思われる一般販売では、7インチレコード / 10インチレコード用のアダプタはオプション販売になると思われますが、KickStarter キャンペーンで入手した人には、無料で送られます。

HumminGuru Stretch Goals Unlocked

KickStarter キャンペーン中の出資者が目標額を超えたため、出資者にはアダプタが無料で追加されました。

我が家には、シングル盤も10インチLPも、そして10インチSP/12インチSP (78回転) もそこそこあります。しかし、LP のようなポリ塩化ヴィニール製でない、シェラック盤(ちょっと扱いを間違えるとすぐに割れてしまう) は、さすがに超音波クリーニングするのは憚られてしまいます。まんがいち割れてしまっては取り返しがつきませんので。

そこで、SP盤最末期の、ヴィニール製のSP盤を試しにクリーニングしてみることにしました。サラ・ヴォーン (Sarah Vaughan) が、EmArcy レーベル設立直後に吹き込んだあるいみ伝説的な名唱 “Shulie A Bop” を収録した EmArcy 16005 です。

HumminGuru w/ EmArcy 16005

Shulie A Bop c/w Polka Dots and Moonbeams / Sarah Vaughan
EmArcy 16005 (1954)

アダプタへのレコードの取り付けは、比較的簡単です。ゴムパーツを4箇所にとりつけ、下2つをスライドして引っ込めておき、上2つにレコードをひっかけたところで、下2つを元の位置に戻して、レコードを固定します。

HumminGuru Adapter Instruction

アダプタのマニュアル
この画像をクリックすると HumminGuru 社が公開している取説PDFが読めます

クリーニングも特に問題なく終わり、SP盤とは思えないほどピカピカな見た目になりました。音もバッチリです。

EmArcy 16005

みちがえるほどピカピカになった EmArcy 16005 (78rpm)

精製水メーカーも買ってしまいました(笑)

日本の上水はかなり高品質ですので、レコードの超音波クリーニング程度であれば、水道水そのまま、あるいは浄水器を通したもの程度で十分かもしれません。が、マニュアルには(水道水の品質がかなり不安定な国々が多いでしょうから)「必ず精製水を使うように」と書かれています。

HumminGuru and Bottles of Distilled Water

当初は、500ml 入りの精製水ボトルを買っていました

そういえば、自家用車を自分で洗車する際、拭き残しがあるとウォータースポットができてしまいますが、精製水で洗車をするとその心配がない、と聞いたことがあります。しらんけど。

それはさておき、せっかくなので精製水でレコードを洗ってあげるとして、1回の洗浄で400ml程度の使用。その水を数枚の洗浄に再利用したとしても、そこそこ消費します。その都度、精製水をドラッグストアに買いにいったり、大量にストックしておくのも面倒な気がします。

というわけで、買ってしまいました(笑) 卓上精製水メーカー「ピュアメーカー です。

HumminGuru and PureMaker

「卓上型精製水器」という割には結構大きいです

精製水は、一旦開封してしまうと、早めに使い切らないと雑菌が繁殖しやすいのが欠点ですが、これを使えば、レコードクリーニングする度に水を汲んできて精製水を作ればいいだけなので、気にする必要がありません。水道水から精製水を作り出すフィルタというかカートリッジは1つ4,000円以上しますが、カートリッジの使用期限は約半年が目安とのことですから、毎日じゃんじゃんクリーニングする場合には、精製水を買ってくるよりよっぽど安いと判断しました。

PureMaker Checker

作られた精製水がきちんと精製水になっているか(カートリッジ交換時期がきていないか)調べるための硬度測定試薬がついてきます

これで、心おきなく精製水を使いまくって、家の大量のレコードをじゃんじゃんクリーニングできます(笑)

いくつか気になる点

いままで、ハミングル超音波レコードクリーナについて、いいことばかり書いてきましたが、最後に少しだけ気になる点も記しておきます。

とはいえ、「値段を考えれば」気にならないレベルですし、「ちょっと工夫すれば問題ない」ものばかりです。将来、改良版や新製品が作られたりすることがあれば、こういった点も解決されるといいな、と思います。

乾燥モード終了後、再外周に水が1〜2滴残ることがある

これは、乾燥用のドライヤーの出力を(価格上、そしてうるさくならないよう)あえて低めにしていると思われること、そして、ドライヤーの吹き出し口の横幅がじゃっかん狭いように見えることによる弊害と考えます。中には5分乾燥で完全に乾く盤もありますが、10分乾燥モードでも水滴が1〜2滴残ってしまう盤もあります。そして水滴は決まって再外周から1cmあたりに残ります。

自動洗浄〜乾燥が終了したあと、しばらくそのまま自然乾燥させておくでもいいですし、あるいはレコードクリーニング用の綺麗なクロスでふきとってあげるだけでもいいですね。

レーベル紙ギリギリまで洗浄するには、推奨より水を多めにする必要がある

特にクラシックの古いレコードに顕著なのですが、レコードレーベルのギリギリ近くまでカッティングされている盤もあります。

Mercury SR-90226 Side-B

たとえばこの盤。残り1cmもないギリギリまでカッティングされています。
そしてその狭いデッドグルーヴエリアにマトリクスが窮屈に手書きされています。

ハミングルのタンクの「12インチレコード用」と書かれた目盛まで精製水をそそぎ、クリーニングをしようとすると、もちろんこれでは最内周は水に浸からず、クリーニングされないことになります。

なので、こういう面倒な盤については、目視でギリギリまで水を足してあげる必要があります。

もちろん、レーベル紙まで残り数ミリのところまで精製水を入れてクリーニングしても、レーベル面が濡れることは(少なくとも私のやった例では)ありませんでした。

タンクから本体に水を注ぎ入れる際、タンクの横からじゃっかん水が漏れやすい

1回目の記事 に載せたこの写真、

Pouring Distilled Water into Basin

よくみると、タンク右前方、本体手前に、水滴がついているのがわかりますでしょうか。

タンクから本体に水を注ぎ入れる際、タンクのふたの密閉性があまり高くないこともあって、前方のかどから水がじゃっかん漏れてしまうのです。

だからといって、部屋が水浸しになるわけではありませんし、本体上部に多少落ちる(ゆるく傾斜があるので、最終的に本体に入る)ので、致命的な問題ではないかもしれませんが、精神衛生上はよろしくありません。

タンクのふたに薄いゴムパッキンを取り付けるなり、タンクとふたのかみあわせを改良するなりすれば、この水漏れは防げそうなので、ぜひ改良版に期待したいところです。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *