. . . this article deals with The Little Willies’ newest album, as well as original performances they covered on the album. Currently available only in Japanese . . .
Little Willies のアルバム でカヴァーされた楽曲のオリジナルバージョンを探訪する本企画。
前回の “Night Life” (Ray Price) に続き、今度はアルバムの 1曲目、ゴキゲンなウェスタンスウィングナンバー、“Roly-Poly” をとりあげましょう。 オリジナルは 1945年リリースの Bob Wills and his Texas Playboys。 さきほど小包で届いたばかりの、(私にとっては) ホヤホヤの盤です (笑)
いやホントにお恥ずかしい限りですが、“King of Western Swing” とうたわれた Bob Wills をちゃんと聴くのは、これが初めてのこと。ヴォーカルをとる Tommy Duncan は、SP や CD などで耳にしたことはあったのですが、Bob Wills 自体は今回が初体験となりました。いやはや、まだまだ勉強不足です。
というか、なんですかこの強力なスウィングっぷりは ! !
たった 1回、この SP をかけただけで、完璧にノックアウトされました。 ギターとドラムスがザックザックとゴキゲンなリズムを刻み、イントロ部分では Count Basie っぽいピアノが華を添え、トランペットは最高にスウィンギーなフレーズを奏で、ヴォーカルの後ろではコレクティブインプロビゼーション状態 . . . ギターソロでは “Them There Eyes” のフレーズがさりげなく引用され、御大 Bob Wills の奏でるフィドルは、なんと完璧にノリノリなこと . . . このアンサンブルのめくるめくドライブ感は、Basie コンボに匹敵する程、と言って差し支えないでしょう。 ウェスタンスウィングの王様、と呼ばれるのも当然ですねこれは。
改めて、Western Swing って、うまいことネーミングしたもんやなぁ、と感心した次第。
いやはや、凄いものを聴いてしまいましたよ、ホント。 感激の余り、本 SP の A面を 6回連続でかけてしまいましたよ . . .
B面の “New Spanish Two Step” も、“Roly-Poly” に負けず劣らずゴキゲンなナンバー。今度はスティールギターをより前面にフィーチャーしており、ややテンポを落としつつもやはりザックザックと奏でられる鉄壁のリズムには、自然と体が動いてしまいます。両面を通して、完璧にノックアウトされました、いやホント。
Side-A (H 1245-1) : Roly-Poly
Alex Brashear (tp),
Bob Wills (fiddle), Joe Holley (fiddle),
Cameron Hill (el-g), Jimmy Wyble (el-g), Noel Boggs (steel-g),
Millard Kelso (p), Ted Adams (b), Monte Mountjoy (ds),
Tommy Duncan (vo).
Recorded in Hollywood, CA on January 24, 1945.
Side-B (H 1369-1) : New Spanish Two Step
same personnel as above, except add Louis Tierney (fiddle).
Recorded in Hollywood, CA on April 20, 1945.
金欠の強い味方 (笑)、PROPER MUSIC から、Bob Wills の 4枚組 CD がリリースされているのを発見。 本 SP の 2曲もしっかり収録されています。もうこれは文句なしに買っちゃいますよ。いや、買うしかないでしょう。
さて、肝心の Little Willies バージョンはどんなもんでしょう? キーは G から C に変えられ、楽器編成が異なる他は、やはりオリジナルバージョンに準じるテンポ、アレンジとなっています。オープニングのギターリフもしっかり再現しつつ、最新の録音であるのを生かしてベースのスラッピングなんかもアクセントにしつつ、ややロカビリー風なニュアンスも聴かせます。中盤〜後半で、ややリズムがドタバタと乱れる寸前になる瞬間はありますが、アルバムのオープニングナンバーに相応しい、ゴキゲンな演奏です。Richard Julian と Norah Jones がハモりながら歌っているのも実に気持ち良い。
けど、Bob Wills バージョンを一度聴いてしまうと、さすがに分が悪くなってしまいますね . . . もちろん、どっちが良いとか悪いとか、そういう比較は出来ないものなんですが、とにかく Bob Wills の恐ろしい程スウィンギーな演奏にはヤラれてしまいました、はい。
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