Make It Funky – The Big Payback: 1971-1975

(本エントリは、私が別の web に 2004年 7月12日付で掲載していたものを転載したものです)
(this entry was originally made public at my another web site on July 12, 2004)

Foundations of Funk, Funk Power と同じく, CD リリース当時 (1996年頃) に web に載せていた文章.8年前のレビューなので,内容が古くなっているところもあるかもしれません.というか,どれもこれも今読むとちょっと「イタい」文面ですが,ご勘弁を.




[JB]
Make It Funky – The Big Payback: 1971-1975 / James Brown
(Polydor 314 533 052-2)

恐ろしい世の中になったものです.“Foundations of Funk”, “Funk Power” に続き,本当にこの 1971-1975年の録音を集めた “Make It Funky” もリリースされて しまいました.何と幸せなことでしょうか!

Bootsy & Catfish の Collins 兄弟を中心としたオリジナル JB’s 脱退後,急遽集められて作られた新生 JB’s をバックに従えた JB の更なる充実ぶりは,アルバム “Hot Pants”, “There It Is” や,超名盤のライブ盤 “Revolution Of The Mind” で聴かれる通りですが,しかし同時に JB にとってはピークを過ぎ,レベルを必死にキープしていこうとして下降線を少しづつ辿っていく,という,ファンにとっては最も辛い時期であることも事実です.

そうはいっても我らがファンキー大統領 JB のことですから,無視することはできません.特に,ここに収められた1975年まで,もうすこし厳しくみても1973年までは充分すぎるほどのレベルをキープし続けており,全く見逃すことは出来ません.


DISC 1
  1. 20分近くにも及ぶ完全盤が CD 版 “Hot Pants” にボーナス収録されましたが,ここに収められたのは,そのミックスのもので,丁度シングル A面 Pt.1 にあたる部分まで.
  2. このシングルバージョンの “Hot Pants” が,Pts. 1 & 2 が繋がったまま発表されるのは今回が初めてではないでしょうか.LPバージョンもいいですが,重いビートはやはりこのシングルバージョンにとどめをさしますね.格好良い!
  3. LP “There It Is” で聴かれる完全版と同じ.
  4. これも Pts. 1〜4 が完全版で発表されるのは初めて.LP “Get On The Good Foot” に収録されている Pts. 3 & 4 の順番が逆だったこともこれで明らかになりました.
  5. LP “There It Is” に収録されているものと同じ.
  6. LP “Motherlode” に収録されているものと同じ.
  7. 同名 LP に収録されている完全版と同じ.
  8. 同名 LP に収録されている完全版と同じ.
  9. 未発表曲.Bobby Byrd の “Doin’ And Sayin’ Is A Two Different Thing” を想起されるミドルテンポの曲.
  10. 基本的には LP “Get On The Good Foot” 所収バージョンと 同じ.LP の方では Interludeがかぶさるが,こちらはそれはない.
  11. LP “Black Caesar” 収録のものよりもイントロが長い完全版.
  12. 既発バージョンと同じ.
  13. 狂喜の未発表バージョン! JB’s の LP “Damn Right I Am Somebody” の interlude(曲間のつなぎ)として一部が使われていたが,完全版は初めて!“Black Caesar” に 同名の別バージョンが収録されていることから,そちらが前半部分,今回のバージョンがその続きにあたる部分であることが推察される.ともかく滅茶苦茶格好良い!

DISC 2
  1. LP “The Payback” 所収バージョンに同じ.
  2. LP “The Payback” 収録の完全版ではなく,シングル用に短く編集されたバージョン.
  3. LP “The Payback” のものとは異なる別バージョン. こちらの方が初期テイクか?
  4. 未発表曲集 “Motherlode” に完全版が収録された,LP “Slaughter’s Big Rip-Off” 収録の “People Get Up And Drive Your Funky Soul” の原曲っぽいが….
  5. LP “Hell” 所収のものと同じ,完全版.
  6. LP “Hell” に収録されたバージョンに,パーカッション等の オーバーダブが施される前のバージョン.
  7. LP “Hell” 所収のものと同じ,完全版.
  8. LP “Hell” 所収のものと同じ,完全版.
  9. LP “Reality” 収録のものと基本的に同じだが,少しピッチが遅くなっている.
  10. LP “Sex Machine Today!” 所収のものと同じ.
  11. LP “Sex Machine Today!” 所収のものと同じ.
  12. LP “Everybody’s Doin’ The Hustle & Dead On The Double Bump” 所収のものと同じ.
  13. 名盤 “Revolution Of The Mind” に収録された “Hot Pants” とは収録日が異なるライブ演奏.これも滅茶苦茶格好良い!

急に集められたメンバーで,しかも超強力なメンバーの後釜ということでかなり分が悪いのですが,少なくとも’71年,’72年頃までは,見事 JB の黄金期の最後を飾るバックアップを果たしていると言えます.

しかしながら,この辺りから JB の失速が始まり,だんだんセルフパロディ気味の,しかも音的に弱いものへとなっていくのが非常に残念です.強力な曲も幾つかありますが,当たりが少なくなってしまうのです.

ただ,今までの汗ギトギトの Funk 以外に,クールなテイストを 持った Funk に挑戦している姿勢は評 価出来ると思いますし,Disc 1 の 13 の様な新しい発見もありました.

過去にリリースされた各種編集盤を軽くしのぐ,これぞ正しく決定版と呼ぶに相応しいアルバムです.このアルバムと組になる “Foundations of Funk” と “Funk Power” を揃えれば,あとはアンソロジー “Star Time” だけあれば JB のほぼ全キャリアを総括出来るほどの必聴盤です!

けどねぇ,Polydor さん,我々はまだまだ満足していませんよ!ここに収録された楽曲以外にも,完全バージョンで聴きたい曲は他にいっぱいあるんですから!

4 thoughts on “Make It Funky – The Big Payback: 1971-1975

  1. うむ、熱い語り口調は、近年の貴兄には見られぬものですね。「イタイ」部分も散見されますが、基本のテイストには好感触です。真摯に向き合う健気さは、時と共に失われてしまうものでしょうが、まだ老成する御年ではないかと思いますので、今後とも熱い思いを語ってくださいませ。
    #で、3組ともジャケ無しで結構ですから、お暇な時に宜しくね。(って結局それかい)

  2. クソー 言われてもたー
    気持ちはなんもかわっとりません (かわってないつもりだす)
    文面はかわってもたかもしれませんけど
    ほい,ちゃんとやっときます.例の奴も忘れてませんので…

  3. お初です!
    今でも素晴らしい編集盤だと思います。
    これは手放せませんね〜!
    また寄らせていただきます!

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