学生時代にイヤという程聴き込んだ懐かしのアルバム達。何年か振りに久し振りに聴いてみると、昔抱いた印象と随分違うものも少なくありません。昔は気付かなかった新たな魅力に気付くもの (実際はこれが多いのですが) もあれば、「あれ、こんなんだっけ?」と拍子抜けしてしまうものもあったり。先日、懐かしさのあまりオリジナル盤 (一応両面マトリクス 1A
です) を見つけてつい買ってしまったこのアルバム、私にとっては (どういうわけか) 後者に属するものでした。そんなこともあるもんですねぇ。
There are dearly beloved albums which I listened to so many times when I was still young – after long years I sometimes have a chance to listen to such albums again. Some LPs give me yet another fascinations I did not notice a long ago, while some others will not show me magical charms anymore. Unfortunately, this album (of which I found and bought the original pressing with 1A
matrix on both sides) belongs to the latter case – it’s what happens anyhow.
Super Session / Mike Bloomfield, Al Kooper and Steven Stills
(Columbia CS-9701)
全てのポピュラー音楽の中でロックというジャンルが絶大なる位置を確保していた時代、こういったブルースロック的なセッションアルバムは特別の感慨を持って受け入れられたに違いありません。Clapton 在籍時の Bluesbreakers、Paul Butterfield Blues Bnad、Peter Green 在籍時の Freetwood Mac、スーパーグループブームのはしり(?)となった Blind Faith、その他もろもろ。非黒人 (特にイギリス人) ミュージシャンが、アメリカ黒人の作ったブルースという素晴らしい音楽に純粋なリスペクトを示し、オーディエンスもそれに呼応したムーブメントといいましょうか。そんな時代の代表的な一枚であることは間違いありません。
This album, as most of us may know, is a Blues-Rock super session left in the period when the Rock music played the most important musical category among all Popular music scene. In such a decade, people should have special respects to such Blues-Rock music as this album – others include Bluesbreakers (featuring Eric Clapton), Paul Butterfield Blues Band, Freetwood Mac (featuring Peter Green), Blind Faith (a representative of “Super Group” boom), etc. It was a movement when non-black musicans (especially in England) had naive respect to Blues music (American black musicians created), and when audiences showed sympathy for musicians.
私がこのアルバムを初めて聴いたのは 1990年。しかし、かつてこのアルバムが大変評判となった時代のことや、どういう文脈で聴かれていたのかについては、アルバムを初めて聴く前に知ってはいました。そうやって「なるほど、これがスーパーグループというものなのか」みたいな感覚で、後追いでその素晴らしさを享受していたんだと思います。ところがその後、いろんなジャンルの音楽を聴くようになり、(旧来の意味での) ロックという音楽ジャンルが自分の中で占める割合が減少してしまった今、改めてこのアルバムを聴いてみると、当時は夢中になったはずのジャムセッション風の楽曲に対して「あの時代」のナイーブな音楽という感覚ばかりが先に立ってしまい、むしろ青臭さすら感じてしまう自分にびっくりしてしまいました (ファンの皆さんごめんなさい)。
It was 1990 when I firstly listened to this album. At that time, I alredy know how this album had been appreciated and highly acclaimed in what kind of perspective. And I enjoyed listening to this album like “… hmmm, I see, this is what is called Super Session by the super group as many people told …”. However, since such naive years, I enjoyed listening to many more kinds of music in various genres, and Rock music became less important to me than before. And now I am listening to this album again – I am surprised at myself that I have less fascination on this album (sorry for you fans!)
そんな訳で (?) 、例えば A面では、かつては胸ときめかせた A-1 “Albert’s Shuffle” 前半での Bloomfield のギタープレイなどよりは、今は A-3 “Man’s Temptation” でのアレンジや Kooper のプレイにより耳を奪われてしまったり、B面では B-2 “Season Of The Witch” での Stills のカッティングよりはホーンアレンジに魅力を感じてしまったり。素直に聴いて楽しめなくなってしまっている自分に嫌悪感を感じてしまいますよ… そうはいっても、結局両面通しで久々に聴き込んでしまいましたが (笑)
So (?), for example on Side-A, now I prefer the soulful arrangements and Kooper’s performance on A-3 “Man’s Temptation” rather than Bloomfield’s very bluesy guitar improvisations on A-1 “Albert’s Shuffle”. Also on B-2 “Season Of The Witch”, now I prefer horn arrangements rather than Stills’ cool guitar cuttings. I even have self-hatred feeling when I find myself not enjoying this album docilely… Anyway, I still really enjoy the album all the way through 🙂
A-1: Albert’s Shuffle (Kooper – Bloomfield)
A-2: Stop (Ragavoy – Shuman)
A-3: Man’s Temptation (Mayfield)
A-4: His Holy Modal Majesty (Kooper – Bloomfield)
A-5: Really (Kooper – Bloomfield)
B-1: It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry (Dylan)
B-2: Season Of The Witch (Donovan)
B-3: You Don’t Love Me (Willie Cobb)
B-4: Harvey’s Tune (Harvey Brooks)
Mike Bloomfield (el-g on Side-A), Steven Stills (el-g on Side-B),
Al Kooper (p, org, ondioline, vo, 12-string guitar, el-g),
Harvey Brooks (b), Eddie Hoh (ds),
Barry Goldberg (el-p on A-1, A-2).
Horns later overdubbed, arranged by Joey Scott and Al Kooper.
Recorded in Los Angeles, CA, 1968.
Produced by Al Kooper.
Engineered by Roy Halee and Fred Catero.
なっ、懐かしい!! この時代はリアルタイムでした。18歳くらいの頃、当時のCBSソニーから1800円で出たLPをよく購入したものです。モビーグレープなんかよく聴いた記憶があります。
あと、エルヴィン・ビショップ、良かったなぁ。そして、ブルースロック的なものから、ジェファーソン・エアプレーン、スティーブ・ミラー・バンド、グレートフル・デッドと好みが変化していきます。そして、・・・キリがないので止めます。
ウッドストックなんて歴史上のコンサート? リアルタイムでした。ジョー・コッカーの絞りのシャツ、染めて作りました(笑)
瀬谷さん:
あれま、意外ですね (笑)
けど確かに瀬谷さんのリアルタイムってこの辺りなんですね。
羨ましいです。
Moby Grape は僕も大好きでした。Jefferson Airplane、Greatful Dead も勿論。僕はそのあと Music Machine, Sagitarius, Strawberry Alarm Clock, Seeds, Spanky & Our Gang, Captain Beefheart 辺りをかわきりに、マイナーなガレージ&サイケバンドへと嗜好が変化していきました (笑) 今から15年以上前の話です。
けど瀬谷さんって、Geoff Muldaur とか Jim Kweskin とかあっち方面のイメージがあるんですけど、それは更に後になってからなんですか?
> ジョー・コッカーの絞りのシャツ、染めて作りました(笑)
それを着ている瀬谷さん、是非見てみたかったです (笑)
僕は Jim (Roger) McGuinn が初期 Byrds の頃愛用していた四角いサングラスが欲しくてたまらない時期がありました (笑) 結局買うことはありませんでしたが…
>けど瀬谷さんって、Geoff Muldaur とか Jim Kweskin とかあっち方面のイメージがあるんですけど、それは更に後になってからなんですか?
そうです。Geoff Muldaur とか Jim Kweskin とか、上京してからです。そして、Leon Redbone と出会うわけです。
現在、Peter Ecklund はジャズの世界でも有名ですが、ハングリー・チャックの頃からのファンです。
しかし、懐かしいですねぇ。ヴァン・ダイク・パークス、ライ・クーダー、ランディ・ニューマン、ニルソン etc.
> そして、Leon Redbone と出会うわけです
おお Leon Redbone。
そこから SP の世界とその時代の音楽へと進んでいかれたということなんでしょうか。
Hungry Chuck、久し振りに聴いてみたくなりました。
まだうちにあるかなぁ。売っちゃったかも。
> しかし、懐かしいですねぇ。ヴァン・ダイク・パークス、ライ・クーダー、ランディ・ニューマン、ニルソン etc.
いつも戦前 Jazz ミュージシャン名ばかり聞いていたもので、瀬谷さんの知られざる一面を拝見した気分です (笑) あぁ Ry Cooder や Van Dyke Parks も Good Time Music 発掘家さんみたいなものですから、ここから古い音楽に遡っていったリスナーも多いでしょうねぇ。