マニアックな音源のコンピレーションを次々と世に送り出している Sublime Frequencies レーベルから、最初期の日本の音源をまとめたアルバムがリリースされています。
メインタイトルは “Sound Storing Machines” つまり「蓄音機」です。
雅楽、かっぽれ、義太夫、謡曲、俗曲、落語、などと、いわゆる「音楽」ではないものがメインですが、110年以上前の日本のレコードの音源を楽しめるのは、これらのジャンルに関して門外漢であっても、想像力を大きくかきたてられるはずです。
電化前のアコースティック録音、いわゆる「ラッパ録音」ですが、SP盤独特のサーフェスノイズの向こうから、日本の昔の芸能の景色がみえてくるようです。
こういうコンピレーションを、海外のレーベルにやられてしまうのは、なんだか癪ですね。。。(笑)
01. 雅楽「陪臚(平調)」 雅楽師長東儀季煕氏外雅楽師 1903 02. 義太夫「千両幟櫓太鼓」 豊沢兵吉 1904 03. 長唄「筑摩川」 東屋小満之助 1906 04. 俗曲「かっぽれ」 新橋すま子 1903 05. 法界節「追分節」 法界連 1903 06. 三曲「松風」 上原真佐喜、高橋清章、福城可童 1903 07. 落語「浮世風呂」 柳家小さん 1903 08. 雅楽「合歓塩(太食調)」 雅楽師長東儀季煕氏外雅楽師 1903 09. 竹琴「汐くみ笠尽し」 三升家勝栗 1906 10. 謡曲「杜若」 梅若万三郎、梅若六郎 1907 11. 尺八「三十三間堂(木遣) 一睡軒花堂 1906 12. 俗曲「猫じゃ猫じゃ」 吉原〆寿 1904 13. 義太夫「堀川猿廻し」 竹本大隅太夫、豊沢団平・豊沢仙之助・三味線 1909 14. 義太夫「三勝半七酒屋」 竹本春子太夫、豊沢新左衛門・三味線 1910 15. 義太夫「太功記十段目」 井上里貴司、豊沢新左衛門・三味線 1912
日本のライス・レコードからリリースされたCDでは、あのレコード・コレクターズ誌で長年連載をされていたので有名な岡田則夫さんによる解説が読めるので、こちらをおすすめします。