きっかけは、あの大熱狂のライブ #SF20FD46 の興奮冷めやらぬ、2015年9月22日の夜、わたしのふとした思いつきからでした。
@dieginn 適当な思いつきで恐縮なのですが、サイモンガー @smgfnk さんとファンクさんと大臣さんの3人に、1995年以降あるいはそれ以前からのインタビューをお願いすることは可能でしょうか。皆さんの歴史は絶対記録しておくべきだと思いまして(笑) @yomemobile
— Kohji Matsubayashi (@kohji405mi16) September 22, 2015
@kohji405mi16 @dieginn @smgfnk わぁ!面白そう!どこかのスタジオでインタビューの機会を\(^o^)/
— 嫁モバイル (@yomemobile) September 22, 2015
@kohji405mi16 @dieginn @yomemobile うわ楽しそうそれ
— サイモンガー11/8学大 (@smgfnk) September 22, 2015
@kohji405mi16 願っても無い光栄です!ぜひよろしくお願いいたします! @smgfnk @yomemobile
— ファンクラ大臣@CD制作中 (@dieginn) September 22, 2015
みなさんのご理解やご協力もあって、あれよあれよという間にはなしが具体化していき。
そして、2015年11月7日、私に負けないほど大ファンの娘と一緒に(笑)神奈川県某所へ赴き、伝説のバンド サイモンガー&ファンク の主要メンバーへのインタビューを行うことができました。
サイモンガーさんとは 2015年6月6日の 小金井名物市 ステージ終了後の楽屋にて、ファンクラ大臣さんとは 2015年9月20日の #SF20FD46 ライブ開始直前にバーカウンターで、それぞれお話をさせていただく機会があったのですが、ファンクさんとお話しさせていただくのは今回が本当に初めてでした。
20年〜30年以上にも及び互いに大親友・盟友同士であろうお三方。そんな皆さんが、どこの馬の骨かも分からない(笑)単なる市井の雑食性音楽マニア、かつレコード・音楽考古学ファンの私を温かく迎え入れてくださいました。
また、私の影響ですっかり変態的音楽ファンになった娘にも、本当に優しく接してくださいました。
そしてカフェでランチをとりながらの3時間弱、娘の無邪気な質問にも答えていただきつつ、思い出話に花が咲き、私は皆さんからとめどなく溢れて尽きぬ貴重な話の数々に興奮しっぱなしでした。。。帰宅後もずっと余韻にひたっております。
お三方とも、貴重な時間をいただき本当にありがとうございます。
正直なところ、当初は、1回ぽっきりの軽いインタビューまとめ記事でもブログ掲載できればいいかな、程度に思っていました。
ところが、直接お話を伺っている間、「この皆さんの歩んでこられた歴史、その背景、残してこられたもの、これからの思いなど、全てきちんと記録して広く公開すべきである」という、義務感・使命感のようなものがむくむくと湧き出してきたのです。
それこそ「ファンクの名の下に!」
「豊川の花形満」と「豊橋のダブルラジカセの魔術師」の出会いとは?!
「ファンクラ大臣」という名前の由来とは?!
もの静かでダンディな音楽青年が「ファンク」という重い名前を背負うに至った経緯とは?!その裏に秘めた思いとは?!
サイモンガー&ファンクにつきまとう、負のジンクスとは?!
源流となる「衆議院」「圧力団体」、そして「アーバンギャルズ」「Planet 16」「Afrodisiasc」「ナルシスト村」などの各種バンドやサイドプロジェクトのいきさつとは?!
くっついては離れ、合流しては抜け、けれどもお三方を貫く強い一本の絆とは?!
などなど、ここに書ききれないほどあまりにも大量の情報のため、しっかり流れを整理した上で、歴史もの、伝記ものとして、連載 のかたちでお届けいたします。
タイトルもこの際、思いっきり大仰に “How The Funk Was Won: The Simonger & Funk Story” としてみました(笑)
前置きが長くなってしまいました。
で、今回は、連載第0回 として、インタビュー本編に入る前の、楽しいちびっこインタビューの模様をお届けします。
インタビューの数日前、「パパがインタビューするんだったら、わたしもインタビューしたい!」と言う娘に、「じゃあ、みんなに質問したいことを5つ、紙に書いて持って行って、その場で聞いてみたらどうかな?」と促してみた次第です。前日の夜、そして当日の朝に、いろいろ考えて書いていました。
ではでは、お楽しみください。
Contents / 目次
インタビュー登場人物
Pt. 0: ちびっこインタビュー
待ち合わせ場所に5人全員が集合、あいさつをしてから、ランチを注文、さっそくお話に入ります。
まず、娘がサイモンガーさん、ファンクさん、大臣さんに書いてきたお手紙(?)を渡しました。なんでも「ラッキーアイテム」が書いてあるそうです。
その後、同じくお子さんのいらっしゃるファンクさんから娘に、ランドセルの色について質問。ほんものを前に(笑)緊張してよそよそしかった娘も、この辺りからすこしづつ普段の表情に戻ってきました。
そして、私によるインタビューに先立ち、娘からのちびっこインタビューが始まりました。さて、みなさんどんな風に答えられるでしょうか? そしてその回答は、8歳児に理解可能なものでしょうか?(笑)
すでに CD を出されており、娘が愛聴している関係で、サイモンガーさんへの質問が多くなってしまっていますことをご承知おきください。」
では自分で読んでみましょう!」
質問1
「ヒッグスりゅうし」は、どうやってできたんですか?
一同苦笑。むしろ、8歳児にどうやって伝えたらいいものか、しばし悩まれているご様子。それはそうですよね(笑)
なお、本稿をご覧の皆さんはおそらくご存知だとは思いますが、「ヒッグス粒子」というのは、宇宙を構成すると考えられ提唱されている17種類の素粒子のうち、近年までその存在が確認されなかったもので、2013年にこの存在がほぼ実証されたっぽい、ということで、ものが質量というものを持つ理屈を統一的に説明可能になる、そんな粒子です。
。。。ではなくて(笑)
サイモンガー・モバイルの楽曲「ヒッグス粒子」の方です。ダジャレ満載、あの歌謡曲からの引用など、昭和なおじさん(私も含む)にはたまらない逸品です。意味よりもまず「ヒッグス粒子」ということばの響きの面白さに着目、いやというほどリフとして反復することで、だれもが簡単にこの単語を覚えられますよね、というキャッチーなメロディとリフ、そしてファンキーな楽曲。
おっと、わたしの戯言はさておき、ご本人による解説をさっそく伺いましょう。
サイモンガー・モバイルは、普段の活動とともに「世の中にあるいろんなキーワードを皆さんにやさしくファンクで伝える」そんな活動を長いことしております。その中で、「ヒッグス粒子について、ファンクで説明してください」というお題があがってきたんですよ。
「さるプリ」というアプリがありまして。そのアプリ内の連載「ファンクで覚えるキーワード」というのを3年間やってたんですけれども。
「ヒッグス粒子」はその中の一話なんです。
いまはアプリがなくなってしまったので(笑)なかなかご覧いただく機会がないのが残念なんですが。
「さるプリ」とは しりあがり寿 さんによる iOS / Android 用「さるやまハゲの助アプリ」のことで、残念ながら2015年5月30日をもって過去のコンテンツも見られなくなってしまいました。
- 参考: さるプリにて「ファンクで覚えるキーワード」配信開始!
(サイモンガー・モバイルBLOG、2012年4月4日)
それぞれのテーマに対して「ファンク」で「ウソ」で答える、っていう、そういう連載だったんです。
その撮影の時に、次回のテーマを決めていたんです。で、次回の撮影の時までに曲を作ってくる、という。
(好きな曲のタイトルが出てきたので興奮して奇声を発してました 笑)
「ヘイトスピーチ」とかは、ちょっとだけ足しましたけど、おおむね番組で作ったままです。
質問2
「豆と毛糸」の、「豆」と「毛糸」はなんなんですか?
えーっとね、おとなはね、冬になるとセーターを着るじゃないですか。「毛糸」っていうのはセーターのことね。で、「豆」っていうのはね、おとなって、おとなになると、からだのあちこちに豆ができてくるのね。
あれ、これって子ども向けの回答になってるのかな?(笑)
もともと同人誌があって、それにつける曲だったんです。
「豆と毛糸」は、#SF20FD46 ライブの時の大トリのナンバーとして8分近くの長尺で演奏されましたが、その前に同人誌の話をされていました。ニンテンドーDSのACアダプタがなくて、最後までバッテリーが持つかハラハラしながら完奏しきっておられたのも楽しい思い出です。
その漫画家さんの事務所に出入りしているプロの漫画家数人で同人誌を作って、年末のコミケに出そうと。「ノーブラセーター」という本なんですけど(笑)で、それにCDをつけよう、という話になって、曲を作る事になったんです。
で、印刷の関係で「先に曲名を決めてくれ」と言われたんです。「マジかよ?!」と思って。電話でかかってきたので、その場でタイトルを決めなきゃいけない。「じゃあ、『豆と毛糸』でお願いします!」と返事をしたんです。なので、曲名だけものすごく先に決まってから作った曲なんです。
実はあれ、ヴォーカルも当時のものなんです、2004年の。シンセも当時は今とは違うものを使っていました。で、オケを今の KORG M01 に差し替えて作り直したんです。
質問3
出会ったのは、もう20年くらい前かなぁ。
で、そのあと、サイモンガー&ファンクをバンド化する時に、キーボードを弾いてもらうか、ってなって。その時から始まりました。
質問4
James Brown のきょくで、いちばん好きなきょくはなんですか?
じゃあ、まず、自分がどの曲が好きか言ってみようか?どれが好き?
恥ずかしがる娘にいろいろ聞いてみると、結局それは “It’s A New Day” とのことでした。
その他、私が把握している限りにおいて娘が愛聴しているのは、“New Breed” (アルバム “The Singles Vol.4” に入っている Pts. 1 & 2 シングルモノーラルバージョン)、“When The Saints Go Marching In” (アルバム “Hell” 収録)、“Make It Good To Yourself” (“Black Caesar” 収録バージョン、およびのちに “Make It Funky: The Bigback” で公開された未発表パート) 、そのあたりだと思います。
それはさておき、お三方の話に戻りましょう。
(と言いながら、曲のサワリを歌ってくれました)
(と言いながら、さらにリズムをとって歌ってくれました)
1980年代に出たコンピレーションに収録されている未発表曲で、Johnny Griggs がパーカッション叩いてる奴。ホーンセクションが入ってなくてスカスカなんだけど、グルーヴがすごいんですよね、あの曲。1970年録音だったと思います。Bootsy と Catfish と Clyde Stubblefield がバックで。
クラシックなものはもちろん好きなんですけど、実は “Gravity” が一番好きなんですよ。いろいろ言われますけど、“Gravity” っていうアルバムの中の “Gravity” って曲が一番。あの流れが好きなんです。
質問5
- 参考: We’re Only In It For THe Money / The Mothers
(拙ブログ、娘が生まれる前の記事)
こんど、お聞かせしますね。お気に召すかどうかはわからないですが。。。下品ですから(笑)
- 参考: 2007-09-01 大盛況!
(サイモンガーの彼岸、アーバンギャルズワンマンライブ報告の記事)
2012年、武蔵小金井の 小金井 Jazz フェスティバル というイベントで、ヴォイスサンプルを iPhone から出してるんですけども、その iPhone が暴走して、ミュージックアプリの方から Perfume の “My Color” が思いっきり会場に流れてしまったんです(笑)
というか、YouTube で観ただけで、よくそんなこと覚えてるね8歳児!
それが、撮影していた人に、ステージ映像をフルで YouTube にあげられてしまったんですよ(笑)
ってな感じで、インタビュー本体に入る前の楽しい歓談を Pt.0 としてお伝えしました。
こうやって文字起こしをしながら書いているだけでも、あのインタビューの時の楽しい雰囲気が蘇ってくるようです。
私のインタビューの前に、娘からの質問を先にしたことによって、そこから話が意外と弾むこととなり、結果として正解だったのかなぁと思います。この時の歓談により、お三方にとっては赤の他人(笑)である私への精神的距離が少しは縮まって、そのあとの本編の話をより伺いやすくなったのかもしれません。勝手な思い込みかもしれませんが(笑)
さて、次回の Pt.1 からは、ついにお三方の学生時代、若かりし頃の音楽活動の話に突入します。
少し間があいてしまうかもしれませんが、ぜひお楽しみに。