先週、手持ちの DL-103R の針交換 (MC なので本体ごと交換ですが) を済ませ、週末は久々に 103 の音を堪能した。 鮒に始まり鮒に終わる。 DL-103 に始まり DL-103 に終わる。 といったところか。
過不足はなく安心感はあるが、ふと物足りなさを感じる事もある元祖 103 をより魅力的な響きの音に仕上げてある 103R。使いこめば使いこむ程、その潜在能力の高さに気付かされます。今どき貴重な低コンプライアンス (5×10-6cm/dyne) かつ丸針というのも、ちょっと昔の音源にはドンピシャリ。何より、このポテンシャルにしてこの価格 (実売価格は新品が 2万円台前半、針交換価格が 1万円台後半といったところか)。この高 C/P が最大の魅力です。
(写真は LPレイザー 処理した中古盤をクリーニング中。長年放置されて音溝にたまったホコリや析出物が続々浮き出しており針にたまってきています)
うちでは現在、ヴィンテージ盤を Ortofon SPU Royal N (芳醇な香りの如き音の艶は他に類を見ない程)、最近の音源を Audio Technica AT-OC9 (シビレる程ハイスピード感たっぷりの高音域が魅力。日本では生産中止なのが残念) というのがステレオカートリッジの定番ですが、やはり最後に安心して聴けるのは 103R あってこそ。SPU Royal の魅力は物凄いものがありますが、あの値段 (日本での実売価格の 1/3 程度で新品を購入できたからいいようなものの) はやはりおいそれと手が出るものではありません。実際、針交換の時期を迎えたらどうしたものか悩ましいところです。
いまだに、この様な良心的なカートリッジを、良心的な価格で提供し続けてくれているメーカに、心から感謝したい気持ちです。
「七十八回轉準備完了」に続く…