2005/10/07

Less-known 45rpm, Pt.1 – The Changing Times

… English version of this article will be available in the near future …

レコードコレクターにもいろんなタイプがある訳で、著名なミュージシャンの、評価が高くびっくりする程高価なオリジナル盤を買い漁る人 (骨董品コレクター的な人と言えるでしょう)もいれば、人知れず埋もれた安くてほとんど知られていない盤の中から自分のお気に入りの音楽を「発見」して悦に入る人 (強いて言えば「オタク系」でしょうかね) もいます。金にものを言わせる前者だけのコレクター諸氏は個人的には正直苦手 (音楽聴いてんだか「もの」を買ってるんだかよう分からんやないですか。そういう手合いに限って、聴いてる音楽のジャンルや対象が狭くて、音楽の話をしても全然おもろないし) ですが、まあ人それぞれ両者のバランスをとって楽しんでいるのでしょう。

それはさておき、特に後者の愉しみというのは本当に格別なものがあります。なにしろ、星の数ほども世の中に残っている盤の中から、聞いたこともないグループやミュージシャンのシングルを格安で拾いあげ、祈るような気持ちでターンテーブルに乗せて、流れてくる音楽がストライクゾーンだったときの喜びといったら! その楽曲が、そのミュージシャンが、世間でどういう評価をされていようが (あるいはされてなかろうが)、巷では有名であろうが無名であろうが、買って聴く自分自身にとっては新しいものであり、良さを「発見」したことに他ならないのですからね。また、今の世の中、web であれリサーチ本であれ、こういったマイナーなミュージシャンの情報を探すことだって出来ます。安値で買って、聴いて気に入って (まぁ期待外れのものも少なからずあるわけですが)、調べてなお唸ることが出来る。なんてリーズナブルな悦楽でありましょう。

というわけで (?) このサイトでも、私がそうやって購入してきたシングル盤を思いついた時に紹介していこうと思います。ただ、私の あっちのサイト との関係上、そのレーベルのものが多くなってしまいますが、ご了承下さい。

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2005/08/31

Force / Max Roach & Archie Shepp

言うまでもなく、ジャズドラムの可能性を極限まで引き出し、新たな世界を確立することに成功した巨人 Max Roach。戦後ジャズ史に燦然と輝く多数の名演奏を残した Brown=Roach Quintet 時代や、1960年代のアメリカという時代を反映した諸作に勢い評価が傾きがちですが、1970年代以降の作品にも注目すべき作品は少なくありません。

The Jazz Giant Max Roach was, of course, one of the most important Jazz drummers who explored the possibilities of drumming. His greatest works include legendary Brown=Roach Quintet, and his numerous works in the 1960s which reflects the atmosphere of the 1960’s USA. However in the 1970s, he recorded several albums which were also far above his average.

[UNI 28.976 Front Cover]

Force: Sweet Mao – Suid Afrika 76 / Max Roach & Archie Shepp
(Uniteledis [F] UNI 28.976)
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2005/07/24

Early Pressings of Steely Dan’s “Aja” LP

名盤の多い Steely Dan の諸作の中でも、“Gaucho” と並び彼らの代表的名盤として圧倒的人気を誇る “Aja”。1977年のリリース直後から、数え切れない程の枚数が市場に出回ったに違いありません。あまりにも細かいバリエーションが多すぎて、最初期プレスを特定するのが困難だとも思われるかもしれません。

Among the series of masterpiece LPs by Steely Dan, “Aja” has been regarded as one of their best and most popular albums along with another famous “Gaucho”. Since its initial release in 1977, so many copies has been available in the market. Also, there are so many minor variations, it might be a delicate question to determine which one is the earliest pressing and variation.

[AB-1006 Front Cover]
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2005/07/19

Miles Davis’ “Birth of the Cool” 78rpms

のちに Birth of the Cool(「クールの誕生」)というタイトルで 10インチ/12インチ LP 化された、問答無用で歴史的名盤とされている マイルス・デイビス (Miles Davis Nonet) の 1949-1950年録音。その録音時期からして、オリジナルイシューは 78回転 SP であろうことは想像に難くありません。

Miles Davis Nonet’s 1949-1950 recordings (which later included on 10-inch/12-inch LP album entitled Birth of the Cool) have been sought as one of the historically important masterpices. By the way, as the recorded date may suggest, these materials were firstly made public on 78rpm issues.

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2005/06/19

季刊 analog Vol.8

この前出た analog vol.8 の表紙に、見慣れたプレーヤーが登場。

analog vol.8

久しく日本で最新モデルが販売されていなかった、私が現在使っているプレーヤー J.A. Michell Gyrodec の最新モデル (Mk.V) が、再び国内で正規販売されることになったようで。 私が使っているのは 1993年モデル (Mk.III) の中古ですが。

しかし、この内外の価格差はどうにかならんのか。 GyroSE RB-300 付が 409,500円 (アメリカだと $2,550)… ローエンドモデルの TechnoDec ですら国内価格が 273,000円というのはかなり割高な様な (同じく $1,695 USD) …

記事の通り、セッティングはとても微妙で大変だけど、それに見合う素晴らしい再生を実現してくれますし、(欧米価格を基準に考えると) とてもハイC/Pなターンテーブルで、日本でも是非もっとユーザが増えて欲しいと思うのですが、この値段は微妙ですな。

2005/05/23

Guitar Genius In Japan / Kenny Burrell, Attila Zoller, Jim Hall

誰にでも、自分にとって特別な意味を持つアルバムというのがあるでしょう。例えば、個人的な想い出とリンクしているアルバムだったり、音楽にのめり込むきっかけを与えてくれたアルバムだったり。そんな中に「自分の生まれた年月日に録音されたアルバム」というのもあったりします。

Everybody may have his/her special album(s) of his/her own – for example, an album which closely link to his/her personal events and memories, an album which gave him/her a huge impact to let him/her get involved into music. And there are some more – such as “an album which was recorded on the same day in the same year when I was born”.

UPS-81-V Front Cover (No Obi)

ジャケ表 / Front Cover

Guitar Genius In Japan
(Overseas/Teichiku UPS-81-V)
UPS-81-V Left Inside the Gatefold Cover

ゲートフォールドジャケ内側の左側 / Left Side inside the Gatefold Cover

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2005/05/15

Triangle / The Beau Brummels

Rhino Handmade, a renowned label recognized for its numerous invaluable limited-edition CDs, has been satisfying the desires of hardcore collectors since its inception in 1999. This project is a standout endeavor by Rhino Records. Over the years, there have been countless titles on my wish list that I’ve been unable to obtain. Here’s a look at the latest release from the Rhino Handmade label, which I was fortunate enough to purchase recently.

Rhino Handmade RHM2-7892 Spine

Magic Hollow / The Beau Brummels
(Rhino Handmade RHM2-7892)
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2005/05/13

七十八回轉準備完了

私が 2003年9月 より愛用している現在のターンテーブル J.A. Michell Gyrodec Mk. III (with plinth-based Papst AC motor driven by GyroPower QC)。このターンテーブル用の 78rpm プーリーがかつて存在していたという噂を耳にし、英国 J.A. Michell 本社に問い合わせをしましたが、「倉庫に残ってるかもしれん。気長に待っとくれ」という返事を最後に数ヶ月音沙汰なし。ダメもとでアメリカのショップに問い合わせをしたら、在庫ありとのことで早速注文。ものはついでと、予備のゴムベルトも同時発注。で、本日届きました。50Hz 用 33/45/78 回転用プーリーとゴムベルト。

33/45/78 Pully for GyroDec AC Motor

写真の銀色のプーリーがそれ。3つ溝が切られていて、上から 33 1/3 回転、45回転、78回転用となっています。左にぽつんと置いてある黒い方は、直前まで使っていたプーリー。こちらは 2ベルト駆動対応版 (Mk.II あたりまでは純正で 2ベルト駆動だった名残りでしょうか) で、上から 45回転、33 1/3回転、33 1/3 回転、45回転と溝が切られています。

あとはカートリッジさえ買えば、うちでもめでたく SP 盤が再生可能になります。ここはいっちょ Ortofon CG65Di を、と言いたいところですが、クルマのメンテにお金がかかることを鑑み Audio Technica AT-MONO3/SP あたりが無難か。

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2005/05/09

Autumn ’66 / The Spencer Davis Group

つい先日、LP ラック を買い足しました。その際、段ボール箱に入れて保管していたレコードを整理しましたが、ここ数年手にとっていなかった盤を手にとっては、その盤にまつわる個人的な想い出が次々と脳裏をかけめぐり、整理は滞りがちになってしまいました。これもそんな一枚。記憶が正しければ、1994年の夏に大阪日本橋の某中古レコード屋で購入したものです。

The other day I bought yet another LP stocker. After the built of the stocker was complete, I started to readjust my LP collection (stocked in the cardboard boxes) to re-stock in this new stocker. During the procedure, I took every LP in my hand, thinking of very personnal memory with the record from one after another, which prevented me from very smooth task to store the records. This LP is one of them – as far as I remember, I bought this album in the summer of 1994 at a certain shop in Nipponbashi, Osaka.

[TL-5359 Front Cover] [TL-5359 Back Cover]

Autumn ’66 / The Spencer Davis Group
(Fontana TL-5359)
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