2021/02/17

R.I.P., Papst AC Motor on GyroDec / True Point Audio PSU

Papst AC Motor on GyroDec

2020年11月8日にその寿命を終えた Papst AC モータ。20年近く本当にお世話になりました。
The Papst AC Motor that ended its life on Nov. 8, 2020 – Rest In Peace.

2020年11月8日、その瞬間は突然訪れました。 わたしが所有する1995年製 GyroDec Mk.III を駆動する Papst 社製 AC モータのベアリングが経年劣化により、ついにまともに回転しなくなってしまったのです。AC モータ、ご臨終…

The moment suddenly arrived on Nov. 8, 2020 – The Papst AC Motor made some noise, and prevented from running smoothly, probably because of the bearing wear. R.I,P., Papst AC Motor…

GyroDec では、初代 Mk.I から2000年頃のモデル Mk.IV まで Papst AC モータ(901 3520 001)が使われていましたが、Papst 社が当該モータの製造を1999年頃に中止してしまったため、2001年以降に製造されている GyroDec では、現在入手可能な新品でも、DC モータが採用されています。

GyroDec, since its beginning Mk.I until 2000 Mk.IV, had synchronous Papst AC Motor (901 3520 001) installed. However, Papst discontinued the particular motor in 1999 (and J.A. Michell used the last batch of motors until 2000), and post-2000 GyroDec (Mk.V) adopts DC Motor instead.

国内外の各種オークションサイトなどを探しても、Papst AC モータの中古やデッドストックは滅多に見つかりません。かといって、AC モータが搭載されている中古の GyroDec を買うのも本末転倒です。なにより、レコードを聴けなくなる期間が長くなるのは辛いので、あきらめて DC モータを調達する方向で考えることにしました。

Unfortunately, few used units (or “new old stock” or “deadstock”) of the Papst AC Motor cannot be found on market all around the world. And it’s kind of absurd to look for another used GyroDec with the AC Motor installed. Furthermore, it was really painful for me that I could not enjoy spinning records – that’s why I started thinking of obtaining a brand new DC Motor.

Continue reading
2021/01/27

RCA Shorting Plugs Brought Me a Huge Difference

以前に増して自宅に籠ることが多くなった昨今、仕事部屋兼趣味部屋でオーディオシステムをあちこちいじりつつ、好きな音楽を大音量で聴く機会はますます増えています。おかげで、引っ越し前とは比較にならないくらい気持ち良い音で音楽を楽しめるようになってきました。

そんな中の1つ。前からなんとなく気になっていた RCA ショートピン (RCA Shorting Plugs) を試してみたお話です。

Continue reading
2020/12/17

全自動レコードクリーナ HumminGuru、Kickstarter に登場

追記: 届きました! 実際のレビューや感想などはこちらから。

先日山本浩司さんのお宅に訪問した際、最も感動したのはもちろん再生音ですが、同じくらい感激したのが KLAUDIO CLN-LP200 でした。

全自動超音波レコード洗浄/乾燥マシンで、すでに生産中止になっていますが、海外で $4,800、国内で648,000円という驚愕のプライス。しかしその洗浄能力(=クリーニング後の再生音)には唸らされました。

KLAUDIO CLN-LP200

山本さんの CLN-LP200 でクリーニングしていただいているのは、
持参したSam Cooke の Night Beat オリジナル盤 (RCA Victor LSP-2709)

いままでずっと ゼロダスト LPレイザー に信頼を寄せていましたが、超音波洗浄してから LP レイザー処理した方が絶対に良いに決まってるので、ついこの前 Kickstarter に登場した HumminGuru をサポートすることにしました。

CLN-LP200 同様、全自動(超音波洗浄 → 乾燥)で、洗浄水のフィルタリング循環のみ備わっていない(毎回水は入れ替える前提の)タイプのようです。なにより KLAUDIO の 1/20 程度の価格 です(笑)から、もうこれは応援するしかありません。

順調にいけば来年夏頃に受け取れるようですが、クラウドファンディングのリスクも重々承知してますので、いまのタイミングで万人におすすめはしないでおきます。けど残り45日でゴール金額100%突破したので、きっと製品化されるでしょうね、期待しています。

2021/04/02 追記: クラウドファンディングは無事終了、そして一般予約も始まりました。 HKD2,956 (USD379) とのことです。

#humminguru team aims to offer affordable price but yet good design and high quality product to global vinyl community….

Posted by HumminGuru by Happywell Tech on Friday, April 2, 2021

2021/05/03 追記: 金型製作が順調に進んでいるとのことです。

Look at this giant mold for the #humminguru vinyl cleaner! It weighs more than two tons & takes the longest time to get…

Posted by HumminGuru by Happywell Tech on Monday, May 3, 2021

2021/09/29 追記: テスト製造が完了し、10月から大量生産フェーズに入るとのことです。

また、幸いにもそのテスト製造分を送ってもらえる1人に選ばれたと連絡がありました。到着が楽しみです。

2021/10/13 追記: 届きました!

2020/12/14

What Rudy Van Gelder Did “Wrong”

先日、オーディオ評論家の山本浩司さんのお宅を訪問する機会に恵まれました。そこで体験した全ては余りに素晴らしく、耳と身体と頭でたくさん受け止めたものを今後の自宅オーディオに活かしたいと思います。持参してかけて頂いた Night Beat / Sam Cooke と STRAVINSKY: Firebird / Dorati, LSO (どちらもオリジナル盤LP)の音はうちでかける何百倍も鳥肌ものでした。リアルで涙がいっぱい出ました。幸せでした。

(Dec. 13, 2020) at Yamamoto-san's Listening Room

その訪問時、山本さんが Like Someone In Love / Art Blakey & The Jazz Messengers の再発LPをかけてくれました。ちゃんと確認し忘れたのですが、おそらく Music Matters から出ている重量盤 で、アナログマスターからストレートカッティングしている奴です。つまり RVG Remaster じゃない音ってことですね。

それで思い出したのが、2020年7月21日に書かれたこの記事。7月27日に読んで「そうだよね〜」と思った記憶が蘇りました。

特に以下の箇所が、この記事を要約しています。いかにも Steve Hoffman さんらしい毒舌ですね。

Fans of ultra-pristine sound—the kind of guys who can spend an afternoon ranking matrix numbers on Steely Dan LPs—have been known to gripe about Van Gelder’s work.

スティーリー・ダンの LP のマトリクス番号による優劣に興じながら午後のひとときを過ごすような、超絶に原音的なサウンドのファンたちは、Van Geler 氏の仕事に不満を持つことで知られている。

Mastering engineer Steve Hoffman infamously wrote on his own website, “Take three or four expensive German mics with a blistering top-end boost, put them real close to the instruments, add some extra distortion from a cheap overloading mic preamp through an Army Surplus radio console, put some crappy plate reverb on it, and record. Then, immediately (and for no good reason), redub the master onto a Magnatone tape deck at +6, compress the crap out of it while adding 5 dB at 5000 cycles to everything. That’s the Van Gelder sound to me.”

マスタリングエンジニアの Steve Hoffman 氏は、自身の web サイトに次のように書いている。「トップエンドが持ち上がった高価なドイツ製マイクを3〜4本楽器に近づけ、軍から払い下げられたラジオコンソールを通した安物の過負荷なマイク・プリアンプで歪みを加え、くだらないプレート・リヴァーブをかけて録音する。そしてすぐに(特に正当な理由もなく)マスターをマグナトーンのテープデッキに +6dB でダビングし直し、なんでもかんでも 5kHz あたりを +5dB 増幅させながらバカみたいに圧縮する。それが私にとっての Van Gelder サウンドだ。」

なるほど。 ある意味 RVG さんのやったことを的確に表現していると言えます。 >>> Mastering engineer Steve Hoffman infamously wrote on his own website, “Take…

Posted by Kohji Matsubayashi on Sunday, July 26, 2020
2020/11/30

オーディオ復活途上

私事ですが2020年7月に近所で引っ越しました。いままでは子供部屋に置いていたオーディオが、やっとこさ仕事部屋兼オーディオ部屋に集約できるようになりました。やった〜。

とはいえ、まだ引っ越し時の段ボール(につまった書籍類)が残っていて、仕事エリア以外は落ち着いてはいませんが。

ここも長らく放置気味で書いてないこともたくさんですが、ぼちぼち復活していこうかなぁ。と。

2020年11月 2021年3月 2021年5月 2021年12月時点での自宅オーディオはこんな感じです。2020年11月上旬に GyroDec の Papst AC モータが昇天(軸受焼きつきというか摩耗というか)してしまったので、現在イギリスから取り寄せ中のDCモータなどあれこれが届くまでアナログが恋しいですが。。。(涙)

はやくアナログ聴きたい… (2020.12.29 無事復活しました)

2013/11/22

A Great Day In Tokyo with Michael Yee

November 22, 2013 – it was really a very beautiful and sunny Autumn day in Nerima, Tokyo – I had the honorable privilege to meet Mr. Michael Yee from Mount Shesta, CA, who is a famous developer of Phonomena (I bought this back in 2004), Phonomena 2, Nova Phonomena and SuperNova / SuperNova 2 (he kindly handed over this superb product to me) and handful of power amplifiers, and his latest production, MYDAC II (he was kind enough to lend me the prototype version last year).

2013年11月22日、ここ東京都練馬区はとても美しくポカポカ陽気の一日でしたが、そんな日にカリフォルニア州マウントシャスタから来日している Michael Yee さんと会うことができました。彼は、有名なオーディオ機器開発エンジニアで、私も彼の製品を長年愛用しています。彼は Phonomena(2004年に私が購入した製品)、Phonomena 2Nova Phonomena そして SuperNova / SuperNova 2(昨年なんと譲って下さいました)といった蒼々たるラインアップのフォノイコライザーアンプや、独自のパワーアンプ開発で知られています。彼の最新の製品は DAC で、MYDAC II として昨年末から販売されています(やはり昨年、製品化前のプロトタイプ基板を貸して下さいました)。

 
[Michael Yee at the Hikarigaoka Park, Nerima, Tokyo]
Continue reading
2013/10/03

Tour Electric Mastering’s New Vintage Cutting Chain With Analog Legend Sean Davies

非常に興味深い映像を見つけました。1960年代に Decca でエンジニアとして勤務、現在では往年のアナログレコード全盛期に活躍したヴィンテージ機器(カッティングレース、カッティング時に使用するテープデッキ、真空管アンプなど)のメンテナンスを行っている、伝説のオーディオエンジニア、サム・デイヴィス (Sam Davies) 氏が実際にレストア・メンテナンスして、実際にLP復刻に使用している機材、Ortofon / Lyrec 1965年製カッティングマシン一式を紹介するものです。

I came across an very interesting video on the Internet – the living legend Sam Davies, who worked as an engineer at Decca in the 1960s and now doing restoration/maintenance of vintage studio equipments (cutting lathes, reel-to-reel playback tape machines, all vacuum tube amplifiers, etc), introduces his vintage cutting chain (by Ortofon/Lyrec, 1965) which he actually uses for reissuing vintage vinyl LP records.

Continue reading
2013/09/22

DENON raising the price of phono cartridges

先刻 路傍の石さんのブログ「帝都熱烈音盤解放戦線」 にて知りました。

I just happend to know the news, at 帝都熱烈音盤解放戦線, the blog dedicated to Showa-period popular songs, J-Pop idols.

   

デノン(旧・デンオン、DENON)が誇る、永遠のスタンダードMCカートリッジ DL-103 が 26,000円 から 36,750円 へ(カートリッジ針交換価格は 16,900円 から 23,940円 へ)、上位機種で私も長年愛用している DL-103R が 33,100円 から 44,100円 へ(交換価格は 21,500円 から 28,600円 へ)と、それぞれ値上げとのことです。

The very standard MC cartridge DL-103 will have the new price tag 36,750 YEN (367.50 USD when 1 USD = 100 JPY), while the higher version DL-103R (which I’ve been using with decent satisfaction for dozens of years) will be 44,100 YEN in the domestic market. The new price will be effective staring on October 1, 2013, according to the above news release.

 
[DENON DL-103R on GyroDec]
 

レコードの生産量は年々復活しているとはいえ、所詮は好事家向けの小さなマーケット。生産中止や撤退ではなく、技術や製品が残ることに感謝するべきなのかもしれません。

Phono cartridges has been facing small and niche market (although sometimes we see the news vinyl market is surprisingly growing back every year). We must rather thank DENON’s decision, not to withdraw from the phono cartridge market but to raise the prices to keep their technology, history and products available.