Line chart: the shares of stereo and mono LPs sold in the US, 1961–1968. Stereo rises from 25.6% to 94.2% as mono falls to 5.8%.

Why Did the Parallel Run of Mono and Stereo LPs End? (1967–68)

LP のモノーラル盤とステレオ盤の並走はなぜ終わったのか。米国でステレオ盤の枚数比は、1966年に 38.6%、1968年には 94.2%。1967〜68年の Billboard から、モノーラル盤の値上げ、「今のモノーラル機でステレオ盤をかけてよい」という CBS の宣言、各社の製造停止の順にたどります。

Front cover of The Beau Brummels, Bradley's Barn (Warner Bros.-Seven Arts WS 1760)

The 90 Degrees Hidden in Bradley’s Barn: Haeco-CSG on a 1968 LP

The Beau Brummels の 1968年の LP、Bradley’s Barn の裏ジャケットには Haeco-CSG を使ったとあります。モノーラル再生のために左右の位相をずらすこの処理は、溝に本当に刻まれているのか。盤起こしして測ると、右チャンネルが約 90° 遅れていました。例外の1曲もありました。

"NEW! STEREO RECORDS PAGE 98" on the cover of the Schwann Long Playing Record Catalog, June 1958 (eyecatch)

What Was the CBS “Compatible Stereo Record,” and Why Did It Vanish?

ステレオ盤を当時のモノーラルの針でかけると、盤が傷む。1958年の業界はそう見ていました。CBS 研究所が出した答えが、溝の縦の振れを絞った「互換ステレオ盤」です。しかし市販はされませんでした。連作第1回では、なぜ互換ステレオ盤は消えたのか、当時の業界誌や論文、特許からたどります。

Title page of Pickett and Lemcoe's 1959 report Preservation and Storage of Sound Recordings above Figure 17, a photograph of surface imprint on a disc caused by a wrinkled polyethylene jacket

Preservation and Storage of Sound Recordings (1959) — A First Reading

1959年、ロックフェラー財団の助成で米議会図書館が刊行したレコード保存調査レポートを精読。シェラック、ヴァイナル、アセテートなど素材ごとに異なる劣化の「敵」、ヴァイナル盤における反りの3つのメカニズムと保管温度の影響、内袋のシワが盤面に転写されるビニ焼けの原因と推奨保管方法を概説します。

Mercury's standard company sleeve for the Buddy Rich 78 (left) next to the rare Popular Autographed Photograph Series sleeve featuring Buddy Rich (right)

Mercury Popular Autographed Photograph Series (and Eddie Gaedel)

“Mercury Popular Autographed Photograph Series” という聞いたことのないシリーズ。スリーヴのみですが入手して、これがいったい何なのかを調べてみました。すると、レーベル創立直後の Mercury が78rpm盤販促用に使っていたことが分かりました。

Close-up of the Lebo/Peerless Greek key pattern printed on a paper record sleeve, with the title Lebo/Peerless Greek key Record Sleeves

ラーメン丼柄のスリーヴ / LEBO PEERLESS Generic Sleeve

米国中古盤でよく見かける、ラーメン丼鉢の柄のようなインナースリーヴ、Twitter で話題になっていたので、某所で質問してみたり、いろいろ調べてみることにしました。主に1970年代にジェネリックスリーヴとして普通に流通していたもののようです。

A vintage RCA Victor promotional spread advertising new 1-record and 2-record EP albums, with a cartoon figure and the tagline Watch EP lead right to your Victrola 3-speed players, next to the article title What the EP Originally Stands For, Pt. 2

What the “EP” Originally Stands For, Pt. 2

「EP」とは元々45回転シングル盤を拡張(Extended Play)したもので、1949年シングル盤登場の3年後、1952年にRCA Victorによって生み出された新フォーマットです。本稿では、2012年に拙ブログに掲載したEPの歴史をたどる記事ののちに新たに学んだり知ったりしたことを書いています。

なぜ日本だけで「SP盤」と呼ぶようになったのか

78回転の古いレコードのことを、日本では「SP盤」と呼びますが、海外ではそう呼ばれません。回転数で78rpmと言ったり、Shellac records / Gramophone / Phonograph と言ったり。なぜ日本だけ「SP盤」なのか、いろいろ調べてみました。

Sound Storing Machines: The First 78rpm Records from Japan, 1903-1912

1903年(明治36年)〜1912年(明治45年/大正元年)の日本の録音が Sublime Frequencies レーベルからコンパイルされてリリースされました。メインタイトルは “Sound Storing Machines” つまり「蓄音機」です。

Two Rivermont Records 78rpm sleeves -- Happy Feet by The Chicago Cellar Boys (596, left) and Okay Toots by Alex Mendham and His Orchestra (593, right) -- with the tagline '78 rpm stereo microgroove!'

78 rpm stereo microgroove – Hooray for Rivermont Records!

78回転、ステレオ、マイクログルーヴ(溝の幅が普通のレコードと一緒)、新録、しかもジャンルはトラッドジャズ。そんなステキなリリースをおこなっているのは、アメリカのリヴァーモントレコード (Rivermont Records) 、自らラグタイムピアニストとして活動されている Bryan Wright さんのレーベルです。