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Hooray for Eddie Bo
エディ・ボー (Eddie Bo)。知る人ぞ知る、なんでしょうか、ニューオーリンズの至宝。自己名義での大ヒット作には恵まれることはありませんでしたが、ニューオーリンズ R&B 〜 ニューオーリンズソウル 〜 ニューオーリンズファンク、そしてジャズ、と、その才能を遺憾無く発揮した自己名義作品、および幾多のプロデュース作品で知られます。アーマ・トーマス (Irma Thomas) やアート・ネヴィル (Art Neville) など錚々たるメンバとの共演やプロデュースでも知られています。また、リトル・リチャード (Little Richard) のヒット曲 “Slippin’ And Slidin’” の元ネタ(パクリ元)がエディ・ボーの1956年シングル “I’m Wise” であることも有名です。
彼の全盛期の作品は、もともとシングルリリースしかされていないものが多く(もちろんオリジナル盤は入手困難)、そして自己名義に加えてプロデューサとしての作品も多く、結果としていろんなコンピレーションに数曲収録されているのがほとんどなので、全貌をとらえるのがすごく難しかったのですが、さすがに21世紀ともなればいろいろ出ていたり聴けたりするようになってきていますので、それを個人的備忘録的にまとめておこう、というのがこの記事の目的です。
Continue readingThe Who Sell Out (Super Deluxe Edition)
The Who のアルバム、The Who Sell Out の スーパーデラックスエディション がリリースされました。個人的には、ファーストアルバム よりも Live at Leeds よりも大好きな、思い入れのあるアルバムですし、ブックレットの解説も読みたいので、5CD + 7インチシングル2枚組セットの輸入盤を買いました。
Super Deluxe Edition release of The Who’s seminal album “The Who Sell Out” is out. This album is personal favourite, compared even with their 1st album and “Live at Leeds” – and I’d like to read the liner-notes on the gorgeous booklet, so I bought the 5CD + 2 x 7″ 45rpm box set.

で、今どきらしく、ハイレゾダウンロードでもリリースされているのですが、微妙に収録曲が異なることに気付きました。たとえば 5CD版(108曲収録) には 1-25 “Sunn Amps promo spots” や 1-26 “Great Shakes ad” が収録されているのに、ハイレゾダウンロード版(105曲収録) にはない。逆に、ハイレゾダウンロード版には 25 “Our Love Was (take 12, rejected mono mix)” があるのに、5CD版には収録されてない、などです。この辺りの事情をまとめたサイトとかあったりしないですかね。。。
This comprehensive album is also released in the hi-res download format, and I noticed some of the contents (and track order) are different from the physical release. For example, the 5CD box (108 tracks) contains 1-25 “Sunn Amps promo spots” and 1-26 “Great Shakes ad”, while the hi-res download version (105 tracks) doesn’t; download version contains 25 “Our Love Was (take 12, rejected mono mix)” while the 5CD box doesn’t. Does anyone know about it, or does anyone know the websites describing the difference?
2025/06/13 追記: で、どこにも情報がまとまっていないようだったので、5CD版とハイレゾダウンロード版の違いを調べてみました。
Addendum (Jun. 13, 2025): … since there didn’t seem to be any information compiled anywhere, I decided to look into the differences between the 5CD version and the hi-res download version.
Only on 5CD version | Only on Hi-Res download version |
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1-25: Sunn Equipment Promo Spots (Mono) |
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1-26: Great Shakes (Mono) |
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1-25: Our Love Was (Take 12 Rejected Mono Mix) |
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1-26: I Can See For Miles (Early Mono Version) |
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1-27: Someone’s Coming (UK Single Mix / Mono Version) |
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1-28: Magic Bus (US / UK Mono Version) |
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1-29: Dr. Jekyll & Mr. Hyde (US Single Mix / Mono Version) |
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2-16: Someone’s Coming |
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2-18: Glittering Girl |
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2-22: Sodding About |
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3-27: Shakin’ All Over (Take 3) |
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4-10: Magic Bus (Unedited Stereo Mix) |
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5-14: I Can See For Miles (Pete Townshend Demo) |
さらに、少なくとも Apple Music ストリーミング版 は、両者を合成した 全114曲収録 となっていることに気づきました。。。おかしいですね、私の記憶では、2021年当時は、ストリーミング版も105曲のみ公開されていたはずなのですが。。。
Furthermore, I noticed that at least the Apple Music streaming version contains a total of 114 songs, which is a combination of both versions… That’s strange, because as I recall, in 2021, only 105 tracks were available on the streaming version…
78 rpm stereo microgroove – Hooray for Rivermont Records!
78回転。マイクログルーヴ、ステレオ。
78 rpm, microgroove, and stereo recording.
そんなレコードが「新譜で」この世に存在することは奇跡的といっていいでしょう。
It’s nothing but miraculous that such records exists (and are still released).

Scarce Mix of “What A Diff’rence A Day Makes”
ダイナ・ワシントン (Dinah Washington)、大好きです。初期ブルース/R&B時代も、中期ジャズ時代も、後期ポピュラーシンガー時代も。いかなる曲でも、いかなるジャンルでも、あの声が聴こえてきたとたんに全てが彼女の音楽になってしまいます。特定のジャンルにとどまらなかったことで、ブルース畑からもジャズ畑からもハードコアな(?)音楽マニアからは注目されにくいいのが、本当にもったいないです。
最初期のキーノート (Keynote) レーベル (1943年) やアポロ (Apollo) レーベル (1945年)、晩年のルーレット (Roulette) レーベル (1962年〜1963年) を除いて、そのキャリアの大半 (1946年〜1961年) の音源はマーキュリー (Mercury) とその傍系レーベルに残されており、人気盤は現在に至るまで幾度となくリイシューされてきました。集大成となるボックスセットもありますので、ほぼ全音源が現在でも入手可能です。ストリーミングでも聴くことができます。
音楽マニアではなく、多くの一般リスナーにとっての代表的な曲といえば、なんといっても名曲「What A Diff’rence A Day Makes」(邦題:「縁は異なもの」)でしょう。1959年2月19日、ニューヨーク録音。夏には Billboard の R&B チャートで1位、ポピュラーチャートで8位を記録した大ヒット曲で、1959年グラミー賞で最優秀R&Bレコードも受賞しました。

1959年リリースのシングル(もちろんモノーラル盤です)
Loveless 1st Pressing – MPO or DMM?
泣く子も黙る大名盤、My Bloody Valentine の Loveless (Creation CRELP 060) の LP盤、eBay とかヤフオクとかで2万〜6万円で取引されているのをふと目にしました。
なんかの勘違いではと思って過去の落札履歴を調べても、大量に高額落札されています。
なんでまたこんなにバカ高い値段で取引されてるんやろう?と思い、いろいろwebで調べてみると、どうもオリジナル1stプレスのマトリクス刻印がどのパターンか、というので議論されている模様で、しかも議論はまだ収束していない感じです。
調べた限りでは、1991年当時の最初期プレスには手書き刻印 DMM TOWNHOUSE
のパターン (Audio Services Ltd. 工場プレス) と、手書き刻印 MPO
の 2パターン (MPO 工場プレスと EMI Music Publishing Ltd. 工場プレス) の合計3パターンある、と。
で、いまいちばん有力とされているのが:
MPO C̶ CRELP060 A1/B1
(MPO)CRELP-060-A5/B5 * DMM ASL TOWNHOUSE 3 MAX
(Audio Services Ltd.)M̶P̶O̶ ̶C̶CRELP060 A1/B1
(EMI Music Publishing Ltd.)
という順番ではないか、という説だそうで。
で、うちにあるLPのマトリクスを調べてみたら、2番目の DMM TOWNHOUSE 手書きマトリクスでした。1991年暮れに、多分四条河原町だか四条烏丸の輸入レコード店で新品を買った記憶です。
確かにCDよりは気持ちよく聴けるけど、他のプレスや再発LPと聴き比べたことはないからよく分かりません。
世界中のレコードコレクターは本当に怖い。。。(笑)
2025/05/06 追記: 参考として、Discogs 上の DMM TOWNHOUSE 手書きマトリクス盤エントリに寄せられた各種コメント によると、MPO マトリクス盤は CD にほぼ準拠する音、しかし DMM TOWNHOUSE 手書きマトリクス盤の音の方が好ましい、という意見が見受けられました。
(Too Long) List of “Music To (…) By” Records
During the many years of my hunting records (and loving exploring listening to music), I sometimes encounter the ones with the title “Music To (blah blah) By“. I find it interesting – the phrases ending with “By”, not with “To” nor “For”.
レコード蒐集や音楽探求をこれだけ長く続けていると、時に「Music To (なんちゃらかんちゃら) By」というタイトルのレコードや曲にたびたび遭遇します。このタイトル自体がとても興味深いといいますか、最後が「To」でも「For」でもなく、「By」というのがいい味出してる気がします。
It also makes me wonder – why are there so many records containing the music intended (or effective) for listening while doing something?
そして、「〜をしている時にかかっている音楽」「〜してる時に聴くと良い音楽」「これさえあれば〜できる音楽」と銘打たれたアルバム(や曲)が、なぜあれやこれやと(しかも最後が「By」のパターンで)これだけ世に出ているんだろう、と。
So here’s the list of such titles I could find (so far) 🙂
で、そういうタイトルのものを探して一覧にしてみました(笑)
PLEASE NOTE: THIS ARTICLE IS VERY LENGTHY! I never thought there was so many…
注意:むっちゃ長いですよ。 こんなにたくさんあるとは思いませんでした…
Continue readingBAD BABY CITY / Speaker Sgt.
Speaker Sgt. の新作 Bad Baby City。1970年代〜1990年代〜2010年代の見事なブレンド。ジミヘン・ミーツ・JB。ハードボッサファンク。ヒップホップロック。ジャズファンク的ハードロック。このバンドの3枚目となる新作をひとことで形容することは不可能です。バラエティ豊かな音楽的背景が見え隠れする一方、図太い一本筋の通った個性と主張が眩しいくらいに光ります。
The Immortal Voice (1923) – how phonograph records are made
とても貴重な記録映像です。Liberty of Congress より。
Continue readingなんとかロマンチック / ノラオンナ
今は無き エディーズラウンジ で知り合った、柿澤龍介 さん(元「トルネード竜巻」のドラマー)の tweet で存在を知ったアルバム。お恥ずかしいことに ノラオンナ さんの名前も初めて知りました。100部限定で LP+CD でも入手可能とのことで、アナログ好きな私はそちらを購入しました。
これはいいアルバムなのでみんなアナログとCDの両方買うといいね。 https://t.co/4n8lTBgwAj
— 柿澤龍介 rkakizawa (@uchuuyarou) July 29, 2015

なんとかロマンチック / ノラオンナ (NORAONNNA RECORDS NORA-0007A)