2024/08/08

Things I learned on Phono EQ curves, Pt. 24

EQカーブの歴史、ディスク録音の歴史を(私が独りで勝手に)学ぶ本シリーズ。前回 Pt.23 では、1970年代民生用アンプに内蔵されたフォノイコの RIAA 偏差 に関する興味深い記事、および、米国で伝統的に使われていた LCR 録音イコライザの話などを紹介しました。

In the previous Part 23, I learned an interesting article on RIAA deviation of 1970’s consumer amplifiers, as well as LCR recording/reproducing equalziers that had been the legacy especially in the United States.

今回の Pt.24 では、音声信号が最終的にレコードの溝として記録されるまでに通過するシグナルチェーン、そこで使われる機器の歴史的変遷などについて、改めて復習していきます。

This time on Pt.24, I am going to revisit and learn the signal chain from the audio source to the groove cut into lacquer discs, as well as the history and evolution of these.

Recording process flow chart

source: RCA Engineer, Vol. 3, No. 2, Oct.-Nov. 1957, pp.8-9
1957年のRCA社内エンジニア向け紀要に掲載された、録音プロセスのフローチャート
“Recording process flow chart” from 1957 technocal bulletin for RCA’s engineers.

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2017/05/21

The Great “Bop-Gun Club” with Harry Weinger in Tokyo

2017年5月16日の夜、ハリー・ワインガー (Harry Weinger) さんとついにお会いすることができました。

It was a cloudy Tuesday night, May 16, 2017, when I finally had the great privilege of meeting Mr. Harry Weinger for the first time in person.

L to R: Harry Weinger, Kiyoshi ‘Bop-Gun’ Satou, Kohji ‘Shaolin’ Matsubayashi
May 16, 2017 at a sushi restaurant in Shinjuku, Tokyo
Photo courtesy of Mrs. Satou

ハリーさんは現在、米ユニバーサルミュージックエンタープライズのA&R副代表として活躍するほか、ニューヨーク大学のクライヴ・デイビス・レコード音楽学部で非常勤講師も勤めています。最も有名なのは、「Star Time」ボックスセット(1991年)などでの、2度のグラミー賞の受賞でしょう。

He is a Vice President of Product Development/A&R for Universal Music Enterprises, as well as an adjunct instructor at the NYU’s Clive Davis Institute of Recorded Music. He is best known as a two-time Grammy winner, including the famous “Star Time” box set (1991).

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2016/02/29

James Brown Live in Virginia 1970

ジェームス・ブラウン (James Brown) のものすごい音源が、公開されています。

James Brown‘s amazing recording is available here.

 

1970年(月日不詳?)、バージニアでのライブ音源です。音質はかなり悪いですが、内容の濃さと興味深さがそれを補って余りあります。

According to the video description, it is from a live concert in Virginia, 1970. Although its sound quality is far from good, intensity and excitement of the performance itself is like “out of this world”.

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2015/12/25

How The Funk Was Won: The Simonger & Funk Story, Pt. 5 (Extra Edition)

サイモンガー&ファンクの主要メンバー(サイモンガーさん、ファンクさん、ファンクラ大臣さん)へのロングインタビューは、前回の Pt. 4 でついにサイモンガーさんとファンクさんが出会われた時期(1993〜1994年頃?)まできました。

今回は、インタビュー本編はちょっとお休みさせていただきまして、年末特別編 として「今までに影響を受けた20枚」をお届けします。

2015年11月7日のインタビューの際、皆さんに「思い入れのある、あるいは強く影響を受けたレコード/CDを持ってきていただければ」とお願いしました。また後日メールで、インタビュー当日にお持ちいただいた盤を含め20枚を改めて選出していただき、それぞれにまつわるエピソードも含め、お三方に熱く語っていただきました。

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2015/12/18

How The Funk Was Won: The Simonger & Funk Story, Pt. 4

「圧倒的なインプット」の時期の Pt. 3 に続いて、本 Pt. 4 では、ついにファンクさん登場です!

ファンクさんが音楽に興味を抱く過程、そしてサイモンガーさんとの運命的な出会いまでをお届けします。

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2015/11/10

How The Funk Was Won: The Simonger & Funk Story, Pt. 0

きっかけは、あの大熱狂のライブ #SF20FD46 の興奮冷めやらぬ、2015年9月22日の夜、わたしのふとした思いつきからでした。

みなさんのご理解やご協力もあって、あれよあれよという間にはなしが具体化していき。

そして、2015年11月7日、私に負けないほど大ファンの娘と一緒に(笑)神奈川県某所へ赴き、伝説のバンド サイモンガー&ファンク の主要メンバーへのインタビューを行うことができました。

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2015/09/22

サイモンガー&ファンク 結成20周年記念ライブ #SF20FD46

先日、とはいっても3ヶ月以上前のことなのですが、

「サイモンガー・モバイルを聴かずして死ぬべからず」

そんなタイトルで サイモンガー・モバイル 礼賛記事を 書きました

ですが、2015年9月19日、18時30分〜22時に 西荻窪 w.jaz で行われたイベント、#SF20FD46 に参加し、至極の時を過ごし、それが終わったいま、私はこう言いたいです。強く主張したいです。

「彼らの世界征服の野望が成就するまで死ぬべからず」
Sep. 19, 2015 at Nishi-Ogikubo w.jaz Continue reading
2015/06/08

サイモンガー・モバイルを聴かずして死ぬべからず

ハンク・ガーランドの “Seventh And Union”。ジョン・ゾーンの “Shuffle Boil”。各種ミュージシャンによる “That’s A Plenty”。スティーブ・ライヒの “REICH: Music For 18 Musicians”。ミルト・ハース・トリオの “Flat Foot Floogie”、そしてルー・リードの “Metal Machine Music” やフランク・ザッパの “Let’s Make The Water Turn Black”、ジェームス・ブラウンの “It’s A New Day” や “New Breed”(なぜこれを?)など。

さまざまな愛聴曲(?)溺愛曲(?)を持つ、7歳の娘が、最近別次元で完全に虜になっている音楽があります。 サイモンガー・モバイル です。マジで毎日鼻歌うたってます(笑)

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2015/06/01

Get On Up / ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男

2014年8月に本国アメリカで封切後、大いに話題になった本作、先日(2015年5月30日)ついに日本で公開されました。

まだ観に行けてないのですが、尊師JB好きの娘と一緒に近々映画館に観に行きたいところ。

マニアにとってはニヤリとさせられるシーンの連続(同時に「なぜあれやこれを触れてないの?」という不満の連続も)と聞いています。ここはひとつ、先入観なしに(かつマニアックに)楽しみながら観てみようと思います。

2014/09/29

The Fela/James Brown Connection

本稿は、The Afrofunk Music Forum に 2006年に掲載された David McDavitt 氏の記事「The Fela/James Brown Connection」を、ご本人の許可を得て日本語翻訳したものです。

This article is a Japanese translation of 2006 article by Mr. David McDavitt, entitled “The Fela/James Brown Connection”. Presented here with David-san’s permission.

 

ミスター・ブラウンとオリジナル J.B.’s がナイジェリアはラゴスに赴いたのは1970年12月とされています。その一方で、それに先立つこと数ヶ月、1970年7月22日録音の「There Was A Time (I Got To Move)」や同年8月16日録音「I Got To Move」ではすでに、アフロビート的なアレンジの萌芽が感じられるのは興味深いところです。

Mr. Brown and his original J.B.’s toured Lagos, Nigeria in December 1970. On the other hand, prior to the Lagos one-nighter, Mr. Brown recorded “There Was A Time (I Got To Move)” (recorded on July 22, 1970) and “I Got To Move” (recorded on August 16, 1970) – both already shows an interesting sign of influence from Afro music.

 


 

The Fela / James Brown Connection
(by David McDavitt, published April 22, 2006. 原文 / original article)

Fela Kuti and James Brown

フェラ・クティ (Fela Kuti) のアフロビート、ジェームス・ブラウン (James Brown) のソウル。それぞれに信者がおり、かつ互いの音楽の素晴らしさをたたえ合ってきた。だが、依然として論争は続く — どっちがどっちをパクったのか?

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